
こんにちは。訪問いただきありがとうございます。物語の知恵袋、運営者の「ふくろう」です。
今回の記事では映画『#マンホール』のあらすじを徹底紹介します。
前半ではネタバレ無しであらすじ、登場人物、作品情報を解説し、後半ではネタバレ全開で解説します。
また、本作品の見どころ、感想も併せてまとめます。
結末に至るまでの伏線や考察などはこちらの記事で詳しく深堀りしているのでご一緒にどうぞ!
ポイント
- #マンホールの作品情報とジャンルの要点
- キャストと登場人物をネタバレなしで把握
- ネタバレなしのあらすじを解説
- ネタバレありで結末・ラストと伏線の入口まで整理
ネタバレなしで読む#マンホールあらすじ、作品情報とキャスト、見どころ
まずは安心して読めるパートです。ここでは作品情報、キャスト、ネタバレなしの導入あらすじ、そして見どころ(スマホ×SNSの闇)をまとめます。未視聴のあなたでも、ここまで読めば「自分に合う作品か」が判断しやすくなるはずですよ。
基本情報|『#マンホール』とは
| タイトル | 『#マンホール』 |
|---|---|
| 公開年 | 2023年 |
| 制作国 | 日本 |
| 上映時間 | 99分 |
| ジャンル | ソリッド・シチュエーションスリラー(スリラー) |
| 監督 | 熊切和嘉 |
| 脚本 | 岡田道尚 |
| 主演 | 中島裕翔 |
ここから先は、『#マンホール』がどんな作品なのかをネタバレを避けつつ整理します。短い尺で何をやってくる映画なのか、どこが怖くて面白いのか。観る前にサクッと掴んでおきたいあなた向けです。
尺が短いからこそ、息つく間もない
本作は尺が短めで、余計な寄り道がほとんどありません。気づけばずっと追い詰められていて、観終わったあとに「あ、ずっと肩に力入ってた…」となるタイプのスリラーです。
ジャンルは「ソリッド・シチュエーション・スリラー」
舞台の中心はタイトル通りマンホールの底。いわゆる“閉じ込められ系”で、限られた空間・道具・時間のなか、主人公が生き延びようともがき続けます。閉所の圧迫感がじわじわ効いてくるんですよね。
スマホが「助け」でもあり「武器」でもある
面白いのは、連絡手段が断たれるのではなく、スマホを徹底的に使い倒すところ。撮影、通話、投稿、位置情報——普段なら当たり前の機能が、そのままサバイバルの手札になります。便利な道具が、状況次第で鋭い刃にもなる感じです。
あらすじの入口(ネタバレを避けた説明)
結婚式を翌日に控えた川村俊介は、渋谷で同僚に祝われた夜、帰り道で意識を失います。目を覚ますと、そこはマンホールの底。足を負傷して自力で出られず、助けを呼びたいのに居場所もはっきりしません。
元恋人に連絡し、警察にも通報し、それでも埒が明かない。そこでSNSに助けを求め、「外の人の知恵」を借りようとします。けれど、そのSNSが思わぬ方向へ転がり始める——。助かるための行動が、別の危険を呼び込む。この噛み合わせの悪さが、物語を強く前に押します。
見どころは“スマホ×SNS”が生む現代的な恐怖
本作は、マンホールという物理的な密室だけでなく、SNSの空気・断定・暴走といった“ネットの密室”も同時に描きます。
拡散が早いほど助かりそうなのに、早いほど誤解や私刑も加速する。この矛盾が、ずっと気持ち悪い緊張感として残ります。
短い尺で一気に追い詰め、マンホールの密室感とスマホ・SNSの現代的な怖さを重ねてくるのが『#マンホール』。シンプルな設定なのに、終盤まで油断できないタイプの作品です。
登場人物・キャスト紹介
『#マンホール』は登場人物が多くない分、ひとりひとりの役割がハッキリしています。ここを押さえておくと、物語の緊張感やSNSの怖さがスッと入ってきますよ。
川村俊介(演:中島裕翔)
結婚式を翌日に控えた不動産会社の営業マン。順風満帆に見えた人生が、ある夜を境に一変し、マンホールの底で孤立します。
本作は“ほぼ独り芝居”。焦り、苛立ち、恐怖、そして頭を回して策を探す瞬間まで、感情の振れ幅を一人で引っ張る役どころです。観ている側も一緒に穴へ落とされた気分になりがちです。
工藤舞(演:奈緒)
川村の元恋人。突然の連絡を受け、電話越しに状況整理や応急処置のアドバイスをする存在です。
顔が見えない“声だけの相手”だからこそ、言葉の温度や沈黙が効いてきます。頼れそうでいて、元恋人という距離感がどこか落ち着かない。ここ、気になりますよね。
加瀬悦郎(演:永山絢斗)
川村の同期。SNSが回り出すほど、加瀬は「疑われる側」へ引っ張られていきます。
この人物が背負うのは、加害そのものよりも、ネットの断定が現実の被害を生む怖さ。川村の発信や周囲の憶測が、取り返しのつかない方向へ転がる引き金になります。
折原奈津美(演:黒木華)
物語の“鍵”を握る人物。登場の仕方も含めて印象が強く、観終わってから「あの存在が全体を組み替えていた」と腑に落ちるタイプです。
キャストとしてもサプライズ性が高く、短い登場でも空気を持っていくインパクトがあります。
そのほか押さえておきたい存在(深淵のプリンス/動画配信者/仮面の男)
深淵のプリンスは、SNS上で目立つ過激アカウント名。言動が強く、後半に向けて現実側にも影響を及ぼします。
動画配信者は、拡散と承認欲求の象徴。“助け”がエンタメ化していく嫌なリアルを担います。
仮面の男/特定班的な動きは、看板・音・蓋など断片から場所特定を進める役割。集合知が光る瞬間でもあり、同時に危うさも増すポイントです。
登場人物が絞られているぶん、「誰が何を知っていて、誰が何を誤解しているか」がダイレクトに刺さります。閉鎖空間に一人でいる主人公の感情も濃く伝わるので、没入感がグッと上がる作品です。
あらすじ①(ネタバレなし)|幸せの絶頂からの転落

この映画の“落とし穴”は文字通り、ここから始まります。幸せの絶頂から一気にどん底へ。まずは導入の流れを押さえておくと、後の展開がもっと効いてきますよ。
「相談がある」呼び出しの正体はサプライズパーティー
結婚式前夜、主人公の川村俊介は同僚たちに呼び出され、渋谷へ向かいます。用件は「相談がある」など、いかにも真面目そうな口実。ところが現場に着いてみると、待っていたのは同僚たちが用意したサプライズパーティーでした。
祝福ムードの中心にいる“営業成績No.1のエリート”
川村は社長令嬢との結婚式を翌日に控え、職場でも営業成績No.1のエリートとして祝福される立場。場は盛り上がり、本人も上機嫌です。ここまでの空気は、いわゆる「人生うまくいってます」状態。だからこそ、この後の落差がきついんですよね。
帰り道、強烈な眠気で意識が途切れる
パーティーを終え、川村は一人で帰宅の途につきます。ところが帰り道、急に強烈な眠気に襲われ、意識が途切れてしまうんです。「飲みすぎてフラついた」と見えなくもない一方で、後から振り返ると“ただの酔い”だけでは片づけにくい不穏さも残ります。
目覚めた先はマンホールの底、そして負傷
次に目を覚ました場所は、マンホールの底。暗く狭い穴の中で、川村は転落の衝撃で足(太もも付近)を深く負傷しています。立ち上がるだけでも激痛。壁には梯子があるものの途中で壊れていて、ジャンプしても手が届きません。上に向かって叫んでも、地上からの反応はない——この時点で、状況はかなり詰んでいます。
結婚式前夜の祝福ムードから、帰り道の失神を経て、マンホールの底で目覚める。ここまでの急転直下が『#マンホール』の導入です。以降は、限られた道具とスマホだけを頼りに、脱出と状況把握へ追い込まれていきます。
あらすじ②(ネタバレなし)|救助の切り札としてのSNS
ここからが本作の“現代っぽい怖さ”の入口です。閉じ込められた男が、助けを求めるほど状況をこじらせていく。そんな流れを、ネタバレを避けつつ整理します。
暗闇の底で目覚め、脱出の糸口がない
マンホールに転落して目を覚ました川村俊介は、まず状況確認から始めます。穴の底は暗く、足(太もも付近)を深く負傷。立ち上がるだけで痛みが走ります。壁の梯子は途中で壊れていて、手が届かない。無理にジャンプすれば傷が悪化するだけ。上に叫んでも、地上からの反応はありません。
スマホで助けを呼ぶが、誰にもつながらない
次に川村が頼るのはスマホです。婚約者や同僚、友人へ片っ端から電話をかけますが、深夜のせいで誰も出ない。時間が経つほど不安が増すのに、つながる相手がいない焦りだけが積もっていきます。
唯一つながった元恋人・工藤舞とGPSの違和感
そんな中、唯一連絡が取れたのが元恋人の工藤舞。川村は「穴に落ちた」「怪我で出られない」「今すぐ来てほしい」と必死に頼みます。スマホのGPSを見ると渋谷付近(神泉あたり)を示しているため、川村自身も「渋谷で落ちた」と信じているんですね。舞も渋りつつ、車で向かう流れになります。
舞も警察も決め手にならず、疑われ始める
ところが舞が探しても、それらしい穴が見つからない。川村は苛立って舞にきつく当たってしまうこともあります。舞の勧めで警察にも通報しますが、対応は鈍く、確認事項ばかりで救助が進まない。警察は「渋谷に蓋の空いたマンホールはない」と断言し、「酔っぱらいのいたずらでは」と疑う空気まで出てきます。
雨・寒さ・泡・ガス…追い込まれるほど視界が狭くなる
事故として扱われ、まともに動いてもらえない現実に直面する川村。しかもマンホール内では雨が降り始めて寒さが増し、泡やガスといった不穏な要素も出てきます。身体もしんどい。気持ちも削られる。まるでジワジワ締まる万力みたいです。
外の情報を得るため、スマホで撮影を試みる
そこで川村は、外の手がかりを増やそうとします。スマホを動画撮影状態にして上へ放り投げ、外の風景を撮影するんですね。映るのは見知らぬ建物や看板など。本人には場所が特定できないけれど、「この断片なら誰かが分かるかも」と考え始めます。
追い詰められた末の一手がSNS「マンホール女」
舞も警察も決定打にならず、居場所の確信も持てない。タイムリミットは結婚式の朝。そんな焦りの中で川村が選んだのがSNSです。助けを求め、情報を集め、場所を特定するために新アカウントを作成。男より女のほうが反応が集まりやすいだろう、という安直な判断から女性になりすまし、アカウント名を「マンホール女」にして投稿を始める——ここまでが誕生までの流れです。
マンホールの底で孤立した川村は、スマホを頼りに舞や警察へ縋るものの進展せず、外の断片情報を求めてSNSへ踏み込みます。そして「マンホール女」が生まれた瞬間から、状況は別の方向へ加速していきます。
見どころとおすすめ|#マンホールが刺さるポイント(ネタバレなし)

観る前に知っておくとワクワクが増える、ネタバレなしの見どころをまとめます。短尺なのに密度が濃いので、「次どうなる?」が止まりませんよ。
“マンホールの底”という舞台が、日常のすぐ下で怖い
本作の舞台はマンホールの底。暗い・狭い・冷たい。しかも、上に出口が見えているのに簡単には届かない。
この「あと少しなのに…」がじわじわ効いて、落ち着いて観ていられません。
スマホが頼れるほど、状況が転ぶ現代スリラー
閉じ込められ系って“圏外”が定番ですが、『#マンホール』は逆。通話、撮影、位置情報、SNSまで、スマホをフル活用します。
便利な機能が助けにもなる一方で、使い方次第で自分を追い詰める。ここが妙にリアルで、見ていて胃がキュッとなります。
SNSが「助け」の顔をして、空気を変えていく
投稿が広がると人が集まる。人が集まると噂が増える。断定も走る。面白がる人も出てくる。
善意と野次馬が混ざって膨らむ感じが生々しくて、ネットの怖さが肌で分かります。主人公が必死でも、世間の流れは待ってくれないんですよね。
ほぼ独り芝居だから、息つく暇がない
登場人物が絞られているぶん、主人公の焦りや苛立ちが直撃します。試して、外して、また考える。
テンポがいいので体感は短め。気づいたら一緒に穴の底で呼吸が浅くなってるタイプです。
小さな“違和感”が積み上がって、先が気になる
序盤から「ん?」と思う要素が点々と置かれていて、自然に推理モードに入ります。
ネタバレなしで言えるのは、観客の疑問が次の展開を連れてくる作りだということ。だから最後まで視線が離れません。
『#マンホール』は、マンホールという物理的な密室と、SNSというもう一つの密室が絡むのが見どころです。スマホがあるのに安心できない、その不気味さがクセになります。おすすめは、短い時間で一気に持っていかれたい人ですね。
ネタバレで深掘りする#マンホールのあらすじ、結末・ラストと伏線考察、感想
ここから先はネタバレありです。中盤の核心、真相、結末とラストまで整理して、最後に感想と伏線回収の入口(別記事への誘導)を用意します。未視聴のあなたは、ここで一旦ブラウザバックでもOKですよ。
ネタバレ注意:ここからは#マンホールの結末やラストに触れます。まだ観ていない場合は、先に上のネタバレなしパートだけ読んで鑑賞後に戻ってくるのがおすすめです。
#マンホールのあらすじ③(ネタバレ)|やっと配信者が救助に

ここからは、SNSでマンホール女を名乗ってから「誰かが現場に行く」空気ができるまでを、流れが追える形でまとめます。テンポが速いので、ここを押さえると中盤が一気に見やすくなりますよ。
「マンホール女」誕生で拡散、あっという間に“祭り”へ
川村は助けを呼ぶためにSNSで新アカウントを作成。男より女のほうが反応が集まりそう、という軽い発想で「マンホール女」を名乗ります。
すると投稿が広がり、冷やかしも混じりつつ人が集結。状況整理を始める人や、場所を当てようとする特定班みたいな動きも出てきます。
雨の矛盾で「渋谷じゃない?」が濃くなる
川村はGPS表示と直前の行動から渋谷で落ちたと思い込んでいます。けれど、決定的な違和感が出るんですよね。
川村のいる場所では雨が降っているのに、渋谷は降っていない。舞の証言やSNSの反応でも裏づけされ、事故ではなく“移された可能性”が一気に現実味を帯びます。ネットの空気も、ここで事件モードに切り替わります。
外の情報が欲しくて、スマホ投げ撮影を始める
場所を特定するには外の手がかりが必要。そこで川村は、スマホを動画撮影にしてマンホールの上へ放り投げ、建物や看板、マンホールの蓋などを撮ろうとします。
本人には分からなくても、SNSに上げれば誰かが読めるかもしれない。ここから“集合知頼み”の流れが加速していきます。
特定班が断片をつなぎ、居場所が絞られていく
投稿された映像や情報を材料に、看板の文字、建物の雰囲気、マンホールの蓋の特徴などが解析されていきます。
さらに「仮面の男」と呼ばれるような、マンホールに詳しい人物の情報提供も混ざり、川村の居場所はかなり“それっぽい所”まで寄っていきます。
疑心暗鬼が爆速で進み、加瀬が犯人扱いされ始める
一方で、SNSの熱量はどんどん危うくなります。追い詰められた川村も冷静さを失い、周囲を疑い始める。
その流れで同期の加瀬が根拠の薄いまま犯人扱いされ、過激なアカウント「深淵のプリンス」まで出てきて、“正義”の暴走が見え始めます。
「近くにいる」動画配信者が、現場へ向かう流れに
情報が揃ってくると、SNS上では「この辺では?」と場所がほぼ固まった空気になります。そこで「近い」「行ける」と名乗り出る動画配信者が登場し、現場へ向かうことに。
川村はようやく助かるかもしれないと安堵します。ここまでが、マンホール女の拡散から配信者が向かうまでの流れです。
このパートは、拡散で救いが近づくように見えて、同時に疑いと暴走も育っていくのがポイントです。マンホール女の投稿が、助けの糸にも、絡みつく鎖にもなっていきます。
#マンホールのあらすじ④(ネタバレ)|川村の正体が明らかに
ここは中盤の山場。助かりそうで助からない、むしろ状況がさらに歪んでいくパートです。流れを追うと、後半の真相がスッと入ってきます。
配信者が現場に来るが、マンホールは空振り
SNSの特定が進み、近所だと名乗る動画配信者(LLL)が“それっぽい場所”へ向かいます。救助ムードが高まるのに、探してもそのマンホールの中に川村はいない。期待させておいて空振りです。
この時点で、SNS上の情報が罠(誘導)だった可能性が濃くなり、川村は「助かったかも」の直後に絶望へ引き戻されます。
マンホール内が悪化:泡とガスで追い詰められる
配信者が頼れないと分かった頃、穴の中はさらに地獄。泡が増えて埋もれそうになり、ガスの不穏さも強まります。怪我で動きづらいのに、環境だけが容赦なく迫ってくる。
“助けを待つ”だけでは詰む、という切迫感がここで一気に上がります。
電車・踏切の音を手がかりに、SNSへ情報を投下
絶望の中で川村が掴むのが、外から聞こえる電車や踏切の音です。「これなら場所が割れるかも」と考え、音の情報をSNSへ流し、ネットの集合知に賭けます。
拡散は助けになる一方で、広がるほど制御不能になる。SNSが“救助”と“首を絞める装置”の両方に見えてくる瞬間です。
マンホール内で死体を発見し、正体がひっくり返る
流れを決定づけるのが、マンホール内での腐乱・ミイラ化した死体の発見。ここで思い出される過去の出来事により、マンホールに落ちた「川村俊介」が本物ではないと判明します。
本物の川村俊介を殺害し、整形して成り代わっていた人物――吉田が、いま“川村”として穴の中にいる。見つけた死体は本物の川村俊介で、物語の前提が一気に反転します。
警察を避けたい事情が固まり、SNSを操作し始める
死体がある以上、警察に助けられたら終わり。吉田は助かりたいのに、警察には来てほしくないという矛盾に追い込まれます。
そこで複数アカウントの自作自演などで空気を動かそうとし、折原奈津美に目星をつけて炎上を加速させる方向へ。皮肉なことに、SNSの解析と拡散は、逆に吉田の現在地を絞り込んでいきます。
「脱出した」と嘘を投稿し、救助の動きを止めようとする
警察が本格的に動く気配が出ると、吉田は遺体を見られたくないため、SNSで「もう脱出できた」「大丈夫」などの嘘投稿をして救助を止めようとします。
それでも連絡や動きは止まらず、焦りは加速。死体を隠すために土をかけるなど、隠蔽にも手を伸ばしていきます。
車の音が近づき、舞が到着してロープを垂らす
ギリギリのところで外から車の到着音が聞こえ、電話越しに「着いたよ」と告げるのが舞。舞はマンホールのそばまで来てロープを垂らし、端を固定したと伝えます。
吉田はそのロープを掴んで必死に登り、地上へ――この直後、さらに大きな地獄が待っています。
配信者の空振りで絶望し、泡とガスで追い詰められ、音のヒントで特定が進む。そこで死体発見と正体の反転が起き、警察回避のためにSNS操作へ。最後に舞がロープを垂らし、いよいよ地上へ向かう――ここまでが救助直前の流れです。
#マンホールのあらすじ⑤(ネタバレ)|復讐の結末・ラスト

ここから先は完全にネタバレです。ロープで地上へ出た瞬間から、物語は一気に「復讐」と「誤認」の方向へ転がっていきます。
ロープで脱出するが、地上に工藤舞はいない
マンホールの外からロープが垂らされ、川村(=川村を名乗る吉田)は必死に登って地上へ出ます。けれど、そこで待っていたのは工藤舞ではありません。助かったはずなのに、空気が一気に冷える。ここがまず怖いところです。
“舞”の正体は折原奈津美。電話の相手も最初から彼女
地上にいたのは、折原奈津美(黒木華)。本物の川村俊介と過去に交際していた人物です。
さらに最大のトリックが明かされます。吉田がずっと連絡していた「舞」は実は奈津美。奈津美が吉田のスマホを操作し、電話帳や連絡先の入れ替え、GPSを狂わせる工作をしていました。つまり吉田は、助けを求めた相手と最初から“犯人”と会話していたわけです。
奈津美の狙いは「奪われた顔」を取り戻す復讐
奈津美は衰弱した吉田に襲いかかります。理由は単純。
本物の川村を殺し、整形して成り代わった吉田への復讐です。「盗んだものは返して」という圧があり、怒鳴り散らすより、静かに追い詰めていく怒りが怖いタイプなんですよね。
吉田は命乞いから豹変し、奈津美の首を絞めにかかる
追い詰められた吉田は「子どもがいる(妻のお腹にいる)」「一度だけ抱きたい」など同情を誘う言葉で時間を稼ぎます。
けれど、ここで終わらない。奈津美が油断した瞬間、吉田は豹変し、首を絞めて殺そうとする。奪った人生にしがみつく本性がむき出しになります。
“深淵のプリンス”がボウガンで吉田を撃ち、再び転落
そこへ現れるのが、SNSで過激に動いていた「深淵のプリンス」。正体は若い少年。
少年は状況を見て、奈津美を「マンホール女=助けるべき被害者」だと誤認し、吉田を“悪”と決めつけてボウガン(クロスボウ)を放つ。矢を受けた吉田はバランスを崩し、再びマンホールへ転落します。
落ちた先には“本物の川村俊介”の死体がある
転落した場所は、最初に閉じ込められていたあのマンホール。そしてそこには、吉田が殺して遺棄した本物の川村俊介の死体が残っています。
吉田自身も重傷で、全身を強く打ったような状態。立ち上がることすら難しく、逃げ道はありません。
叫んでも届かないまま、蓋が閉じて幕
吉田は「違う、あいつが犯人だ」「自分がマンホール女だ」と必死に訴えますが、少年は信じません。少年にとっては目の前の光景がすべて。奈津美=被害者、吉田=加害者に見えてしまう。
そして少年は「マンホール姫を助けた」「正義に乾杯」とSNSに投稿し、マンホールの蓋を閉めます。こうして吉田は死体のある穴の底に閉じ込められたまま、物語は終わります。
ロープで救われた直後に奈津美の復讐が始まり、吉田の逆襲で事態が反転。そこへ深淵のプリンスの誤認が重なり、吉田は再びマンホールへ――。きれいに救われないからこそ、後味が強烈に残る結末です。
#マンホール 感想(ネタバレあり)|面白さと後味

“スマホで助かるはず”が、逆に首を絞めていく怖さ
『#マンホール』の面白さって、閉じ込められ系の王道をやりつつ、スマホがあるからこそ地獄が広がる点にあります。通話・撮影・GPS・SNS投稿と、現代の当たり前の機能が全部“生存の手札”になる。
でもその手札、切れば切るほど周囲がざわついて、状況が思わぬ方向へ転がっていくんですよね。便利さが裏返る瞬間って、日常でもちょっと心当たりがあるから余計に刺さります。
SNSの「正義」が“祭り”になり、現実にまで火が飛ぶ
SNSでマンホール女を名乗った投稿は、一気に人を集めます。助けてもらえる希望が生まれる一方で、噂、断定、過激なノリが混ざって空気が事件モードに変わる。
しかも怖いのは、誰かが悪意で動かなくても、善意や正義感だけで“私刑”が成立してしまうところです。同期の加瀬が根拠薄く犯人扱いされ、実害が出る流れは、ネットの暴走をかなり生々しく見せていました。
主人公の嫌悪感が、後半で「なるほど」に変わる構造
前半の主人公(川村俊介)は、正直イラつきます。態度が横柄で、助けてもらう立場なのに口が悪い。元恋人の舞や警察にも当たりが強い。
ただ、終盤で「川村は偽物(吉田)」だと分かると、あの嫌な感じが“性格の悪さ”ではなく、成り代わりの歪みや追い詰められた自己保身として腑に落ちる。ここが脚本のいやらしくも上手いところで、見返すと印象がガラッと変わります。
皮肉なオチが強烈:深淵のプリンスの“誤認”で再転落
ラストの切れ味は、好みが分かれるけど強いです。深淵のプリンスが奈津美を“マンホール女(被害者)”と誤認し、吉田を悪と決めつけてボウガンで撃つ。
結果、吉田は再びマンホールへ転落し、本物の川村の死体と同じ場所で蓋を閉じられる。助けを呼ぶために名乗った「マンホール女」が、最後の引き金になってしまう皮肉。ここは後味が苦い。でも、その苦さがSNS時代の空気と繋がっていて、妙に残ります。
閉所の圧迫に、SNSの断定と暴走が重なる。主人公への嫌悪感が後半で意味を持ち、最後は誤認の正義が人を閉じ込める。気持ちよくは終わらないのに、やけに記憶に残る作品でした。
#マンホール 伏線回収と考察|違和感(雨/ホッチキス/警察回避/マンホール女)
まずは論点だけ整理:違和感は「最初から仕込まれている」
『#マンホール』は、序盤の小さな違和感が後半の真相で意味を変えるタイプです。ここでは伏線回収と考察の“入口”として、論点を整理します。細かい回収や解釈は別記事で深掘りする前提で読み進めてください。
雨:渋谷のはずなのに噛み合わない天候が示すこと
川村(吉田)の側では雨が降っているのに、渋谷では雨が降っていない。このズレが、場所の誤認や誘導の匂いを早い段階で出しています。
最初は「GPSがおかしい?」くらいに見えるのに、後半を知ると“そもそも前提が違う”サインだったと分かるのが気持ち悪いところです。
ホッチキス:応急処置の不自然さが残す引っかかり
ホッチキス治療のくだりは、「え、それでいいの?」と引っかかりやすいポイント。リアルに見せるというより、観客に違和感を残す使い方がされています。
この違和感が、誰が何を知っていて、誰が誘導していたのか――という疑問に繋がっていくので、見返すと印象が変わります。
警察回避:助けが欲しいのに“警察に来てほしくない”矛盾
普通なら警察は最優先で頼るはず。でも本作では、警察が動くと困る空気が漂います。
後半の真相(マンホール内の死体/成り代わり)を踏まえると、「助けたい」より「見られたくない」が勝つ瞬間がある。ここが人物の本性を示す伏線になっています。
マンホール女:名乗りが救いを呼び、最後は刃になる
男より女のほうが注目されるだろうと「マンホール女」を名乗ったことが、拡散の加速装置になります。
そして終盤、その名前が誤認の引き金になり、深淵のプリンスの“正義”が暴走する。名乗りが希望にも罠にもなるのが、この作品らしい皮肉です。
伏線回収と考察の見どころ:再鑑賞で刺さるチェックポイント
別記事で詳しく扱う予定ですが、再鑑賞するならここを意識すると発見が増えます。
- 舞と話しているはずの会話の温度感や誘導っぽさ
- GPSや天候など「外の情報」が噛み合わない瞬間
- 警察への態度、助けの優先順位の違和感
- 投稿の仕方や言葉選びが“助け”より“操作”に寄る場面
雨、ホッチキス、警察回避、マンホール女――この4点は、後半で意味が反転しやすい重要な違和感です。次の別記事では、各場面を時系列で拾いながら、伏線回収と考察をまとめていきます。
映画#マンホールのあらすじ・見どころまとめ
- 映画#マンホールは2023年制作で99分、PG12
- 監督は熊切和嘉、原案・脚本は岡田道尚、配給はギャガ
- ジャンルはシチュエーションスリラーでスマホとSNSが軸
- 主人公は川村俊介(中島裕翔)で結婚式前夜に転落する
- 工藤舞(奈緒)は元カノで電話越しに協力する
- 加瀬悦郎(永山絢斗)は同期でSNSの流れに巻き込まれる
- 折原奈津美(黒木華)は物語の鍵になる人物
- 導入はサプライズパーティー直後の眠気と気絶から始まる
- 足の負傷と梯子の破損で自力脱出が難しい状況になる
- 雨や寒さ、泡やガスなどマンホール内部の脅威が積み重なる
- GPSの誤作動と警察の停滞が焦りを加速させる
- SNSでマンホール女を名乗り拡散が祭り化する
- 中盤は特定班と動画配信者が絡み疑心暗鬼が暴走する
- 真相は死体発見で川村が偽物の吉田だと判明する
- 結末は奈津美と深淵のプリンスが絡み蓋が閉じて終わる