
こんにちは。訪問いただきありがとうございます。物語の知恵袋、運営者の「ふくろう」です。
火喰鳥を、喰うのネタバレを探していると、火喰鳥を、喰うのあらすじや結末、ラストがどうなるのか、つい気になってしまいますよね。しかも本作はホラーだけじゃなく、ミステリーやSF、オカルトっぽい手触りも混ざっているので、どんな怖い作品なのか、どこが見どころなのかも知りたくなるはずです。
この記事では、まず登場人物とキャストを整理しつつ、未視聴でも置いていかれないようにネタバレなしの範囲で流れをつかめるようにまとめます。そのうえで、後半は火喰鳥を、喰うのネタバレ込みで結末まで解説し、伏線のポイントや考察の入口、相関図が欲しくなる関係性の整理もスッと追える形にしていきます。
さらに、評価が割れると言われる理由や、観終わったあとの感想が分かれやすいポイント、原作ファンが気にしがちな原作との違いまで、あなたがモヤっとしやすい所を先回りしてほどいていくつもりです。読後に、頭の中がスッキリ整理できるように一緒に見ていきましょう。
この記事でわかること
- 火喰鳥を、喰うの基本情報と原作のポイント
- ネタバレなしで分かるキャストと登場人物の関係性
- ネタバレなしのあらすじと見どころ
- ネタバレ込みの結末と考察の入口
火喰鳥を、喰うのあらすじをネタバレ無しでの見どころも
ここでは、作品の基本情報・キャスト・ネタバレなしのあらすじ・見どころまでをまとめます。まだ未視聴でも置いていかれないように、核心に触れない範囲で丁寧にいきます。
基本情報|『火喰鳥を、喰う』とは
| タイトル | 火喰鳥を、喰う |
|---|---|
| 原作 | 原浩『火喰い鳥を、喰う』(角川ホラー文庫) |
| 公開年 | 2025年 |
| 制作国 | 日本 |
| 上映時間 | 約108分(媒体により109分表記あり) |
| ジャンル | ミステリー/ホラー(オカルト要素あり) |
| 監督 | 本木克英 |
| 主演 | 水上恒司 |
火喰鳥を、喰うって、いきなり大声で驚かすホラーというより「気づいたら日常がズレてる」系なんですよね。ここではネタバレなしで、舞台や怖さの種類、原作のクセまでサクッと掴めるように整理します。
舞台と物語の出発点(ネタバレなし)
舞台は信州。主人公夫婦が暮らす土地に、ある日戦争の記録が残る「日記」が届きます。そこから不穏がじわっと広がっていく。ポイントは、この日記が「昔の話」で終わらず、いまの現実にまで触れてくる感じがあるところです。
ジャンルの肌触り(どんな怖さ?)
ホラー一辺倒でドン!ではなく、日常が少しずつ侵食されるミステリー寄りの怖さが主役。観ている側も「え、いつから変だった?」と、自分の足元がゆっくり崩れる感覚が残ります。派手さより、じっとり系が刺さるタイプですね。
原作のポイント(ネタバレなし)
原作は、怪異をド派手に見せるというより、記録や言葉が引き起こす違和感で追い込んでくるタイプです。説明しきれないのに引っ張られる不穏さがあって、読み手(観客)が自分で意味をつないでいく余白も残ります。考察が好きな人は、ここが楽しいはず。
映画との相性(映像で増える“じわ怖”)
映画だと、日記の文面が持つ気味の悪さ、土地の空気、夫婦の距離が揺れる感じが、映像としてスッと立ち上がります。言葉のざらつきや、雰囲気の湿度が伝わりやすいぶん、じわ怖が増幅しやすい題材なんですよ。
こういう人はハマりやすいかも
- 怪物のド派手さより、意味が分からない状況が怖いタイプ
- 記憶や現実がズレる、じわっと来る違和感が好き
- ラストの余韻や考察で、あとから理解を深める作品が好き
信州×戦争の日記という入口から、派手さより「侵食」で攻めるのが火喰鳥を、喰うの持ち味。原作の“言葉の違和感”が映像で膨らむので、じわじわ系ホラーや考察派に刺さりやすい作品です。
登場人物・キャストを整理

『火喰鳥を、喰う』は、誰が何を背負っているのかを押さえるだけで、物語の見え方がガラッと変わります。ここでは主要な登場人物とキャストを、役割がひと目でわかる形でまとめました。初見でも迷子になりにくいよう、ポイントだけギュッと絞ってます。
主人公夫婦:現実改変に巻き込まれる中心人物
久喜雄司(くき ゆうじ)/水上恒司(みずかみ こうじ)
信州の旧家・久喜家で暮らす大学助教授。先祖・貞市の従軍日記が届いた日から、怪異に巻き込まれます。気づけば世界そのものが“書き換わる”ような恐怖に直面し、自分の存在すら揺らいでいくのがつらいところ。
久喜夕里子(くき ゆりこ)/山下美月(やました みづき)
雄司の妻。強い想念や気配に敏感で、異変の深刻さを早い段階で察します。事態を止めるため、大学時代の先輩・北斗に助けを求めるのですが、ここがまた厄介なんですよね。
キーマン:物語を“加速”させる北斗
北斗総一郎(ほくと そういちろう)/宮舘涼太(みやだて りょうた)
超常現象の専門家を名乗る人物。夕里子への執着を隠さず、雄司を挑発するような態度も目立ちます。調査や“儀式”を主導しつつ、物語では黒幕的な存在として描かれていきます。味方に見えて、どこまで信用していいのか分からない——その不気味さが強烈です。
久喜家の家族:日記の呪いに最初に揺さぶられる側
久喜保(くき たもつ)/吉澤健(よしざわ けん)
雄司の祖父で、貞市の弟。日記に染みついた「生きたい」という怨念の気配をいち早く感じ取り、雄司に警告します。ただ、怪異の進行は容赦なく、やがて失踪してしまいます。
久喜伸子(くき のぶこ)/麻生祐未(あそう ゆみ)
雄司の母。温厚で家族思いですが、現実改変が進むことで雄司を「知らない人」と認識する場面が出てきます。家族なのに通じない、あの残酷さを象徴する人物です。
日記を持ち込む側:怪異の“入口”になる記者コンビ
与沢一香(よざわ いちか)/森田望智(もりた みさと)
地元紙「信州タイムス」の記者。玄田とともに久喜家を訪れ、貞市の日記を持ち込む“発端側”の人物です。怪異に巻き込まれ、悲劇的な最期を迎えます。
玄田誠(げんだ まこと)/カトウシンスケ
信州タイムスのカメラマン。日記の影響で「久喜貞市は生きている」と無意識に呟き、以降は高熱や異常言動に襲われていきます。最初の“引き金”を引いたように見える存在です。
事態のトリガー:一文で世界が動き出す
瀧田亮(たきた りょう)/豊田裕大(とよだ ゆうだい)
夕里子の弟(大学生)。日記の最後に「ヒクイドリヲクウ、ビミナリ」と書き込んでしまう人物で、ここが大きな分岐点になります。のちに失踪し、存在そのものが消えていくような事態へつながります。
怪異の核:従軍日記の持ち主と“チヤコ”
久喜貞市(くき ていいち)/小野塚勇人(おのづか はやと)※青年期
太平洋戦争で戦死したはずの先祖で、従軍日記の持ち主。極限状態での「生への執着」が時を超えて怪異の核になります。
千弥子(ちやこ/チヤコ)/佐伯日菜子(さえき ひなこ)
貞市の孫娘。祖父を守る側の存在として語られ、墓場で雄司が出会う「白い服の少女チヤコ」と結びつく重要人物です。説明されすぎないぶん、余韻として残りやすいキャラですね。
登場人物とキャストを整理すると、中心は雄司・夕里子の夫婦、そして物語を大きく動かすのが北斗。さらに、日記を持ち込む記者コンビや、亮の一文が“引き金”として効いてきます。ここを押さえておくと、後半の混沌も追いやすくなりますよ。
【ネタバレなし】あらすじ①|不穏な日記が“怪異のスイッチ”になる序章
ここから先は、ただの怪談では終わりません。信州の静かな町で起きた“墓の異変”が、戦地から戻ってきた一冊の手帳によって、じわじわと現実を侵食していきます。日常の手触りが崩れていく怖さを、順を追って追体験してみてください。
信州松本、墓石の名前が削られていた
舞台は信州松本。雄司と妻の由里子は、警察に墓を確認してもらっていました。理由はシンプルなのに不気味です。墓石に彫られていたはずの「久喜貞市」という名前が、きれいに削られていたのです。
いたずらにしては手が込みすぎている。そう感じさせる“人の意思”が、墓の前に残っていました。
白いワンピースの少女――見てはいけない合図
墓の向こう側で、雄司は白いワンピースの少女を目撃します。彼女はただ立っているだけではありません。唇に指を当て、雄司をまっすぐ見つめる。
「黙っていて」と言わんばかりの仕草が、妙に生々しく胸に残ります。見間違いならいい。でも、こういう違和感ほど後から効いてくるんですよね。
夫婦の日常と、親戚たちの“犯人探し”が動き出す
雄司は長野学院大学の助教授、由里子は同じ大学で事務職。ふたりはごく普通の生活を送っていました。
一方で親戚たちは、墓荒らしの犯人探しに乗り出し、パトロールまで始めます。田舎の共同体特有の結束が頼もしくもあり、同時に、どこか息苦しさも漂う空気です。
東京から弟・亮が来訪、空気が少し変わる
そこへ由里子の弟・亮が東京からやってきます。家の中に外の空気が入ったようで、場が少し動き出す。
ただ、こういう“タイミングの良さ”があると、逆に嫌な予感もします。まるで何かに呼ばれたみたいに。
信州タイムスの与沢・玄田が届けた「日本兵の手帳(日記)」
さらにやって来たのが、信州タイムスの記者・与沢と玄田。ふたりは パプワニューギニアで見つかった日本兵の手帳(日記) を久喜家へ届けに来ます。
返還された手帳の名義は、削られた墓石と同じ「久喜貞市」。偶然で片づけるには出来すぎていて、背筋が冷えます。
祖父・保が語る久喜貞市、そして戦地の記録
祖父の保は、貞市の写真や人物像を語ります。身内だからこその温度で、遠い戦争が急に“家の話”になる。
手帳の中には、戦況悪化、部隊の壊滅、そして生き延びるための記録――いわゆる生存日記へ変わっていく過程が書かれていました。読み進めるほど、文字が重くなっていくタイプの記録です。
「巨大なトリ」「ヒクイドリ」――執着がにじむ言葉
日記には「巨大なトリ」や「ヒクイドリ」といった記述が現れます。しかも、ただの目撃談ではなく、次第にその存在への執着が強まっていく。
そして日記は「六月六日」の記録で途切れます。終わり方が不自然で、余白が怖い。言葉が止まった瞬間ほど、想像が暴走します。
亮の“無意識の追記”が決定打になる
決定的なのはここ。亮が無意識のまま、手帳に追記してしまいます。
書かれたのは「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」。由里子は慌てて消しゴムで消しますが、いったん触れたものは、簡単に元に戻らない――そんな嫌な確信が残ります。
この瞬間から、日記は「過去の記録」ではなく、今この場に干渉する“何か”に変わっていきます。
【ネタバレなし】あらすじ②|怪異が連鎖し、“現実がズレる”気配が濃くなる

ここから物語の空気が一段重くなります。戦地を知る生存者の言葉、止まる電気、増えていく悪夢。日記はただの記録じゃない——そう確信させる出来事が続きます。
大雨の夜、藤村栄の家で語られる「地獄」
大雨の中、雄司と由里子は信州タイムスの与沢・玄田とともに、藤村栄の家を訪ねます。栄は90を超え寝たきり。それでも貞市の日記を読み、涙を流していました。
「地獄だった。道なき道を歩き、歩けなくなった者は見捨てるしかなかった」——言葉にならない部分は、娘のゆきが通訳します。貞市については「真面目で仲間想いだった」と語り、雄司を見て「貞市さんに似ている」と言った瞬間、雷が落ち停電。栄は突然「ひくいどり!」と叫び、ゆきが「食べたって。うまかったって」と訳します。
火喰い鳥の悪夢、そして由里子の危機感
その夜、雄司は障子の隙間から巨大な火喰い鳥が覗く夢にうなされます。雄司が「ただの夢だよ」と言っても、由里子は首を振る。「ただの夢じゃない。あの日記、処分した方がいいと思う」——日常の中に、じわっと亀裂が入っていきます。
祖父・保の言葉が揺らぎ、そして失踪する
縁側で将棋を指す保と雄司。雄司が「お祓いをしてもらおう」と提案すると、保はぽつりと「もう遅いわ。貞市兄は生きてるだろ」。
雄司が「貞市さんは死んでる」と返すと、保は一度は「そうだ、死んだんだ」と言い直します。けれど、その後すぐ。保は軽トラごと忽然と姿を消し、雄司は交番で「祖父と軽トラがいなくなりました」と説明することになります。
日記に増えた「六月九日」――書いたのは誰?
家に戻ると、由里子が日記の一頁を見せます。そこには 「六月九日 ヒクイドリヲクウ ビミナリ」。
由里子は「私じゃない」と言い、雄司も「君はそんなことしない」と否定します。亮は東京に帰って高熱で寝込んでいる。となると——由里子は言い切ります。「これは貞市さんが書いた。最初から書いてあった。80年前に」。雄司は「比喩?幽霊?」と迷うしかありません。
火災報道と、由里子が選んだ“相談”という一手
直後、ニュースで火事の速報。藤村栄の自宅が火災となり、90代の男性と60代の女性が重体だと報じられます。
由里子は「みんなあの日記のせいだ」と確信します。雄司が悪夢を見続けていることも、もう偶然ではない。だから彼女は、こういうことに詳しい知り合いに日記の相談をしていた——と雄司に明かします。
藤村栄の証言で「ヒクイドリ」が現実味を帯び、雄司の夢は形を持ち、祖父の言葉は揺らぎ、ついには失踪と火災まで起きる。しかも日記には、80年前のはずの「六月九日」が増えている。
この段階で、日記は過去を語るものではなく、“現在をねじ曲げる力”として牙をむき始めています。
ここまではネタバレなしですが、この先(記事後半)は結末まで踏み込みます。未視聴の人は、ご注意を。
火喰鳥を、喰うの見どころ|怖さは“侵食”でじわじわ来る
『火喰鳥を、喰う』の見どころは、ド派手な怪物やジャンプスケアよりも、日常が静かに崩れていく気持ち悪さにあります。核心のネタバレは避けつつ、「観る前にここを押さえると面白い」ポイントだけ、サクッと整理しますね。
見どころ1:怖さの正体は“現象”より「侵食」
幽霊が出る、大音量で驚かす。ホラーの王道もありますが、本作は少し毛色が違います。怖いのは、現実が少しずつズレていく違和感そのもの。
昨日まで通じていたことが、今日は通じない。理由は分からないのに「確実におかしい」。観ている側まで足元をすくわれる感覚が、後から効いてきます。
見どころ2:“日記”という身近さが、恐怖の入口になる
鍵になるのは、戦地から戻ってきた従軍日記。ただの紙の束のはずなのに、ページをめくった瞬間、空気が変わるのが嫌なんです。
武器でも呪具でもない、どの家にもありそうな「記録」が怖い。だからこそ、触れたら終わり感が強くて背中が冷えます。
見どころ3:「言葉」がキーになる不穏さ
本作は、出来事以上に言葉の扱いが不気味です。日記に書かれた言葉、口にした言葉、頭の中で反芻した言葉。その一つひとつが妙に引っかかる。
派手に怖がらせるのではなく、あとから思い出してゾワッとするタイプです。ふとした瞬間に「さっきの言い回し、何だったんだろ…」って考えちゃうんですよね。
見どころ4:夫婦(雄司・夕里子)の距離感が“怖さ”を増幅させる
怪異が起きたら、普通は協力して立ち向かうはず。ところが状況が悪化するほど、言えないこと・飲み込むことが増えていきます。
夫婦の温度差や会話の間が、恐怖の増幅装置みたいに効いてくる。地味だけど、かなり刺さるポイントです。人間ドラマとしても見応えがありますよ。
見どころ5:“専門家”の登場で物語のギアが上がる
途中から、超常現象の専門家を名乗る人物が関わってきて、物語がグッと動きます。状況が整理されるようでいて、逆に新しい不穏さが生まれるのがポイント。
「分かった気がするのに、安心できない」。この感覚がたまらない人は、たぶんハマります。
見どころ6:舞台が“信州の旧家”だからこそ逃げ場がない
家系、墓、土地の空気。こういう要素が濃い舞台設定って、それだけで圧があるんですよね。閉じた環境だからこそ、違和感が積み重なるほど逃げ道が消えていく。
この「静かな閉塞感」が、作品全体の怖さを底上げしています。
本作は“驚かせる怖さ”ではなく、「違和感の積み立て」で追い込んでくるタイプです。怖がりでも、ミステリーっぽい不穏さが好きなら刺さりやすいと思います。
『火喰鳥を、喰う』は「日記」「言葉」「人間関係」「閉塞した舞台」が絡み合って、静かに現実を侵食していくホラーです。怖いのに、意味が分かりたくて先へ進んでしまう。そんな“覗きたい衝動”をうまく刺激してくるので、序盤の小さな違和感こそじっくり味わってみてください。
火喰鳥を、喰うネタバレ込み結末まで解説
ここから先は、火喰鳥を、喰うネタバレ込みでストーリーを最後まで追います。あらすじはパート3〜5に分け、最後に結末と考察の入口、そしてネタバレ感想までまとめます。
火喰鳥を、喰うのあらすじ③|北斗の登場と“現実改変”【ネタバレ】

ここから一気に不穏さが濃くなります。手帳の異変は止まらず、人物の記憶や出来事までズレていく。しかも、その中心にいるのが北斗総一郎。何が起きているのか、短く整理して追いかけましょう。
亮が再び長野へ、与沢の報告で事態が加速
弟の亮が新幹線で長野に来る。「北斗に会うんだろ」と言い、そこへ与沢も合流した。与沢は「専門家に会うと聞いたので」と前置きしつつ、玄田が入院したことを告げる。高熱でうわごとを言っているらしい。雄司は思わずつぶやく。「3人目…。」
喫茶店で北斗総一郎と対面、雄司の嫌悪感
喫茶店には、由里子が連絡を取っていた北斗総一郎が待っていた。北斗は由里子を見るなり「変わらないね。相変わらずきれいだ」と軽く口にするが、由里子はきっぱり「そういうの辞めて下さい」と拒む。
北斗は雄司にも距離を詰め、「どこで出会ったの?」と由里子との関係を探る。雄司は「高校の天文部で」と淡々と答えるものの、北斗に対して強い嫌悪感を抱いていた。
「これは籠りだ」手帳に宿る“思念”の説明
由里子が話を戻し、貞市の手帳を北斗に見せる。北斗は即座に言う。「これは…籠りだ。」
彼は“匂い”をたとえに出す。匂いが空気中に残るように、思念にも似た仕組みがあり、強い思いが物に凝縮すると「籠り」になるのだ、と。さらに「僕みたいなのはまれだけど、由里子もそうです」と続ける。
雄司が「霊能力者ですか?」と聞くと、北斗は「幽霊は見たことはありません」と言い切った。オカルトというより、もっと厄介な“現象”として扱っている感じが怖い。
写真が笑った?そして消える記録、墓石の変化
与沢が預かっていた貞市の写真を出すと、口元がかすかに笑ったように見えた。「これ、口元が…。」4人は言葉を失う。
北斗は「この人のお墓があるのでしょう」と言い、雄司の車で移動する。車内で与沢はさらに不気味な報告をする。昨日、パプワニューギニアの日本人に連絡し、手帳を託したマイケルさんの話を聞いたが、本人は日記のことを何も覚えていなかった。しかも、やり取りしたメールも国際便の履歴も消えていたという。
久喜家の墓に着くと、そこには貞市の名前がない。代わりに彫られていたのは祖父・保の名前――しかも日付は、雄司の父が亡くなった日と同じだった。
「火喰い鳥を喰う、美味なり」から始まる現実改変
北斗は亮に確認する。「日記に書きこんだんだよね?正確に。」亮は答える。「火喰い鳥を喰う、美味なり。」由里子が消した、と聞くと北斗は「なるほど」と短く頷く。
北斗は籠りを天体に例え、「物質が重力で凝縮する状態」のようなものだと言う。雄司が「ブラックホール級にもなる」と口を挟むと、北斗はそれを肯定し、手帳は“掛け値なしのブラックホール級”だと断言した。
本来、貞市が6月9日に亡くなったのは全員の共通認識だった。だが“トリガー”が引かれ、亮の書き込みをきっかけに「久喜貞市の生存」が肯定されてしまった――北斗はそう説明する。
「久喜貞市は死んだ」と書かせる北斗、直後の電話と亮の忠告
北斗は打開策として、手帳に「久喜貞市は死んだ」と全員で書くよう促す。「文字が持つ聖性は古代から伝承されています。久喜貞市の死が確定的になる」と。
与沢、亮、由里子、そして最後に雄司が書き込んだ瞬間、雄司の携帯が鳴る。母・伸子からで、「軽トラが見つかった」と警察から連絡が入ったという。
電話のために少し離れた雄司に、亮が低い声で言う。「あいつは姉ちゃんを取り戻したいだけなんだ。あいつが全部仕向けたんだよ。北斗総一郎を信じるな。」
火喰鳥を、喰うのあらすじ④|手帳の“現実改変”【ネタバレ】
ここからの展開は、怖さがじわじわ来ます。物が消えるとか、夢が変とか、そんなレベルじゃない。過去の事実や家族の記憶まで書き換わっていくんです。
錆びた軽トラと、食い違う「生存者」の証言
警察が見つけた軽トラを見に行った雄司は、違和感に固まる。車体はさび付いていて、とても“数日行方不明だった”とは思えない状態だった。しかも警察で事情聴取を受け、雄司は疑われたまま帰宅する。
その夜、母・伸子がもう一人の生存者・伊藤さんに電話したと言う。「戦死したのは伊藤さんで、生き抜いたのは貞市さんの方だって」——証言がねじれていく。
由里子の告白:北斗との過去と“同じ感覚”
仕事中の雄司に、由里子が「ごめんなさい」と切り出す。隠していたわけではないが、“何かとしか呼べないもの”を感じることがあった、と。
由里子は雄司の天文部の先輩だった。東京で北斗と出会い、「この人は私と同じ感覚を持っている」とすぐ分かったという。ただ、北斗は執着が強く、由里子は逃げるように野辺山へ。そこでプラネタリウムに通い、雄司と再会した。
「ここでの暮らしを守りたかった。人間でいられるから」——由里子の言葉が重い。
“守る”と決めた朝、そして戦地の悪夢
翌朝、由里子は弁当を作るが、卵焼きを焦がしてしまう。雄司は「僕がやる。僕が守るよ」と手を貸し、一緒に詰め直す。小さな日常が、逆に切ない。
その後、雄司は戦地の夢を見る。「殺すんだ、殺せ!!」という声。気づけば道路に立ち、トラックに轢かれそうになる。助けたのは北斗総一郎だった。北斗は「胸騒ぎがして見に来た」と言い、雄司を車で家まで送る。
日記を燃やすか、解呪を待つか——北斗の冷たい言葉
帰宅すると北斗は言い切る。「これは我々のいる現実と、もう一つの現実との生存競争です。」
由里子は「燃やして処分した方がいい」と主張するが、北斗は反対。由里子が「うちの問題です」と線を引くと、北斗は冷たく刺す。「個人主義の塊のような由里子だったのに、田舎の久喜家の嫁でいいのか。」
雄司は宣言する。「あの日記は燃やします。」北斗は「チベットのペマ師に解呪の方法を聞いている。2、3日待って」と言い、雄司は「1日だけ」と譲歩する。
その直後、固定電話が鳴る。「チヤコさん…」名を呼ばれて切れる電話。母は「何回かかかってきてるの」と言うが、久喜家にそんな人物はいない。
父の事故死と、由里子の“家族”が消える瞬間
翌朝、雄司は父の死を思い出す。雄司が14歳の時、高速道路でトラックが突っ込み父は死亡。車には雄司と祖父・保も乗っていた。
雄司は改めて由里子に言う。「君を守るよ。」由里子は「あなたに何かあったら…この家にしか私の家族はいない」と返す。
雄司が「亮君は?」と聞くと、由里子はぽかんとする。「亮?」「私に弟なんていない。」
記憶そのものが抜け落ちている。由里子が頭を抱えた、そのとき玄関に白いワンピースの少女が現れる。
北斗を問い詰めた瞬間、与沢の車が燃える
一方、与沢は入院中の玄田を見舞い、雄司に電話で“ある報告”をしていた。雄司は「決着をつけてくる」と家を出ると、由里子も同行する。
向かった先で北斗は袈裟をまとい、ろうそくを灯して解呪の儀式の準備中だった。「明日の予定です」と言う北斗に、雄司は詰め寄る。
「ペマ師は実在するのか。玄田と同じ高校。パプワニューギニアで再会してトリガーを命じた。最初のトリガーは墓石の名前が消えたこと——人為的だった。お前だろ。」
北斗は認める。「玄田にトリガーを指示したのは僕です。」
その瞬間、通話しながら運転していた与沢の車が突然炎上する。北斗は淡々と言う。「5人目だ…。彼女たちはこの世界からはじき出されるのでしょう。」
ガラス片に倒れる由里子、そして密林へ
家の上に、白いワンピースの少女と黒い服の北斗の姿が見える。北斗は呟く。「あれは僕だ。けれど僕じゃない。」
由里子はふらりとそちらへ歩き出す。少女の姿は中年の女性へ変わり、次の瞬間、建物のガラスが割れて破片が由里子に突き刺さる。血だらけで倒れる由里子。雄司は叫ぶ。「どういうことだ!」
耳に残るのは、「ヒクイドリ、クイタイ…」。そして次の瞬間、雄司が目覚めた場所は、日本兵が潜伏していたパプワニューギニアの密林だった。
「火喰鳥を、喰う」ラスト|“貞市が生きている世界”で迎える地獄と、静かな余韻

ここは物語の終盤。現実が裏返り、誰が生きていて誰が死んだのかさえ曖昧になります。それでも雄司は、由里子を取り戻そうともがく。読後に胸がざわつくのは、この先の展開があるからです。
貞市の狂気:雄司を「伊藤」と呼び、仲間を殺す
パプワニューギニアの密林で、久喜貞市が雄司の前に現れ、雄司を「伊藤」と呼ぶ。貞市は「俺は生き延びる!」と叫び、藤村の首を絞めてナイフで刺す。
さらに「火喰い鳥も、人も食べれば同じ。伊藤君はどう思う?」と問いかける。その言葉は、飢えの理屈というより“世界そのもの”を壊す宣言に近い。
軽トラの背後に父の亡霊、そして母は雄司を知らない
突然、祖父・保の運転する軽トラが現れ、雄司は助手席に乗せられる。保はぽつりと「あいつが死んでくれたらな」と言い、雄司は視線の先に“ずっと見ている”存在を感じる。振り返ると、荷台には亡くなった父がいた。
なんとか自宅に戻ると、玄関には無数のカブトムシ。母・伸子に「由里子は帰ってる?」と聞いても、「はい?どちら様ですか?」と返される。雄司が名乗ると、伸子は泣き崩れる。「息子は…死んだんです…ずっと前の自動車事故で…もうやめてーーー!」
墓に刻まれた「雄司 14歳」亮が告げる唯一の手段
久喜家の墓を確かめると、そこには「雄司 14歳」の文字。周囲では村民が火を持ってパトロールしている。
そこへ亮が現れ、「こっちだ」と雄司の手を引く。亮の顔にはゴツゴツしたできものがあり、異変の深さが見て取れる。
そして亮は核心を突く。「ここは久喜貞市が生きている世界だ。元に戻るには、久喜貞市を殺すしかない。」残酷だけど、理屈は妙に筋が通ってしまう。
北斗と由里子の遺体、執着の宣戦布告
自宅の方角から煙が上がり、雄司が駆けつけると北斗がいた。足元には、石で埋められた由里子の遺体。北斗は平然と「火喰い鳥は丸のまま蒸しました」と言う。
そして胸倉をつかみ、「執着の強い方が最後は勝つ。お前と由里子の未来なんて間違っている。邪魔なんだよ、消えろよ!」と吐き捨てる。雄司はスコップで北斗を何度も殴る。
“燃えない日記”と増殖する記述:久喜貞市は生きている
瀕死の北斗は、かすれ声で笑う。「君が…僕を殺す…これで儀式が終わる…現実は変わる…。虫も殺せない君が僕を殺すように仕向けた…僕の勝ちだ…。君も僕も消える…。」
雄司は「そうはさせない」と貞市の日記に火をつけるが、燃えない。しかも日記には6月9日以降の記載が増えている。
「六月十二日 ヒクイドリヲクウ ヤムヲエズ」
さらに12月には日本帰還が決まり、喜びの文章まで書き足されていた。結論は一つ。「久喜貞市は生きている…。」雄司は決める。「由里子、今取り戻すから。」
白髪の老人の顔は火喰い鳥、そして戦地へ引き戻される
雄司がスコップを握ったまま家に入ると、縁側で外を見ている白髪の老人がいる。振り返った顔は、火喰い鳥だった。
次の瞬間、雄司はまた密林に戻り、火喰い鳥を殴っている。さらに貞市が襲いかかり、雄司は押し返して叫ぶ——終わりが見えない悪夢の反復だ。
改変後の“新しい現実”:千弥子、北斗の妻としての由里子
場面は変わり、久喜家には白髪の老人と中年女性がいる。女性は「おじいちゃん、何を見ているの?」と尋ね、老人は「ああ、チヤコ」と呼ぶ。
老人は「穴の中に女の人が倒れて燃えてる」と言うが、チヤコ(千弥子)は「穴もないし、どこも燃えてないよ」と否定する。老人が「戦地で死んでいたような気がする」と漏らすと、千弥子は「もしそうなら私は生まれてないから大丈夫。おじいちゃんは私が守る」と寄り添う。
そこへ来客が現れる。「北斗さん」。北斗は千弥子に「まだ悪夢はみますか?」と聞き、千弥子は墓で知らない人たちを見る夢を語る。
その直後、北斗は女性を紹介する。「これから新婚旅行なんです。妻の由里子です。」由里子は大学時代からの知り合いで、「こんな現実になればって強く思っていた」と北斗は言う。
雄司はプラネタリウム職員に、駅ですれ違う二人の涙
一方の雄司は、プラネタリウムの職員として働いている。上映中に眠ってしまい、同僚に夢の話をする。「大学で化学の助教授をやってる夢。そっちに行こうと思ったこともある。すごい大切なものに出会った気がするんだけど…。」
そして駅で、雄司は由里子とすれ違う。二人は思わず振り返り、見つめ合う。由里子の頬には涙。名前も関係も変わってしまっても、何かだけが残っている。
この終盤は、貞市の生存が現実を塗り替え、北斗の執着が「妻・由里子」という形で結実する流れが描かれる。一方で雄司と由里子は、改変後の世界でもすれ違い、なぜか心が反応してしまう。全部を奪われたはずなのに、最後に残る“引力”がいちばん怖い。
火喰鳥を、喰うの評価が割れる理由まとめ
ホラーとして観るべき?それともミステリー?…ここ、気になりますよね。最新の口コミ傾向をざっくり整理しつつ、ネタバレは避けて「合う/合わない」を分かりやすくまとめます。
本作品の評価については以下の記事で詳細に解説しておりますのでよろしくお願いします。
まずは数字で見る評価の位置感
火喰鳥を、喰うは“刺さる人には刺さる”タイプで、平均点が真ん中に寄りやすい作品です。
Filmarksの表示では★3.1(2,676件)。★3台が多い一方、★4以上が7%・★2以下が12%と、両端の評価も一定数あります。映画.comでも平均★3.2(298件)で、賛否が混ざった印象です。
火喰鳥を、喰う - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
火喰鳥を、喰う : 作品情報・キャスト・あらすじ - 映画.com
ジャンル期待のズレで、感想が割れやすい
ホラー・ミステリー・SFっぽさが混ざる作りなので、「どれかに振り切ってほしい」と思う人ほど物足りなく感じがち。逆に、ジャンルが混ざった“不穏さ”を楽しめる人はハマりやすいです。
怪異より「人間関係(執着・夫婦)」が前に出るのが好みを分ける
怖さや謎解きを最優先で観たい人には、感情のぶつかり合い(執着、夫婦の温度差)がノイズに見えることがあります。映画.comでも「恋愛映画っぽい」「夫婦、誤解、執着…」という受け止め方が出ていて、この“人間ドラマ比重”が評価を割るポイントになっています。
ルールを説明しない怖さが「刺さる人/置いていかれる人」を作る
現象の理屈をカチッと説明してくれるタイプではないので、「設定の詰めが甘い」と感じる人もいます。反対に、説明しないからこそ不気味で、じわじわ来るのが良い…という人も。ここは完全に好みです。
分かりにくさ・情報量で「疲れる」という声もある
「今どの時代?どこ?」みたいに、初見だと整理が追いつかず消耗しやすい、という口コミも見かけます。さらに「原作を読んでいると理解しやすいかも」といった声もあり、前提知識の有無で体感が変わりやすい作品です。
原作ファンは“改変点”が引っかかりやすい
原作既読の人ほど、キャラクター造形やラストの後味に敏感です。たとえば「北斗が小説からかなり変わった強烈なキャラクター」という指摘や、「ラストの痛み(後味)が薄い」と感じる声が、評価の分かれ目になっています。
ホラーの即効性や、ミステリーの快感を求めると辛口になりやすい一方で、違和感の積み上げや余韻、人間の執着を楽しめる人にはかなり刺さります。観る前に「どんな怖さを求めてるか」を決めておくと、満足度が上がりやすいですよ。
伏線回収とネタバレ考察記事のご案内
ここまで読んだあなたは、たぶん「で、あの要素は結局どういう意味?」が残ってるはず。火喰鳥を、喰うは、伏線回収と考察でおいしくなる作品です。
別記事で深掘りしたい考察テーマ(準備用メモ)
- 火喰鳥という言葉が象徴するもの
- 貞市と雄司が両方存在した世界線の矛盾
- 北斗の正体
- チヤコの位置づけと、物語上の役割
- ラストシーンの意味を考える
以上の点を中心にまとめてありますのでご興味ありましたらご覧ください!
火喰鳥を、喰うのあらすじをネタバレで総まとめ
- 舞台は信州で、旧家・久喜家に戦地由来の従軍日記が届く
- 作品の怖さはジャンプスケアより日常のズレが侵食するタイプである
- 墓石から久喜貞市の名前が削られる異変が物語の入口になる
- 白いワンピースの少女の目撃が不穏さを強める合図になる
- 記者の与沢一香とカメラマン玄田誠が日記を持ち込み事態が動き出す
- 日記には巨大な鳥ヒクイドリへの執着がにじむ記述が残る
- 夕里子の弟・瀧田亮の追記が怪異のトリガーとして作用する
- 玄田は高熱とうわごとに襲われ、関係者の異常が連鎖する
- 祖父・久喜保は怨念の気配を察知し警告するが失踪する
- 日記の記述が増えるなど、過去の記録が現在へ干渉し始める
- 生存者の証言が食い違い、歴史そのものがねじれていく
- 北斗総一郎が登場し、籠りと現実改変の説明で物語が加速する
- 記憶や存在が消えるような改変が起き、現実の基盤が崩れる
- 終盤は貞市の生存が現実を塗り替え、北斗の執着が決定打になる
- ラストは改変後の世界でも雄司と夕里子の絆だけが残る余韻で終わる

