- メイズ・ランナーがどんな話なのか
- 迷路を脱出するまでのネタバレあらすじ
- チャックの死から救出までの結末
- WCKDの目的とラストに残る謎
- トーマスたちは記憶を消されてグレードへ送られていた
- 迷路とグリーバーはWCKDが関わる実験環境だった
- トーマスとテレサは過去にWCKD側と関係していた
- 迷路の先には少年たちを監視する研究施設があった
- 世界ではフレアが広がり、人類が危機に陥っていた
- ギャリーの発砲によってチャックが死亡した
- 死んだように見えたエヴァ・ペイジは生きていた
- 迷路を脱出しても実験は第二段階へ続いていた
- メイズ・ランナーがどんな話なのか
- 迷路を脱出するまでのネタバレあらすじ
- チャックの死から救出までの結末
- WCKDの目的とラストに残る謎
- トーマスたちは記憶を消されてグレードへ送られていた
- 迷路とグリーバーはWCKDが関わる実験環境だった
- トーマスとテレサは過去にWCKD側と関係していた
- 迷路の先には少年たちを監視する研究施設があった
- 世界ではフレアが広がり、人類が危機に陥っていた
- ギャリーの発砲によってチャックが死亡した
- 死んだように見えたエヴァ・ペイジは生きていた
- 迷路を脱出しても実験は第二段階へ続いていた
[/st-mybox]
ここから先は映画『メイズ・ランナー』第1作の結末まで触れています。未鑑賞の方はネタバレにご注意ください。
メイズ・ランナーはどんな話?
最初に作品全体をひと言で表すなら、記憶を失った若者たちが巨大迷路から脱出し、自分たちが人体実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。
ただし、タイトルから想像するような「迷路の謎を解き続ける映画」だけではありません。グレードと呼ばれる集落での共同生活、少年たちの対立、グリーバーとの戦闘、そして彼らを閉じ込めた組織WCKDの存在へと話が広がっていきます。
作品の基本情報
| 作品名 | メイズ・ランナー |
|---|---|
| 原題 | The Maze Runner |
| 製作年 | 2014年 |
| ジャンル | SF・サバイバル・アクション |
| 監督 | ウェス・ボール |
| 原作 | ジェームズ・ダシュナー |
| トーマス | ディラン・オブライエン |
| テレサ | カヤ・スコデラリオ |
| ニュート | トーマス・ブロディ=サングスター |
| ギャリー | ウィル・ポールター |
| ミンホ | キー・ホン・リー |
巨大迷路に閉じ込められた少年たち
主人公トーマスが目を覚ますのは、上昇していく貨物用エレベーターのような箱の中です。自分が何者なのか分からず、過去の記憶もありません。
箱が到着した場所には草原のような空間があり、多くの少年たちが共同生活を送っていました。彼らはこの場所を「グレード」と呼んでいます。
周囲には巨大な壁。その向こうには広大な迷路があり、昼になると入口が開き、夜になると閉じます。
しかも夜の迷路には、機械と生物が組み合わさったような怪物「グリーバー」が出現。これまで夜の迷路に閉じ込められて生きて帰った者はいません。
つまり序盤の状況はかなり単純です。少年たちは記憶を奪われ、理由も知らされないまま巨大迷路の内側で暮らしており、出口を見つけられずにいます。
メイズ・ランナーのネタバレあらすじ

ここからはトーマスがグレードへ到着してから、迷路脱出への道筋が見えてくるまでを追っていきます。
物語を理解するうえで大切なのは、トーマスが来てから偶然事件が続いたというより、彼の到着を境に、それまで保たれていたグレードの仕組みが崩れ始めるところです。
トーマスがグレードへ到着
グレードではアルビーを中心に、ニュート、ミンホ、ギャリー、チャックたちが役割を分担して生活していました。
新しい少年と物資は定期的に箱で送られてきます。全員が過去をほとんど覚えていませんが、自分の名前だけは時間が経つと思い出せるようです。
少年たちはただ助けを待っていたわけではありません。足が速く迷路へ入ることを許された「ランナー」たちが、昼間に内部を調べて地図を作り続けていました。
その中心人物がミンホです。
ところが迷路は夜になると構造が変わり、何年調べても外へ出る道が見つかりません。だからこそ、グレードでは「決められた規則を守って生き残ること」が何より重視されていました。
そんな中でトーマスだけは、到着直後から迷路に異様なほど引きつけられていきます。
ベンがチェンジして襲いかかる
やがて少年ベンがトーマスへ襲いかかります。
ベンはグリーバーに刺されており、「チェンジ」と呼ばれる異常な状態になっていました。精神状態が不安定となり、トーマスを知っているような反応まで見せます。
しかし、この段階のトーマスには理由が分かりません。
グレードの仲間を危険にさらしたベンは、最終的に夜の迷路へ追放されました。かなり残酷な処置ですが、少年たちが長く生き残るために作った規則でもあります。
ここで覚えておきたいのが、グリーバーの毒を受けた人物には過去の記憶らしきものが戻ることです。後半のトーマスの行動につながってきます。
トーマスが夜の迷路へ飛び込む
ある日、アルビーとミンホが迷路から戻れなくなります。
入口が閉まる直前、負傷したアルビーを支えながら必死に戻ってくるミンホが見えました。しかし、このままでは間に合いません。
そこでトーマスは、まだランナーですらないのに迷路へ飛び込みます。
当然ながら無茶な行動です。入口はそのまま閉まり、トーマス、ミンホ、アルビーはグリーバーがうろつく夜の迷路へ取り残されました。
それでもトーマスは動く壁を利用し、グリーバーを押し潰すことに成功します。
誰も生きて帰れなかった夜の迷路から三人は生還。トーマスは一気に注目され、ミンホからもランナーとして認められるようになりました。
◆ふくろうのワンポイント
ここでトーマスを「勇敢な主人公」と見ることもできますが、私は少し違って見ています。彼は仲間を助ける勇気がある一方、成功する保証がないまま飛び込む人物でもあります。この勇気と無鉄砲さが紙一重なところが、後のギャリーとの対立にもつながっていきます。
最後の新入りテレサが来る
トーマスの到着後、それまでの周期を無視して再び箱が上がってきます。
中にいたのは、グレードへ送られてきた初めての女性テレサでした。
しかも彼女には「彼女で最後」という意味のメッセージが添えられています。
さらに意識を失っているテレサは、なぜか「トーマス」と彼の名前を口にしました。
二人が過去に接点を持っていたことは明らかです。そしてテレサは「WCKD」の文字が入った薬も持っていました。
新しい人間も物資も今後は来ない。ここからグレードの状況は急速に変化していきます。
グリーバーから機械を発見
トーマスとミンホは、夜の迷路で倒したグリーバーを調べます。
そこで見つかったのが、体内に組み込まれたWCKDの文字がある機械です。
この発見でグリーバーが自然界の怪物ではなく、人の手で作られた存在である可能性が一気に高まりました。
さらに機械は迷路そのものとも連動しており、それまで入れなかった区画へ進む手掛かりになります。
迷路を作った者、グリーバーを作った者、少年たちを送ってきた者。そのすべての背後に同じ存在がいるのではないか。物語は単なる脱出劇から、実験施設の謎へ踏み込んでいきます。
グリーバーがグレードを襲う
ところが、トーマスたちが迷路の仕組みに近づいた直後、これまで夜になると閉じていた入口が閉まらなくなります。
大量のグリーバーがグレードへ侵入し、少年たちを襲撃しました。
多くの犠牲者が出る中、リーダーのアルビーもチャックを助けようとして命を落とします。
これまで何年も続いていたグレードの生活は完全に崩れました。
そしてギャリーは、「トーマスが来てからすべてがおかしくなった」と彼を責めます。
これは単なる言いがかりとも言い切れません。トーマスが行動したことで出口へ近づいた一方、彼が来てからグレードの環境が激変したのも確かだからです。
結末へ向かうトーマスの決断

グリーバーの襲撃によって、グレードに残っていれば安全という前提は崩れました。
ここからトーマスは、自分が何者なのかを確かめ、仲間たちと迷路を突破するため、さらに危険な選択へ進みます。
トーマスが自ら毒を受ける
トーマスはベンやアルビーがグリーバーに刺されたあと、過去に関する記憶を取り戻していたことに気づきます。
そこで自分自身もグリーバーの毒を受け、失った記憶を呼び戻そうとします。
かなり危険な方法ですが、テレサが持ってきたWCKDの薬を使ったことでトーマスは回復しました。
そして、思い出した内容は衝撃的なものです。
トーマスとテレサはWCKD側だった
トーマスは、自分とテレサが以前WCKDと関わっていたことを思い出します。
二人は最初から何も知らない被害者だったわけではありません。少なくとも過去には、少年たちを迷路へ送り込む側に関係していました。
だからベンやアルビーは、チェンジによって記憶の一部が戻った際、トーマスを見て反応したのでしょう。
ただし第1作の時点では、なぜWCKD側にいたトーマスとテレサ自身まで記憶を消され、迷路へ送り込まれたのかまでは分かりません。
ここは「トーマスが黒幕だった」という意味ではありません。過去にWCKDと関わっていた事実は分かりますが、彼が計画全体についてどこまで知っていたのか、第1作だけでは判断できない部分が残されています。
ギャリーとトーマスが決裂
トーマスは仲間たちに、迷路から脱出しようと訴えます。
しかしギャリーは反対しました。
ギャリーから見れば、グレードは危険があっても何年間も生き延びられた場所です。迷路の先に何があるのか分からない以上、わざわざ死ぬ可能性のある道へ進む必要はないと考えます。
一方のトーマスは、グリーバーが侵入してきた以上、もう以前の生活には戻れないと判断しました。
結果として少年たちは二つに分かれます。
トーマス、テレサ、ニュート、ミンホ、チャックらは脱出を選び、ギャリーたちはグレードへ残る道を選びました。
迷路の出口を突破する
トーマスたちはランナーが長期間記録してきた迷路の変化を使い、脱出口を目指します。
途中ではグリーバーとの激しい戦闘が発生。仲間を失いながらも奥へ進み、迷路の変化から導いた8桁のコードを入力します。
ついに扉が開きました。
ところが、その先に広がっていたのは青空でも外の世界でもありません。
迷路の出口は、少年たちを監視していた研究施設につながっていたのです。
メイズ・ランナーの最後と結末

ここからが『メイズ・ランナー』第1作で最も重要な部分です。
迷路を突破した時点ではまだ結末ではありません。研究施設でWCKDの目的が明かされ、チャックが死亡し、その後の「救出」さえ疑わしくなるところまでが本作のラストです。
迷路の先は研究施設だった
研究施設には研究者らしき人々が倒れており、まるで何者かに襲撃された後のようになっていました。
施設内のモニターには、少年たちが暮らしていたグレードの映像が映し出されています。
ここでトーマスたちは、自分たちがずっと監視されていたと知りました。
やがてモニターにWCKDの責任者エヴァ・ペイジが登場します。
彼女の説明によって、迷路よりはるかに大きな世界の事情が明らかになります。
世界ではフレアが広がっていた
トーマスたちの知らない外の世界は、大規模な災害によって荒廃していました。
さらに「フレア」と呼ばれる感染症が広がり、人類は壊滅的な危機に直面しています。
ところが若者の中には、フレアに対して特別な性質を持つ者が存在しました。
WCKDは彼らを集め、極限状態に置いた際の脳の反応などを調べていたというのです。
つまりトーマスたちが暮らしていたグレードも、巨大な迷路も、グリーバーも、偶然存在した危険地帯ではなくWCKDによって用意された実験環境でした。
ここが第1作最大の種明かしです。少年たちは迷路に偶然閉じ込められたのではありません。恐怖、戦闘、仲間との協力、喪失、決断といった状況へ追い込むため、意図的に配置されていました。
ギャリーが突然現れる
エヴァ・ペイジの映像が終わったあと、思わぬ人物が研究施設へ現れます。
グレードへ残ったはずのギャリーです。
しかも彼はグリーバーに刺された影響で錯乱しており、トーマスへ銃を向けます。
ここは第1作でも特に疑問が残る場面です。
トーマスたちが激しい戦闘をしながらようやく突破した迷路を、ギャリーがいつ、どのような方法で抜けたのかは映画内では描かれません。
グリーバーとの接触を示す状態ではありますが、移動経路については断定できません。
チャックがトーマスをかばって死亡
錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向けると、ミンホがギャリーを攻撃します。
しかし、その瞬間に銃弾が発射されました。
弾丸はトーマスをかばったチャックに命中します。
まだ幼さの残るチャックは、トーマスにとってグレードで最も身近な存在の一人でした。
以前チャックは家族へ渡したい物をトーマスへ託そうとしていましたが、トーマスは「自分で渡せ」と返しています。その約束も叶わないまま、チャックは命を落としました。
迷路を脱出した直後にチャックが死ぬのは残酷ですが、この場面によって「迷路を出れば全員助かる」という期待は完全に壊されます。
武装部隊がトーマスたちを救出
その直後、武装した部隊が研究施設へ突入してきます。
トーマスたちは施設から連れ出され、ヘリコプターに乗せられました。
上空から見えるのは、彼らが長い時間を過ごしてきた巨大迷路の全景。
地上には荒れ果てた世界が広がっています。
ここだけを見ると、WCKDの研究施設が別の勢力によって襲撃され、トーマスたちはようやく救出されたように思えるでしょう。
しかし、映画はそこで終わりません。
エヴァ・ペイジは生きていた
最後に映し出されるのは、先ほど映像内で死んだように見えたエヴァ・ペイジです。
彼女は生きていました。
少なくともエヴァの死は偽装であり、研究施設で起きていた出来事にも芝居が含まれていたことになります。
さらにエヴァは、被験者たちが予想以上の成果を出したとして、実験を第二段階へ進めることを示します。
つまりヘリコプターに乗せられたトーマスたちは、WCKDの支配から逃げ切ったわけではありません。
迷路脱出後も、彼らは巨大な実験の中にいる。
これが『メイズ・ランナー』第1作の結末です。
メイズ・ランナーのラストの意味
ラストを理解するときに大切なのは、「迷路から脱出できたか」だけを見ないことです。
トーマスたちは確かに迷路を攻略しました。しかし物語全体で見ると、彼らはWCKDが用意した一つ目の環境を突破したにすぎません。
迷路そのものが実験装置だった
巨大な壁、毎晩変化する通路、グリーバー、グレードでの共同生活。そのすべては独立した出来事ではありません。
WCKDの実験という視点で見ると、一つにつながります。
若者たちを安全な研究室へ置くだけでは、死への恐怖や仲間を失う体験、限られた時間での判断、集団内での対立までは作れません。
そこでWCKDは迷路という閉鎖環境を用意し、被験者を極限状態へ追い込んだと考えられます。
グリーバーも単なる番人ではなく、その環境を成立させるために作られた存在なのでしょう。
だから迷路は「解かなければならないパズル」であると同時に、被験者へ恐怖と選択を与える巨大な実験装置でもあります。
救出も実験の一部だったのか
ラストで最もややこしいのが、武装部隊による救出です。
研究施設では多くの人間が倒れ、エヴァも死んだように見せていました。そこへ別の集団が突入し、トーマスたちを連れ出します。
しかしエヴァが生存し、その後に第二段階を宣言した以上、少なくとも「WCKDが完全に敗北して実験が終わった」という見方はできません。
むしろ研究施設の惨状や救出劇まで含めて、被験者に「実験から逃れた」と思わせるための演出だった可能性が高くなります。
ただし、第1作だけでは救出に関わった全員の立場や計画の細部までは説明されません。
したがって、「救出もWCKDの計画内だった可能性が高い」までは読み取れても、すべての動きを断定するのは難しいというのが妥当でしょう。
迷路脱出はゴールではない
本作のラストで最も重要なのはここです。
観客もトーマスたちも、物語の大部分を「迷路から出れば自由になれる」と考えて見ています。
ところが実際には、迷路そのものがWCKDの計画の一部でした。
言い換えると、トーマスたちは檻の扉を開けただけで、その建物自体からは出ていなかったようなものです。
迷路を出たところから、本当の世界とWCKDをめぐる物語が始まります。
だから第1作は一本で完結する脱出映画というより、三部作全体の入口という性格がかなり濃い作品なんですね。
WCKDは悪の組織なのか

WCKDを単純な悪の組織と考えると分かりやすいのですが、本作は少し引っかかる余地を残しています。
彼らが行っていることは残酷です。しかし世界ではフレアが広がり、人類そのものが危機に陥っていると説明されています。
目的は人類を救うこと
WCKDの説明を信じるなら、研究の目的はフレアに対抗する方法を探すことです。
トーマスたちのような特別な若者を調べることで、人類を救える可能性があると考えています。
目的だけを見るなら「人類を救う研究」と言えるでしょう。
ところが問題は、そのために被験者へ真実を知らせず、記憶を奪い、実際に死者が出る環境へ送り込んでいることです。
目的のために犠牲を許している
グレードでは長い間に複数の少年が命を落とし、迷路脱出の際にも犠牲者が出ています。
フレアの研究にとって貴重な存在なら、なぜ死ぬ可能性がある実験を行うのかという疑問は当然残ります。
映画第1作だけでは、この方法でなければならない理由まで十分に示されません。
少なくとも分かるのは、WCKDが「人類を救う」という大義のためなら、個々の被験者へ大きな犠牲を求める組織だということです。
◆ふくろうのワンポイント
個人的には、WCKDの怖さは「世界を滅ぼしたい悪人」ではないところにあると思います。人類を救うというもっともらしい目的があるからこそ、「そのためなら何をしてもいいのか?」という問いが生まれるんですよね。
トーマスとギャリーの違い
『メイズ・ランナー』では、トーマスが主人公、ギャリーが対立人物として描かれます。
しかし二人を単純な善と悪に分けてしまうと、この作品の面白さが少し減ってしまいます。
トーマスは変化を選ぶ人物
トーマスはルールよりも、自分の目の前で起きていることを優先します。
アルビーとミンホが危険なら迷路へ飛び込み、グリーバーを倒せば内部を調べ、真実を知るためなら自分で毒まで受けます。
彼がいなければ、少年たちはずっとグレードにとどまっていたかもしれません。
その一方で、トーマスの行動にはかなり危ういところがあります。
自分だけでなく周囲まで危険へ巻き込むため、結果を知っている観客だから「正しかった」と言える部分もあるでしょう。
ギャリーの警戒にも理由がある
ギャリーはトーマスを信用せず、何度も彼の行動を止めようとします。
物語上は邪魔をする人物に見えますが、ギャリーは長い間グレードで生き残ってきました。
そこへ記憶を失った新入りが現れ、これまでの決まりを無視して次々と危険なことを始めるわけです。
しかも実際、トーマスが来たあとに供給が止まり、グリーバーが襲撃し、アルビーまで死亡しました。
ギャリーが「トーマスが原因なのではないか」と疑うのも、彼の立場からすれば理解できます。
二人の違いは、危険を承知で未知の世界へ進むか、不完全でも生きてこられた場所を守るかです。
あなたなら、どちらを選ぶでしょうか。
第1作だけでは残る謎
『メイズ・ランナー』を見終えたあとにモヤモヤしやすい理由は、映画内で答えが示されない疑問がいくつも残るからです。
ここでは「映画で分かること」と「第1作だけでは決められないこと」を分けて見ていきます。
ギャリーはどうやって来た?
特に気になるのが、研究施設へ突然現れたギャリーです。
トーマスたちはグリーバーと戦いながら出口へ向かい、暗証番号まで入力してようやく研究施設へ到着しています。
それなのにグレードへ残ったギャリーが短時間で追いついてきました。
彼がグリーバーに刺されていたことから、その後に迷路へ入ったことはうかがえます。
しかし、具体的にどの道を通り、どのように出口へ到達したのかは描写されません。
ギャリーの移動方法についてはいくつか考え方がありますが、映画第1作には決定的な説明がありません。描かれていない部分を事実として決めつけない方が作品を理解しやすいでしょう。
なぜ毒で記憶が戻る?
ベンやアルビー、そしてトーマスはグリーバーの毒によって過去の記憶と関係する反応を見せます。
そのため、毒が単に人間を殺傷するためだけのものではないことは分かります。
グリーバーそのものがWCKDによって用意された存在である以上、チェンジも実験と無関係とは考えにくいでしょう。
ただし、毒が脳へどのように作用し、なぜ記憶が戻るのかという詳しい仕組みは、第1作では説明されません。
なぜ巨大迷路が必要なのか
これも見終えたあとにかなり気になる部分です。
WCKDがフレアに対する研究をしたいだけなら、わざわざ巨大な迷路やグリーバーを作り、貴重な被験者を死なせる危険まで冒す必要があるのかという疑問が出ます。
映画内の説明から考えられるのは、WCKDが欲しかったのが単なる身体検査の結果ではなく、極限状態に置かれた若者の脳の反応だったということです。
恐怖、仲間との協力、裏切り、死、時間制限、戦闘。こうした状況を意図的に発生させるための環境として迷路が使われています。
それでも実験方法として合理的なのかという疑問までは解消されません。
なぜトーマスも送られた?
トーマスとテレサが過去にWCKD側へ関係していたことは、本作の大きな種明かしです。
しかし二人がなぜ今度は被験者になったのかは分かりません。
本人たちの記憶も完全ではなく、WCKDとの関係も断片的にしか描かれていないため、第1作を見ただけで過去をすべて理解することはできません。
ここは続編へ持ち越される謎の一つです。
救出部隊は本当に味方?
武装部隊が研究施設へ突入してトーマスたちを連れ出したため、一見するとWCKDと敵対する勢力にも見えます。
しかし最後にはエヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ります。
このため、第1作のラスト時点では「完全にWCKDから逃げた」とは考えられません。
救出後も実験が続いているという事実こそ、この場面で押さえておきたいポイントです。
第1作で分かる事実
ここまで多くの謎が出てきましたが、すべてが曖昧なわけではありません。
最後に混乱しないため、「第1作の映像から読み取れること」と「まだ答えが出ていないこと」を分けておきましょう。
| 項目 | 第1作で分かること |
|---|---|
| 迷路 | 少年たちを極限状態へ置くWCKDの実験環境 |
| グリーバー | WCKDと関係する人工的な存在 |
| トーマス | 過去にWCKD側と関係していた |
| テレサ | トーマスと同じくWCKDとの過去を持つ |
| フレア | 外の世界で人類を脅かしている感染症 |
| 被験者 | フレア研究において特別な存在として扱われている |
| エヴァ・ペイジ | 映像内の死は本当ではなく、ラストで生存している |
| 迷路脱出 | 実験そのものの終了を意味しない |
| 第二段階 | 迷路脱出後も実験が続くことを示している |
反対に、トーマスとテレサが被験者になった詳しい事情、ギャリーが研究施設へ到達した正確な経路、WCKDが行う研究の全貌などは第1作だけでは分かりません。
この線引きをしておくと、ラストを必要以上に難しく考えずに済みます。
◆ふくろうのワンポイント
『メイズ・ランナー』は、すべての謎を第1作で解こうとするとかなりモヤモヤします。むしろ「迷路の正体が分かったところで、もっと大きな謎が出てきた」という終わり方。一本の完結編というより、シリーズの世界を開く第1章として見ると納得しやすいですよ。
メイズ・ランナーのよくある質問
Q1. メイズ・ランナーはどんな話ですか?
A. 記憶を失ったトーマスたちが巨大迷路からの脱出を目指し、その過程で自分たちがWCKDによる実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。迷路を抜けること自体が物語の本当のゴールではありません。
Q2. メイズ・ランナーの最後はどういう意味ですか?
A. トーマスたちは迷路から脱出しましたが、WCKDの実験から逃げ切ったわけではありません。エヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ることで、迷路脱出後も計画が続いていると分かります。
Q3. エヴァ・ペイジは最後に死んだのですか?
A. 死んでいません。研究施設で流された映像では死んだように見えますが、ラストで生存している姿が映ります。そのため、少なくともエヴァの死は偽装だったことが分かります。
Q4. ギャリーはどうやって研究施設まで来たのですか?
A. 映画第1作では正確な経路が描かれていません。ギャリーがグリーバーに刺された状態で現れることは確認できますが、どのように迷路を突破してトーマスたちへ追いついたのかは、映画内では明確になっていません。
Q5. チャックはなぜ死亡したのですか?
A. グリーバーの毒で錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向け、発砲された際にチャックがトーマスをかばったためです。迷路脱出直後の死によって、「迷路を出ればすべて解決するわけではない」と示す重要な場面にもなっています。
メイズ・ランナーのネタバレまとめ
『メイズ・ランナー』第1作は、巨大迷路からの脱出を目指すサバイバル映画として始まり、最後にはWCKDによる大規模な実験の物語だったことが明らかになります。
つまり、本作の結末をひと言で表すなら、「迷路からは脱出したが、WCKDが作った巨大な計画からはまだ脱出していない」ということです。
トーマスたちが命懸けで突破した迷路は、物語全体から見れば最初の試練にすぎませんでした。
そして印象的なのが、トーマスとギャリーの対立です。
危険でも現状を変えようとするトーマスと、長く生き延びてきた環境を守ろうとするギャリー。結果だけを見ればトーマスが正しかったように映りますが、ギャリーの警戒にも理由はありました。
そのうえ、ようやく迷路を攻略した直後にチャックを失い、救出されたと思った瞬間には「第二段階」が始まる。
迷路を脱出することがゴールではなく、迷路そのものが巨大な計画の入口だった。
この事実を明かしたところで第1作は終わります。
だからこそ『メイズ・ランナー』は、すっきり完結する脱出映画ではありません。迷路の外にもっと大きな世界が存在すると見せ、トーマスたちとWCKDの本当の戦いへつなげる物語なのです。

こんにちは、物語の知恵袋のふくろうです。
映画『メイズ・ランナー』は、「巨大な迷路から脱出する映画」と思って見始めると、終盤で物語の見え方がガラッと変わります。
迷路を抜けた先に待っているのは自由ではなく研究施設。そこでトーマスたちは、自分たちがなぜ記憶を消され、危険な迷路へ入れられたのかを知ることになります。
さらに、チャックの死、エヴァ・ペイジの映像、突然現れる武装集団、ヘリコプターでの救出、そして死んだはずのエヴァが生きている最後の場面まで一気に続くため、「結局、誰が味方で何が本当だったの?」と置いていかれやすいんですよね。
この記事では第1作に範囲を絞り、ネタバレ込みのあらすじから結末、ラストが意味していることまで順番に追っていきます。
この記事でわかること
ここから先は映画『メイズ・ランナー』第1作の結末まで触れています。未鑑賞の方はネタバレにご注意ください。
メイズ・ランナーはどんな話?
最初に作品全体をひと言で表すなら、記憶を失った若者たちが巨大迷路から脱出し、自分たちが人体実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。
ただし、タイトルから想像するような「迷路の謎を解き続ける映画」だけではありません。グレードと呼ばれる集落での共同生活、少年たちの対立、グリーバーとの戦闘、そして彼らを閉じ込めた組織WCKDの存在へと話が広がっていきます。
作品の基本情報
| 作品名 | メイズ・ランナー |
|---|---|
| 原題 | The Maze Runner |
| 製作年 | 2014年 |
| ジャンル | SF・サバイバル・アクション |
| 監督 | ウェス・ボール |
| 原作 | ジェームズ・ダシュナー |
| トーマス | ディラン・オブライエン |
| テレサ | カヤ・スコデラリオ |
| ニュート | トーマス・ブロディ=サングスター |
| ギャリー | ウィル・ポールター |
| ミンホ | キー・ホン・リー |
巨大迷路に閉じ込められた少年たち
主人公トーマスが目を覚ますのは、上昇していく貨物用エレベーターのような箱の中です。自分が何者なのか分からず、過去の記憶もありません。
箱が到着した場所には草原のような空間があり、多くの少年たちが共同生活を送っていました。彼らはこの場所を「グレード」と呼んでいます。
周囲には巨大な壁。その向こうには広大な迷路があり、昼になると入口が開き、夜になると閉じます。
しかも夜の迷路には、機械と生物が組み合わさったような怪物「グリーバー」が出現。これまで夜の迷路に閉じ込められて生きて帰った者はいません。
つまり序盤の状況はかなり単純です。少年たちは記憶を奪われ、理由も知らされないまま巨大迷路の内側で暮らしており、出口を見つけられずにいます。
メイズ・ランナーのネタバレあらすじ

ここからはトーマスがグレードへ到着してから、迷路脱出への道筋が見えてくるまでを追っていきます。
物語を理解するうえで大切なのは、トーマスが来てから偶然事件が続いたというより、彼の到着を境に、それまで保たれていたグレードの仕組みが崩れ始めるところです。
トーマスがグレードへ到着
グレードではアルビーを中心に、ニュート、ミンホ、ギャリー、チャックたちが役割を分担して生活していました。
新しい少年と物資は定期的に箱で送られてきます。全員が過去をほとんど覚えていませんが、自分の名前だけは時間が経つと思い出せるようです。
少年たちはただ助けを待っていたわけではありません。足が速く迷路へ入ることを許された「ランナー」たちが、昼間に内部を調べて地図を作り続けていました。
その中心人物がミンホです。
ところが迷路は夜になると構造が変わり、何年調べても外へ出る道が見つかりません。だからこそ、グレードでは「決められた規則を守って生き残ること」が何より重視されていました。
そんな中でトーマスだけは、到着直後から迷路に異様なほど引きつけられていきます。
ベンがチェンジして襲いかかる
やがて少年ベンがトーマスへ襲いかかります。
ベンはグリーバーに刺されており、「チェンジ」と呼ばれる異常な状態になっていました。精神状態が不安定となり、トーマスを知っているような反応まで見せます。
しかし、この段階のトーマスには理由が分かりません。
グレードの仲間を危険にさらしたベンは、最終的に夜の迷路へ追放されました。かなり残酷な処置ですが、少年たちが長く生き残るために作った規則でもあります。
ここで覚えておきたいのが、グリーバーの毒を受けた人物には過去の記憶らしきものが戻ることです。後半のトーマスの行動につながってきます。
トーマスが夜の迷路へ飛び込む
ある日、アルビーとミンホが迷路から戻れなくなります。
入口が閉まる直前、負傷したアルビーを支えながら必死に戻ってくるミンホが見えました。しかし、このままでは間に合いません。
そこでトーマスは、まだランナーですらないのに迷路へ飛び込みます。
当然ながら無茶な行動です。入口はそのまま閉まり、トーマス、ミンホ、アルビーはグリーバーがうろつく夜の迷路へ取り残されました。
それでもトーマスは動く壁を利用し、グリーバーを押し潰すことに成功します。
誰も生きて帰れなかった夜の迷路から三人は生還。トーマスは一気に注目され、ミンホからもランナーとして認められるようになりました。
◆ふくろうのワンポイント
ここでトーマスを「勇敢な主人公」と見ることもできますが、私は少し違って見ています。彼は仲間を助ける勇気がある一方、成功する保証がないまま飛び込む人物でもあります。この勇気と無鉄砲さが紙一重なところが、後のギャリーとの対立にもつながっていきます。
最後の新入りテレサが来る
トーマスの到着後、それまでの周期を無視して再び箱が上がってきます。
中にいたのは、グレードへ送られてきた初めての女性テレサでした。
しかも彼女には「彼女で最後」という意味のメッセージが添えられています。
さらに意識を失っているテレサは、なぜか「トーマス」と彼の名前を口にしました。
二人が過去に接点を持っていたことは明らかです。そしてテレサは「WCKD」の文字が入った薬も持っていました。
新しい人間も物資も今後は来ない。ここからグレードの状況は急速に変化していきます。
グリーバーから機械を発見
トーマスとミンホは、夜の迷路で倒したグリーバーを調べます。
そこで見つかったのが、体内に組み込まれたWCKDの文字がある機械です。
この発見でグリーバーが自然界の怪物ではなく、人の手で作られた存在である可能性が一気に高まりました。
さらに機械は迷路そのものとも連動しており、それまで入れなかった区画へ進む手掛かりになります。
迷路を作った者、グリーバーを作った者、少年たちを送ってきた者。そのすべての背後に同じ存在がいるのではないか。物語は単なる脱出劇から、実験施設の謎へ踏み込んでいきます。
グリーバーがグレードを襲う
ところが、トーマスたちが迷路の仕組みに近づいた直後、これまで夜になると閉じていた入口が閉まらなくなります。
大量のグリーバーがグレードへ侵入し、少年たちを襲撃しました。
多くの犠牲者が出る中、リーダーのアルビーもチャックを助けようとして命を落とします。
これまで何年も続いていたグレードの生活は完全に崩れました。
そしてギャリーは、「トーマスが来てからすべてがおかしくなった」と彼を責めます。
これは単なる言いがかりとも言い切れません。トーマスが行動したことで出口へ近づいた一方、彼が来てからグレードの環境が激変したのも確かだからです。
結末へ向かうトーマスの決断

グリーバーの襲撃によって、グレードに残っていれば安全という前提は崩れました。
ここからトーマスは、自分が何者なのかを確かめ、仲間たちと迷路を突破するため、さらに危険な選択へ進みます。
トーマスが自ら毒を受ける
トーマスはベンやアルビーがグリーバーに刺されたあと、過去に関する記憶を取り戻していたことに気づきます。
そこで自分自身もグリーバーの毒を受け、失った記憶を呼び戻そうとします。
かなり危険な方法ですが、テレサが持ってきたWCKDの薬を使ったことでトーマスは回復しました。
そして、思い出した内容は衝撃的なものです。
トーマスとテレサはWCKD側だった
トーマスは、自分とテレサが以前WCKDと関わっていたことを思い出します。
二人は最初から何も知らない被害者だったわけではありません。少なくとも過去には、少年たちを迷路へ送り込む側に関係していました。
だからベンやアルビーは、チェンジによって記憶の一部が戻った際、トーマスを見て反応したのでしょう。
ただし第1作の時点では、なぜWCKD側にいたトーマスとテレサ自身まで記憶を消され、迷路へ送り込まれたのかまでは分かりません。
ここは「トーマスが黒幕だった」という意味ではありません。過去にWCKDと関わっていた事実は分かりますが、彼が計画全体についてどこまで知っていたのか、第1作だけでは判断できない部分が残されています。
ギャリーとトーマスが決裂
トーマスは仲間たちに、迷路から脱出しようと訴えます。
しかしギャリーは反対しました。
ギャリーから見れば、グレードは危険があっても何年間も生き延びられた場所です。迷路の先に何があるのか分からない以上、わざわざ死ぬ可能性のある道へ進む必要はないと考えます。
一方のトーマスは、グリーバーが侵入してきた以上、もう以前の生活には戻れないと判断しました。
結果として少年たちは二つに分かれます。
トーマス、テレサ、ニュート、ミンホ、チャックらは脱出を選び、ギャリーたちはグレードへ残る道を選びました。
迷路の出口を突破する
トーマスたちはランナーが長期間記録してきた迷路の変化を使い、脱出口を目指します。
途中ではグリーバーとの激しい戦闘が発生。仲間を失いながらも奥へ進み、迷路の変化から導いた8桁のコードを入力します。
ついに扉が開きました。
ところが、その先に広がっていたのは青空でも外の世界でもありません。
迷路の出口は、少年たちを監視していた研究施設につながっていたのです。
メイズ・ランナーの最後と結末

ここからが『メイズ・ランナー』第1作で最も重要な部分です。
迷路を突破した時点ではまだ結末ではありません。研究施設でWCKDの目的が明かされ、チャックが死亡し、その後の「救出」さえ疑わしくなるところまでが本作のラストです。
迷路の先は研究施設だった
研究施設には研究者らしき人々が倒れており、まるで何者かに襲撃された後のようになっていました。
施設内のモニターには、少年たちが暮らしていたグレードの映像が映し出されています。
ここでトーマスたちは、自分たちがずっと監視されていたと知りました。
やがてモニターにWCKDの責任者エヴァ・ペイジが登場します。
彼女の説明によって、迷路よりはるかに大きな世界の事情が明らかになります。
世界ではフレアが広がっていた
トーマスたちの知らない外の世界は、大規模な災害によって荒廃していました。
さらに「フレア」と呼ばれる感染症が広がり、人類は壊滅的な危機に直面しています。
ところが若者の中には、フレアに対して特別な性質を持つ者が存在しました。
WCKDは彼らを集め、極限状態に置いた際の脳の反応などを調べていたというのです。
つまりトーマスたちが暮らしていたグレードも、巨大な迷路も、グリーバーも、偶然存在した危険地帯ではなくWCKDによって用意された実験環境でした。
ここが第1作最大の種明かしです。少年たちは迷路に偶然閉じ込められたのではありません。恐怖、戦闘、仲間との協力、喪失、決断といった状況へ追い込むため、意図的に配置されていました。
ギャリーが突然現れる
エヴァ・ペイジの映像が終わったあと、思わぬ人物が研究施設へ現れます。
グレードへ残ったはずのギャリーです。
しかも彼はグリーバーに刺された影響で錯乱しており、トーマスへ銃を向けます。
ここは第1作でも特に疑問が残る場面です。
トーマスたちが激しい戦闘をしながらようやく突破した迷路を、ギャリーがいつ、どのような方法で抜けたのかは映画内では描かれません。
グリーバーとの接触を示す状態ではありますが、移動経路については断定できません。
チャックがトーマスをかばって死亡
錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向けると、ミンホがギャリーを攻撃します。
しかし、その瞬間に銃弾が発射されました。
弾丸はトーマスをかばったチャックに命中します。
まだ幼さの残るチャックは、トーマスにとってグレードで最も身近な存在の一人でした。
以前チャックは家族へ渡したい物をトーマスへ託そうとしていましたが、トーマスは「自分で渡せ」と返しています。その約束も叶わないまま、チャックは命を落としました。
迷路を脱出した直後にチャックが死ぬのは残酷ですが、この場面によって「迷路を出れば全員助かる」という期待は完全に壊されます。
武装部隊がトーマスたちを救出
その直後、武装した部隊が研究施設へ突入してきます。
トーマスたちは施設から連れ出され、ヘリコプターに乗せられました。
上空から見えるのは、彼らが長い時間を過ごしてきた巨大迷路の全景。
地上には荒れ果てた世界が広がっています。
ここだけを見ると、WCKDの研究施設が別の勢力によって襲撃され、トーマスたちはようやく救出されたように思えるでしょう。
しかし、映画はそこで終わりません。
エヴァ・ペイジは生きていた
最後に映し出されるのは、先ほど映像内で死んだように見えたエヴァ・ペイジです。
彼女は生きていました。
少なくともエヴァの死は偽装であり、研究施設で起きていた出来事にも芝居が含まれていたことになります。
さらにエヴァは、被験者たちが予想以上の成果を出したとして、実験を第二段階へ進めることを示します。
つまりヘリコプターに乗せられたトーマスたちは、WCKDの支配から逃げ切ったわけではありません。
迷路脱出後も、彼らは巨大な実験の中にいる。
これが『メイズ・ランナー』第1作の結末です。
メイズ・ランナーのラストの意味
ラストを理解するときに大切なのは、「迷路から脱出できたか」だけを見ないことです。
トーマスたちは確かに迷路を攻略しました。しかし物語全体で見ると、彼らはWCKDが用意した一つ目の環境を突破したにすぎません。
迷路そのものが実験装置だった
巨大な壁、毎晩変化する通路、グリーバー、グレードでの共同生活。そのすべては独立した出来事ではありません。
WCKDの実験という視点で見ると、一つにつながります。
若者たちを安全な研究室へ置くだけでは、死への恐怖や仲間を失う体験、限られた時間での判断、集団内での対立までは作れません。
そこでWCKDは迷路という閉鎖環境を用意し、被験者を極限状態へ追い込んだと考えられます。
グリーバーも単なる番人ではなく、その環境を成立させるために作られた存在なのでしょう。
だから迷路は「解かなければならないパズル」であると同時に、被験者へ恐怖と選択を与える巨大な実験装置でもあります。
救出も実験の一部だったのか
ラストで最もややこしいのが、武装部隊による救出です。
研究施設では多くの人間が倒れ、エヴァも死んだように見せていました。そこへ別の集団が突入し、トーマスたちを連れ出します。
しかしエヴァが生存し、その後に第二段階を宣言した以上、少なくとも「WCKDが完全に敗北して実験が終わった」という見方はできません。
むしろ研究施設の惨状や救出劇まで含めて、被験者に「実験から逃れた」と思わせるための演出だった可能性が高くなります。
ただし、第1作だけでは救出に関わった全員の立場や計画の細部までは説明されません。
したがって、「救出もWCKDの計画内だった可能性が高い」までは読み取れても、すべての動きを断定するのは難しいというのが妥当でしょう。
迷路脱出はゴールではない
本作のラストで最も重要なのはここです。
観客もトーマスたちも、物語の大部分を「迷路から出れば自由になれる」と考えて見ています。
ところが実際には、迷路そのものがWCKDの計画の一部でした。
言い換えると、トーマスたちは檻の扉を開けただけで、その建物自体からは出ていなかったようなものです。
迷路を出たところから、本当の世界とWCKDをめぐる物語が始まります。
だから第1作は一本で完結する脱出映画というより、三部作全体の入口という性格がかなり濃い作品なんですね。
WCKDは悪の組織なのか

WCKDを単純な悪の組織と考えると分かりやすいのですが、本作は少し引っかかる余地を残しています。
彼らが行っていることは残酷です。しかし世界ではフレアが広がり、人類そのものが危機に陥っていると説明されています。
目的は人類を救うこと
WCKDの説明を信じるなら、研究の目的はフレアに対抗する方法を探すことです。
トーマスたちのような特別な若者を調べることで、人類を救える可能性があると考えています。
目的だけを見るなら「人類を救う研究」と言えるでしょう。
ところが問題は、そのために被験者へ真実を知らせず、記憶を奪い、実際に死者が出る環境へ送り込んでいることです。
目的のために犠牲を許している
グレードでは長い間に複数の少年が命を落とし、迷路脱出の際にも犠牲者が出ています。
フレアの研究にとって貴重な存在なら、なぜ死ぬ可能性がある実験を行うのかという疑問は当然残ります。
映画第1作だけでは、この方法でなければならない理由まで十分に示されません。
少なくとも分かるのは、WCKDが「人類を救う」という大義のためなら、個々の被験者へ大きな犠牲を求める組織だということです。
◆ふくろうのワンポイント
個人的には、WCKDの怖さは「世界を滅ぼしたい悪人」ではないところにあると思います。人類を救うというもっともらしい目的があるからこそ、「そのためなら何をしてもいいのか?」という問いが生まれるんですよね。
トーマスとギャリーの違い
『メイズ・ランナー』では、トーマスが主人公、ギャリーが対立人物として描かれます。
しかし二人を単純な善と悪に分けてしまうと、この作品の面白さが少し減ってしまいます。
トーマスは変化を選ぶ人物
トーマスはルールよりも、自分の目の前で起きていることを優先します。
アルビーとミンホが危険なら迷路へ飛び込み、グリーバーを倒せば内部を調べ、真実を知るためなら自分で毒まで受けます。
彼がいなければ、少年たちはずっとグレードにとどまっていたかもしれません。
その一方で、トーマスの行動にはかなり危ういところがあります。
自分だけでなく周囲まで危険へ巻き込むため、結果を知っている観客だから「正しかった」と言える部分もあるでしょう。
ギャリーの警戒にも理由がある
ギャリーはトーマスを信用せず、何度も彼の行動を止めようとします。
物語上は邪魔をする人物に見えますが、ギャリーは長い間グレードで生き残ってきました。
そこへ記憶を失った新入りが現れ、これまでの決まりを無視して次々と危険なことを始めるわけです。
しかも実際、トーマスが来たあとに供給が止まり、グリーバーが襲撃し、アルビーまで死亡しました。
ギャリーが「トーマスが原因なのではないか」と疑うのも、彼の立場からすれば理解できます。
二人の違いは、危険を承知で未知の世界へ進むか、不完全でも生きてこられた場所を守るかです。
あなたなら、どちらを選ぶでしょうか。
第1作だけでは残る謎
『メイズ・ランナー』を見終えたあとにモヤモヤしやすい理由は、映画内で答えが示されない疑問がいくつも残るからです。
ここでは「映画で分かること」と「第1作だけでは決められないこと」を分けて見ていきます。
ギャリーはどうやって来た?
特に気になるのが、研究施設へ突然現れたギャリーです。
トーマスたちはグリーバーと戦いながら出口へ向かい、暗証番号まで入力してようやく研究施設へ到着しています。
それなのにグレードへ残ったギャリーが短時間で追いついてきました。
彼がグリーバーに刺されていたことから、その後に迷路へ入ったことはうかがえます。
しかし、具体的にどの道を通り、どのように出口へ到達したのかは描写されません。
ギャリーの移動方法についてはいくつか考え方がありますが、映画第1作には決定的な説明がありません。描かれていない部分を事実として決めつけない方が作品を理解しやすいでしょう。
なぜ毒で記憶が戻る?
ベンやアルビー、そしてトーマスはグリーバーの毒によって過去の記憶と関係する反応を見せます。
そのため、毒が単に人間を殺傷するためだけのものではないことは分かります。
グリーバーそのものがWCKDによって用意された存在である以上、チェンジも実験と無関係とは考えにくいでしょう。
ただし、毒が脳へどのように作用し、なぜ記憶が戻るのかという詳しい仕組みは、第1作では説明されません。
なぜ巨大迷路が必要なのか
これも見終えたあとにかなり気になる部分です。
WCKDがフレアに対する研究をしたいだけなら、わざわざ巨大な迷路やグリーバーを作り、貴重な被験者を死なせる危険まで冒す必要があるのかという疑問が出ます。
映画内の説明から考えられるのは、WCKDが欲しかったのが単なる身体検査の結果ではなく、極限状態に置かれた若者の脳の反応だったということです。
恐怖、仲間との協力、裏切り、死、時間制限、戦闘。こうした状況を意図的に発生させるための環境として迷路が使われています。
それでも実験方法として合理的なのかという疑問までは解消されません。
なぜトーマスも送られた?
トーマスとテレサが過去にWCKD側へ関係していたことは、本作の大きな種明かしです。
しかし二人がなぜ今度は被験者になったのかは分かりません。
本人たちの記憶も完全ではなく、WCKDとの関係も断片的にしか描かれていないため、第1作を見ただけで過去をすべて理解することはできません。
ここは続編へ持ち越される謎の一つです。
救出部隊は本当に味方?
武装部隊が研究施設へ突入してトーマスたちを連れ出したため、一見するとWCKDと敵対する勢力にも見えます。
しかし最後にはエヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ります。
このため、第1作のラスト時点では「完全にWCKDから逃げた」とは考えられません。
救出後も実験が続いているという事実こそ、この場面で押さえておきたいポイントです。
第1作で分かる事実
ここまで多くの謎が出てきましたが、すべてが曖昧なわけではありません。
最後に混乱しないため、「第1作の映像から読み取れること」と「まだ答えが出ていないこと」を分けておきましょう。
| 項目 | 第1作で分かること |
|---|---|
| 迷路 | 少年たちを極限状態へ置くWCKDの実験環境 |
| グリーバー | WCKDと関係する人工的な存在 |
| トーマス | 過去にWCKD側と関係していた |
| テレサ | トーマスと同じくWCKDとの過去を持つ |
| フレア | 外の世界で人類を脅かしている感染症 |
| 被験者 | フレア研究において特別な存在として扱われている |
| エヴァ・ペイジ | 映像内の死は本当ではなく、ラストで生存している |
| 迷路脱出 | 実験そのものの終了を意味しない |
| 第二段階 | 迷路脱出後も実験が続くことを示している |
反対に、トーマスとテレサが被験者になった詳しい事情、ギャリーが研究施設へ到達した正確な経路、WCKDが行う研究の全貌などは第1作だけでは分かりません。
この線引きをしておくと、ラストを必要以上に難しく考えずに済みます。
◆ふくろうのワンポイント
『メイズ・ランナー』は、すべての謎を第1作で解こうとするとかなりモヤモヤします。むしろ「迷路の正体が分かったところで、もっと大きな謎が出てきた」という終わり方。一本の完結編というより、シリーズの世界を開く第1章として見ると納得しやすいですよ。
メイズ・ランナーのよくある質問
Q1. メイズ・ランナーはどんな話ですか?
A. 記憶を失ったトーマスたちが巨大迷路からの脱出を目指し、その過程で自分たちがWCKDによる実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。迷路を抜けること自体が物語の本当のゴールではありません。
Q2. メイズ・ランナーの最後はどういう意味ですか?
A. トーマスたちは迷路から脱出しましたが、WCKDの実験から逃げ切ったわけではありません。エヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ることで、迷路脱出後も計画が続いていると分かります。
Q3. エヴァ・ペイジは最後に死んだのですか?
A. 死んでいません。研究施設で流された映像では死んだように見えますが、ラストで生存している姿が映ります。そのため、少なくともエヴァの死は偽装だったことが分かります。
Q4. ギャリーはどうやって研究施設まで来たのですか?
A. 映画第1作では正確な経路が描かれていません。ギャリーがグリーバーに刺された状態で現れることは確認できますが、どのように迷路を突破してトーマスたちへ追いついたのかは、映画内では明確になっていません。
Q5. チャックはなぜ死亡したのですか?
A. グリーバーの毒で錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向け、発砲された際にチャックがトーマスをかばったためです。迷路脱出直後の死によって、「迷路を出ればすべて解決するわけではない」と示す重要な場面にもなっています。
メイズ・ランナーのネタバレまとめ
『メイズ・ランナー』第1作は、巨大迷路からの脱出を目指すサバイバル映画として始まり、最後にはWCKDによる大規模な実験の物語だったことが明らかになります。
つまり、本作の結末をひと言で表すなら、「迷路からは脱出したが、WCKDが作った巨大な計画からはまだ脱出していない」ということです。
トーマスたちが命懸けで突破した迷路は、物語全体から見れば最初の試練にすぎませんでした。
そして印象的なのが、トーマスとギャリーの対立です。
危険でも現状を変えようとするトーマスと、長く生き延びてきた環境を守ろうとするギャリー。結果だけを見ればトーマスが正しかったように映りますが、ギャリーの警戒にも理由はありました。
そのうえ、ようやく迷路を攻略した直後にチャックを失い、救出されたと思った瞬間には「第二段階」が始まる。
迷路を脱出することがゴールではなく、迷路そのものが巨大な計画の入口だった。
この事実を明かしたところで第1作は終わります。
だからこそ『メイズ・ランナー』は、すっきり完結する脱出映画ではありません。迷路の外にもっと大きな世界が存在すると見せ、トーマスたちとWCKDの本当の戦いへつなげる物語なのです。
- メイズ・ランナーがどんな話なのか
- 迷路を脱出するまでのネタバレあらすじ
- チャックの死から救出までの結末
- WCKDの目的とラストに残る謎
- トーマスたちは記憶を消されてグレードへ送られていた
- 迷路とグリーバーはWCKDが関わる実験環境だった
- トーマスとテレサは過去にWCKD側と関係していた
- 迷路の先には少年たちを監視する研究施設があった
- 世界ではフレアが広がり、人類が危機に陥っていた
- ギャリーの発砲によってチャックが死亡した
- 死んだように見えたエヴァ・ペイジは生きていた
- 迷路を脱出しても実験は第二段階へ続いていた
- メイズ・ランナーがどんな話なのか
- 迷路を脱出するまでのネタバレあらすじ
- チャックの死から救出までの結末
- WCKDの目的とラストに残る謎
- トーマスたちは記憶を消されてグレードへ送られていた
- 迷路とグリーバーはWCKDが関わる実験環境だった
- トーマスとテレサは過去にWCKD側と関係していた
- 迷路の先には少年たちを監視する研究施設があった
- 世界ではフレアが広がり、人類が危機に陥っていた
- ギャリーの発砲によってチャックが死亡した
- 死んだように見えたエヴァ・ペイジは生きていた
- 迷路を脱出しても実験は第二段階へ続いていた
[/st-mybox]
ここから先は映画『メイズ・ランナー』第1作の結末まで触れています。未鑑賞の方はネタバレにご注意ください。
メイズ・ランナーはどんな話?
最初に作品全体をひと言で表すなら、記憶を失った若者たちが巨大迷路から脱出し、自分たちが人体実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。
ただし、タイトルから想像するような「迷路の謎を解き続ける映画」だけではありません。グレードと呼ばれる集落での共同生活、少年たちの対立、グリーバーとの戦闘、そして彼らを閉じ込めた組織WCKDの存在へと話が広がっていきます。
作品の基本情報
| 作品名 | メイズ・ランナー |
|---|---|
| 原題 | The Maze Runner |
| 製作年 | 2014年 |
| ジャンル | SF・サバイバル・アクション |
| 監督 | ウェス・ボール |
| 原作 | ジェームズ・ダシュナー |
| トーマス | ディラン・オブライエン |
| テレサ | カヤ・スコデラリオ |
| ニュート | トーマス・ブロディ=サングスター |
| ギャリー | ウィル・ポールター |
| ミンホ | キー・ホン・リー |
巨大迷路に閉じ込められた少年たち
主人公トーマスが目を覚ますのは、上昇していく貨物用エレベーターのような箱の中です。自分が何者なのか分からず、過去の記憶もありません。
箱が到着した場所には草原のような空間があり、多くの少年たちが共同生活を送っていました。彼らはこの場所を「グレード」と呼んでいます。
周囲には巨大な壁。その向こうには広大な迷路があり、昼になると入口が開き、夜になると閉じます。
しかも夜の迷路には、機械と生物が組み合わさったような怪物「グリーバー」が出現。これまで夜の迷路に閉じ込められて生きて帰った者はいません。
つまり序盤の状況はかなり単純です。少年たちは記憶を奪われ、理由も知らされないまま巨大迷路の内側で暮らしており、出口を見つけられずにいます。
メイズ・ランナーのネタバレあらすじ

ここからはトーマスがグレードへ到着してから、迷路脱出への道筋が見えてくるまでを追っていきます。
物語を理解するうえで大切なのは、トーマスが来てから偶然事件が続いたというより、彼の到着を境に、それまで保たれていたグレードの仕組みが崩れ始めるところです。
トーマスがグレードへ到着
グレードではアルビーを中心に、ニュート、ミンホ、ギャリー、チャックたちが役割を分担して生活していました。
新しい少年と物資は定期的に箱で送られてきます。全員が過去をほとんど覚えていませんが、自分の名前だけは時間が経つと思い出せるようです。
少年たちはただ助けを待っていたわけではありません。足が速く迷路へ入ることを許された「ランナー」たちが、昼間に内部を調べて地図を作り続けていました。
その中心人物がミンホです。
ところが迷路は夜になると構造が変わり、何年調べても外へ出る道が見つかりません。だからこそ、グレードでは「決められた規則を守って生き残ること」が何より重視されていました。
そんな中でトーマスだけは、到着直後から迷路に異様なほど引きつけられていきます。
ベンがチェンジして襲いかかる
やがて少年ベンがトーマスへ襲いかかります。
ベンはグリーバーに刺されており、「チェンジ」と呼ばれる異常な状態になっていました。精神状態が不安定となり、トーマスを知っているような反応まで見せます。
しかし、この段階のトーマスには理由が分かりません。
グレードの仲間を危険にさらしたベンは、最終的に夜の迷路へ追放されました。かなり残酷な処置ですが、少年たちが長く生き残るために作った規則でもあります。
ここで覚えておきたいのが、グリーバーの毒を受けた人物には過去の記憶らしきものが戻ることです。後半のトーマスの行動につながってきます。
トーマスが夜の迷路へ飛び込む
ある日、アルビーとミンホが迷路から戻れなくなります。
入口が閉まる直前、負傷したアルビーを支えながら必死に戻ってくるミンホが見えました。しかし、このままでは間に合いません。
そこでトーマスは、まだランナーですらないのに迷路へ飛び込みます。
当然ながら無茶な行動です。入口はそのまま閉まり、トーマス、ミンホ、アルビーはグリーバーがうろつく夜の迷路へ取り残されました。
それでもトーマスは動く壁を利用し、グリーバーを押し潰すことに成功します。
誰も生きて帰れなかった夜の迷路から三人は生還。トーマスは一気に注目され、ミンホからもランナーとして認められるようになりました。
◆ふくろうのワンポイント
ここでトーマスを「勇敢な主人公」と見ることもできますが、私は少し違って見ています。彼は仲間を助ける勇気がある一方、成功する保証がないまま飛び込む人物でもあります。この勇気と無鉄砲さが紙一重なところが、後のギャリーとの対立にもつながっていきます。
最後の新入りテレサが来る
トーマスの到着後、それまでの周期を無視して再び箱が上がってきます。
中にいたのは、グレードへ送られてきた初めての女性テレサでした。
しかも彼女には「彼女で最後」という意味のメッセージが添えられています。
さらに意識を失っているテレサは、なぜか「トーマス」と彼の名前を口にしました。
二人が過去に接点を持っていたことは明らかです。そしてテレサは「WCKD」の文字が入った薬も持っていました。
新しい人間も物資も今後は来ない。ここからグレードの状況は急速に変化していきます。
グリーバーから機械を発見
トーマスとミンホは、夜の迷路で倒したグリーバーを調べます。
そこで見つかったのが、体内に組み込まれたWCKDの文字がある機械です。
この発見でグリーバーが自然界の怪物ではなく、人の手で作られた存在である可能性が一気に高まりました。
さらに機械は迷路そのものとも連動しており、それまで入れなかった区画へ進む手掛かりになります。
迷路を作った者、グリーバーを作った者、少年たちを送ってきた者。そのすべての背後に同じ存在がいるのではないか。物語は単なる脱出劇から、実験施設の謎へ踏み込んでいきます。
グリーバーがグレードを襲う
ところが、トーマスたちが迷路の仕組みに近づいた直後、これまで夜になると閉じていた入口が閉まらなくなります。
大量のグリーバーがグレードへ侵入し、少年たちを襲撃しました。
多くの犠牲者が出る中、リーダーのアルビーもチャックを助けようとして命を落とします。
これまで何年も続いていたグレードの生活は完全に崩れました。
そしてギャリーは、「トーマスが来てからすべてがおかしくなった」と彼を責めます。
これは単なる言いがかりとも言い切れません。トーマスが行動したことで出口へ近づいた一方、彼が来てからグレードの環境が激変したのも確かだからです。
結末へ向かうトーマスの決断

グリーバーの襲撃によって、グレードに残っていれば安全という前提は崩れました。
ここからトーマスは、自分が何者なのかを確かめ、仲間たちと迷路を突破するため、さらに危険な選択へ進みます。
トーマスが自ら毒を受ける
トーマスはベンやアルビーがグリーバーに刺されたあと、過去に関する記憶を取り戻していたことに気づきます。
そこで自分自身もグリーバーの毒を受け、失った記憶を呼び戻そうとします。
かなり危険な方法ですが、テレサが持ってきたWCKDの薬を使ったことでトーマスは回復しました。
そして、思い出した内容は衝撃的なものです。
トーマスとテレサはWCKD側だった
トーマスは、自分とテレサが以前WCKDと関わっていたことを思い出します。
二人は最初から何も知らない被害者だったわけではありません。少なくとも過去には、少年たちを迷路へ送り込む側に関係していました。
だからベンやアルビーは、チェンジによって記憶の一部が戻った際、トーマスを見て反応したのでしょう。
ただし第1作の時点では、なぜWCKD側にいたトーマスとテレサ自身まで記憶を消され、迷路へ送り込まれたのかまでは分かりません。
ここは「トーマスが黒幕だった」という意味ではありません。過去にWCKDと関わっていた事実は分かりますが、彼が計画全体についてどこまで知っていたのか、第1作だけでは判断できない部分が残されています。
ギャリーとトーマスが決裂
トーマスは仲間たちに、迷路から脱出しようと訴えます。
しかしギャリーは反対しました。
ギャリーから見れば、グレードは危険があっても何年間も生き延びられた場所です。迷路の先に何があるのか分からない以上、わざわざ死ぬ可能性のある道へ進む必要はないと考えます。
一方のトーマスは、グリーバーが侵入してきた以上、もう以前の生活には戻れないと判断しました。
結果として少年たちは二つに分かれます。
トーマス、テレサ、ニュート、ミンホ、チャックらは脱出を選び、ギャリーたちはグレードへ残る道を選びました。
迷路の出口を突破する
トーマスたちはランナーが長期間記録してきた迷路の変化を使い、脱出口を目指します。
途中ではグリーバーとの激しい戦闘が発生。仲間を失いながらも奥へ進み、迷路の変化から導いた8桁のコードを入力します。
ついに扉が開きました。
ところが、その先に広がっていたのは青空でも外の世界でもありません。
迷路の出口は、少年たちを監視していた研究施設につながっていたのです。
メイズ・ランナーの最後と結末

ここからが『メイズ・ランナー』第1作で最も重要な部分です。
迷路を突破した時点ではまだ結末ではありません。研究施設でWCKDの目的が明かされ、チャックが死亡し、その後の「救出」さえ疑わしくなるところまでが本作のラストです。
迷路の先は研究施設だった
研究施設には研究者らしき人々が倒れており、まるで何者かに襲撃された後のようになっていました。
施設内のモニターには、少年たちが暮らしていたグレードの映像が映し出されています。
ここでトーマスたちは、自分たちがずっと監視されていたと知りました。
やがてモニターにWCKDの責任者エヴァ・ペイジが登場します。
彼女の説明によって、迷路よりはるかに大きな世界の事情が明らかになります。
世界ではフレアが広がっていた
トーマスたちの知らない外の世界は、大規模な災害によって荒廃していました。
さらに「フレア」と呼ばれる感染症が広がり、人類は壊滅的な危機に直面しています。
ところが若者の中には、フレアに対して特別な性質を持つ者が存在しました。
WCKDは彼らを集め、極限状態に置いた際の脳の反応などを調べていたというのです。
つまりトーマスたちが暮らしていたグレードも、巨大な迷路も、グリーバーも、偶然存在した危険地帯ではなくWCKDによって用意された実験環境でした。
ここが第1作最大の種明かしです。少年たちは迷路に偶然閉じ込められたのではありません。恐怖、戦闘、仲間との協力、喪失、決断といった状況へ追い込むため、意図的に配置されていました。
ギャリーが突然現れる
エヴァ・ペイジの映像が終わったあと、思わぬ人物が研究施設へ現れます。
グレードへ残ったはずのギャリーです。
しかも彼はグリーバーに刺された影響で錯乱しており、トーマスへ銃を向けます。
ここは第1作でも特に疑問が残る場面です。
トーマスたちが激しい戦闘をしながらようやく突破した迷路を、ギャリーがいつ、どのような方法で抜けたのかは映画内では描かれません。
グリーバーとの接触を示す状態ではありますが、移動経路については断定できません。
チャックがトーマスをかばって死亡
錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向けると、ミンホがギャリーを攻撃します。
しかし、その瞬間に銃弾が発射されました。
弾丸はトーマスをかばったチャックに命中します。
まだ幼さの残るチャックは、トーマスにとってグレードで最も身近な存在の一人でした。
以前チャックは家族へ渡したい物をトーマスへ託そうとしていましたが、トーマスは「自分で渡せ」と返しています。その約束も叶わないまま、チャックは命を落としました。
迷路を脱出した直後にチャックが死ぬのは残酷ですが、この場面によって「迷路を出れば全員助かる」という期待は完全に壊されます。
武装部隊がトーマスたちを救出
その直後、武装した部隊が研究施設へ突入してきます。
トーマスたちは施設から連れ出され、ヘリコプターに乗せられました。
上空から見えるのは、彼らが長い時間を過ごしてきた巨大迷路の全景。
地上には荒れ果てた世界が広がっています。
ここだけを見ると、WCKDの研究施設が別の勢力によって襲撃され、トーマスたちはようやく救出されたように思えるでしょう。
しかし、映画はそこで終わりません。
エヴァ・ペイジは生きていた
最後に映し出されるのは、先ほど映像内で死んだように見えたエヴァ・ペイジです。
彼女は生きていました。
少なくともエヴァの死は偽装であり、研究施設で起きていた出来事にも芝居が含まれていたことになります。
さらにエヴァは、被験者たちが予想以上の成果を出したとして、実験を第二段階へ進めることを示します。
つまりヘリコプターに乗せられたトーマスたちは、WCKDの支配から逃げ切ったわけではありません。
迷路脱出後も、彼らは巨大な実験の中にいる。
これが『メイズ・ランナー』第1作の結末です。
メイズ・ランナーのラストの意味
ラストを理解するときに大切なのは、「迷路から脱出できたか」だけを見ないことです。
トーマスたちは確かに迷路を攻略しました。しかし物語全体で見ると、彼らはWCKDが用意した一つ目の環境を突破したにすぎません。
迷路そのものが実験装置だった
巨大な壁、毎晩変化する通路、グリーバー、グレードでの共同生活。そのすべては独立した出来事ではありません。
WCKDの実験という視点で見ると、一つにつながります。
若者たちを安全な研究室へ置くだけでは、死への恐怖や仲間を失う体験、限られた時間での判断、集団内での対立までは作れません。
そこでWCKDは迷路という閉鎖環境を用意し、被験者を極限状態へ追い込んだと考えられます。
グリーバーも単なる番人ではなく、その環境を成立させるために作られた存在なのでしょう。
だから迷路は「解かなければならないパズル」であると同時に、被験者へ恐怖と選択を与える巨大な実験装置でもあります。
救出も実験の一部だったのか
ラストで最もややこしいのが、武装部隊による救出です。
研究施設では多くの人間が倒れ、エヴァも死んだように見せていました。そこへ別の集団が突入し、トーマスたちを連れ出します。
しかしエヴァが生存し、その後に第二段階を宣言した以上、少なくとも「WCKDが完全に敗北して実験が終わった」という見方はできません。
むしろ研究施設の惨状や救出劇まで含めて、被験者に「実験から逃れた」と思わせるための演出だった可能性が高くなります。
ただし、第1作だけでは救出に関わった全員の立場や計画の細部までは説明されません。
したがって、「救出もWCKDの計画内だった可能性が高い」までは読み取れても、すべての動きを断定するのは難しいというのが妥当でしょう。
迷路脱出はゴールではない
本作のラストで最も重要なのはここです。
観客もトーマスたちも、物語の大部分を「迷路から出れば自由になれる」と考えて見ています。
ところが実際には、迷路そのものがWCKDの計画の一部でした。
言い換えると、トーマスたちは檻の扉を開けただけで、その建物自体からは出ていなかったようなものです。
迷路を出たところから、本当の世界とWCKDをめぐる物語が始まります。
だから第1作は一本で完結する脱出映画というより、三部作全体の入口という性格がかなり濃い作品なんですね。
WCKDは悪の組織なのか

WCKDを単純な悪の組織と考えると分かりやすいのですが、本作は少し引っかかる余地を残しています。
彼らが行っていることは残酷です。しかし世界ではフレアが広がり、人類そのものが危機に陥っていると説明されています。
目的は人類を救うこと
WCKDの説明を信じるなら、研究の目的はフレアに対抗する方法を探すことです。
トーマスたちのような特別な若者を調べることで、人類を救える可能性があると考えています。
目的だけを見るなら「人類を救う研究」と言えるでしょう。
ところが問題は、そのために被験者へ真実を知らせず、記憶を奪い、実際に死者が出る環境へ送り込んでいることです。
目的のために犠牲を許している
グレードでは長い間に複数の少年が命を落とし、迷路脱出の際にも犠牲者が出ています。
フレアの研究にとって貴重な存在なら、なぜ死ぬ可能性がある実験を行うのかという疑問は当然残ります。
映画第1作だけでは、この方法でなければならない理由まで十分に示されません。
少なくとも分かるのは、WCKDが「人類を救う」という大義のためなら、個々の被験者へ大きな犠牲を求める組織だということです。
◆ふくろうのワンポイント
個人的には、WCKDの怖さは「世界を滅ぼしたい悪人」ではないところにあると思います。人類を救うというもっともらしい目的があるからこそ、「そのためなら何をしてもいいのか?」という問いが生まれるんですよね。
トーマスとギャリーの違い
『メイズ・ランナー』では、トーマスが主人公、ギャリーが対立人物として描かれます。
しかし二人を単純な善と悪に分けてしまうと、この作品の面白さが少し減ってしまいます。
トーマスは変化を選ぶ人物
トーマスはルールよりも、自分の目の前で起きていることを優先します。
アルビーとミンホが危険なら迷路へ飛び込み、グリーバーを倒せば内部を調べ、真実を知るためなら自分で毒まで受けます。
彼がいなければ、少年たちはずっとグレードにとどまっていたかもしれません。
その一方で、トーマスの行動にはかなり危ういところがあります。
自分だけでなく周囲まで危険へ巻き込むため、結果を知っている観客だから「正しかった」と言える部分もあるでしょう。
ギャリーの警戒にも理由がある
ギャリーはトーマスを信用せず、何度も彼の行動を止めようとします。
物語上は邪魔をする人物に見えますが、ギャリーは長い間グレードで生き残ってきました。
そこへ記憶を失った新入りが現れ、これまでの決まりを無視して次々と危険なことを始めるわけです。
しかも実際、トーマスが来たあとに供給が止まり、グリーバーが襲撃し、アルビーまで死亡しました。
ギャリーが「トーマスが原因なのではないか」と疑うのも、彼の立場からすれば理解できます。
二人の違いは、危険を承知で未知の世界へ進むか、不完全でも生きてこられた場所を守るかです。
あなたなら、どちらを選ぶでしょうか。
第1作だけでは残る謎
『メイズ・ランナー』を見終えたあとにモヤモヤしやすい理由は、映画内で答えが示されない疑問がいくつも残るからです。
ここでは「映画で分かること」と「第1作だけでは決められないこと」を分けて見ていきます。
ギャリーはどうやって来た?
特に気になるのが、研究施設へ突然現れたギャリーです。
トーマスたちはグリーバーと戦いながら出口へ向かい、暗証番号まで入力してようやく研究施設へ到着しています。
それなのにグレードへ残ったギャリーが短時間で追いついてきました。
彼がグリーバーに刺されていたことから、その後に迷路へ入ったことはうかがえます。
しかし、具体的にどの道を通り、どのように出口へ到達したのかは描写されません。
ギャリーの移動方法についてはいくつか考え方がありますが、映画第1作には決定的な説明がありません。描かれていない部分を事実として決めつけない方が作品を理解しやすいでしょう。
なぜ毒で記憶が戻る?
ベンやアルビー、そしてトーマスはグリーバーの毒によって過去の記憶と関係する反応を見せます。
そのため、毒が単に人間を殺傷するためだけのものではないことは分かります。
グリーバーそのものがWCKDによって用意された存在である以上、チェンジも実験と無関係とは考えにくいでしょう。
ただし、毒が脳へどのように作用し、なぜ記憶が戻るのかという詳しい仕組みは、第1作では説明されません。
なぜ巨大迷路が必要なのか
これも見終えたあとにかなり気になる部分です。
WCKDがフレアに対する研究をしたいだけなら、わざわざ巨大な迷路やグリーバーを作り、貴重な被験者を死なせる危険まで冒す必要があるのかという疑問が出ます。
映画内の説明から考えられるのは、WCKDが欲しかったのが単なる身体検査の結果ではなく、極限状態に置かれた若者の脳の反応だったということです。
恐怖、仲間との協力、裏切り、死、時間制限、戦闘。こうした状況を意図的に発生させるための環境として迷路が使われています。
それでも実験方法として合理的なのかという疑問までは解消されません。
なぜトーマスも送られた?
トーマスとテレサが過去にWCKD側へ関係していたことは、本作の大きな種明かしです。
しかし二人がなぜ今度は被験者になったのかは分かりません。
本人たちの記憶も完全ではなく、WCKDとの関係も断片的にしか描かれていないため、第1作を見ただけで過去をすべて理解することはできません。
ここは続編へ持ち越される謎の一つです。
救出部隊は本当に味方?
武装部隊が研究施設へ突入してトーマスたちを連れ出したため、一見するとWCKDと敵対する勢力にも見えます。
しかし最後にはエヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ります。
このため、第1作のラスト時点では「完全にWCKDから逃げた」とは考えられません。
救出後も実験が続いているという事実こそ、この場面で押さえておきたいポイントです。
第1作で分かる事実
ここまで多くの謎が出てきましたが、すべてが曖昧なわけではありません。
最後に混乱しないため、「第1作の映像から読み取れること」と「まだ答えが出ていないこと」を分けておきましょう。
| 項目 | 第1作で分かること |
|---|---|
| 迷路 | 少年たちを極限状態へ置くWCKDの実験環境 |
| グリーバー | WCKDと関係する人工的な存在 |
| トーマス | 過去にWCKD側と関係していた |
| テレサ | トーマスと同じくWCKDとの過去を持つ |
| フレア | 外の世界で人類を脅かしている感染症 |
| 被験者 | フレア研究において特別な存在として扱われている |
| エヴァ・ペイジ | 映像内の死は本当ではなく、ラストで生存している |
| 迷路脱出 | 実験そのものの終了を意味しない |
| 第二段階 | 迷路脱出後も実験が続くことを示している |
反対に、トーマスとテレサが被験者になった詳しい事情、ギャリーが研究施設へ到達した正確な経路、WCKDが行う研究の全貌などは第1作だけでは分かりません。
この線引きをしておくと、ラストを必要以上に難しく考えずに済みます。
◆ふくろうのワンポイント
『メイズ・ランナー』は、すべての謎を第1作で解こうとするとかなりモヤモヤします。むしろ「迷路の正体が分かったところで、もっと大きな謎が出てきた」という終わり方。一本の完結編というより、シリーズの世界を開く第1章として見ると納得しやすいですよ。
メイズ・ランナーのよくある質問
Q1. メイズ・ランナーはどんな話ですか?
A. 記憶を失ったトーマスたちが巨大迷路からの脱出を目指し、その過程で自分たちがWCKDによる実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。迷路を抜けること自体が物語の本当のゴールではありません。
Q2. メイズ・ランナーの最後はどういう意味ですか?
A. トーマスたちは迷路から脱出しましたが、WCKDの実験から逃げ切ったわけではありません。エヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ることで、迷路脱出後も計画が続いていると分かります。
Q3. エヴァ・ペイジは最後に死んだのですか?
A. 死んでいません。研究施設で流された映像では死んだように見えますが、ラストで生存している姿が映ります。そのため、少なくともエヴァの死は偽装だったことが分かります。
Q4. ギャリーはどうやって研究施設まで来たのですか?
A. 映画第1作では正確な経路が描かれていません。ギャリーがグリーバーに刺された状態で現れることは確認できますが、どのように迷路を突破してトーマスたちへ追いついたのかは、映画内では明確になっていません。
Q5. チャックはなぜ死亡したのですか?
A. グリーバーの毒で錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向け、発砲された際にチャックがトーマスをかばったためです。迷路脱出直後の死によって、「迷路を出ればすべて解決するわけではない」と示す重要な場面にもなっています。
メイズ・ランナーのネタバレまとめ
『メイズ・ランナー』第1作は、巨大迷路からの脱出を目指すサバイバル映画として始まり、最後にはWCKDによる大規模な実験の物語だったことが明らかになります。
つまり、本作の結末をひと言で表すなら、「迷路からは脱出したが、WCKDが作った巨大な計画からはまだ脱出していない」ということです。
トーマスたちが命懸けで突破した迷路は、物語全体から見れば最初の試練にすぎませんでした。
そして印象的なのが、トーマスとギャリーの対立です。
危険でも現状を変えようとするトーマスと、長く生き延びてきた環境を守ろうとするギャリー。結果だけを見ればトーマスが正しかったように映りますが、ギャリーの警戒にも理由はありました。
そのうえ、ようやく迷路を攻略した直後にチャックを失い、救出されたと思った瞬間には「第二段階」が始まる。
迷路を脱出することがゴールではなく、迷路そのものが巨大な計画の入口だった。
この事実を明かしたところで第1作は終わります。
だからこそ『メイズ・ランナー』は、すっきり完結する脱出映画ではありません。迷路の外にもっと大きな世界が存在すると見せ、トーマスたちとWCKDの本当の戦いへつなげる物語なのです。

こんにちは、物語の知恵袋のふくろうです。
映画『メイズ・ランナー』は、「巨大な迷路から脱出する映画」と思って見始めると、終盤で物語の見え方がガラッと変わります。
迷路を抜けた先に待っているのは自由ではなく研究施設。そこでトーマスたちは、自分たちがなぜ記憶を消され、危険な迷路へ入れられたのかを知ることになります。
さらに、チャックの死、エヴァ・ペイジの映像、突然現れる武装集団、ヘリコプターでの救出、そして死んだはずのエヴァが生きている最後の場面まで一気に続くため、「結局、誰が味方で何が本当だったの?」と置いていかれやすいんですよね。
この記事では第1作に範囲を絞り、ネタバレ込みのあらすじから結末、ラストが意味していることまで順番に追っていきます。
この記事でわかること
ここから先は映画『メイズ・ランナー』第1作の結末まで触れています。未鑑賞の方はネタバレにご注意ください。
メイズ・ランナーはどんな話?
最初に作品全体をひと言で表すなら、記憶を失った若者たちが巨大迷路から脱出し、自分たちが人体実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。
ただし、タイトルから想像するような「迷路の謎を解き続ける映画」だけではありません。グレードと呼ばれる集落での共同生活、少年たちの対立、グリーバーとの戦闘、そして彼らを閉じ込めた組織WCKDの存在へと話が広がっていきます。
作品の基本情報
| 作品名 | メイズ・ランナー |
|---|---|
| 原題 | The Maze Runner |
| 製作年 | 2014年 |
| ジャンル | SF・サバイバル・アクション |
| 監督 | ウェス・ボール |
| 原作 | ジェームズ・ダシュナー |
| トーマス | ディラン・オブライエン |
| テレサ | カヤ・スコデラリオ |
| ニュート | トーマス・ブロディ=サングスター |
| ギャリー | ウィル・ポールター |
| ミンホ | キー・ホン・リー |
巨大迷路に閉じ込められた少年たち
主人公トーマスが目を覚ますのは、上昇していく貨物用エレベーターのような箱の中です。自分が何者なのか分からず、過去の記憶もありません。
箱が到着した場所には草原のような空間があり、多くの少年たちが共同生活を送っていました。彼らはこの場所を「グレード」と呼んでいます。
周囲には巨大な壁。その向こうには広大な迷路があり、昼になると入口が開き、夜になると閉じます。
しかも夜の迷路には、機械と生物が組み合わさったような怪物「グリーバー」が出現。これまで夜の迷路に閉じ込められて生きて帰った者はいません。
つまり序盤の状況はかなり単純です。少年たちは記憶を奪われ、理由も知らされないまま巨大迷路の内側で暮らしており、出口を見つけられずにいます。
メイズ・ランナーのネタバレあらすじ

ここからはトーマスがグレードへ到着してから、迷路脱出への道筋が見えてくるまでを追っていきます。
物語を理解するうえで大切なのは、トーマスが来てから偶然事件が続いたというより、彼の到着を境に、それまで保たれていたグレードの仕組みが崩れ始めるところです。
トーマスがグレードへ到着
グレードではアルビーを中心に、ニュート、ミンホ、ギャリー、チャックたちが役割を分担して生活していました。
新しい少年と物資は定期的に箱で送られてきます。全員が過去をほとんど覚えていませんが、自分の名前だけは時間が経つと思い出せるようです。
少年たちはただ助けを待っていたわけではありません。足が速く迷路へ入ることを許された「ランナー」たちが、昼間に内部を調べて地図を作り続けていました。
その中心人物がミンホです。
ところが迷路は夜になると構造が変わり、何年調べても外へ出る道が見つかりません。だからこそ、グレードでは「決められた規則を守って生き残ること」が何より重視されていました。
そんな中でトーマスだけは、到着直後から迷路に異様なほど引きつけられていきます。
ベンがチェンジして襲いかかる
やがて少年ベンがトーマスへ襲いかかります。
ベンはグリーバーに刺されており、「チェンジ」と呼ばれる異常な状態になっていました。精神状態が不安定となり、トーマスを知っているような反応まで見せます。
しかし、この段階のトーマスには理由が分かりません。
グレードの仲間を危険にさらしたベンは、最終的に夜の迷路へ追放されました。かなり残酷な処置ですが、少年たちが長く生き残るために作った規則でもあります。
ここで覚えておきたいのが、グリーバーの毒を受けた人物には過去の記憶らしきものが戻ることです。後半のトーマスの行動につながってきます。
トーマスが夜の迷路へ飛び込む
ある日、アルビーとミンホが迷路から戻れなくなります。
入口が閉まる直前、負傷したアルビーを支えながら必死に戻ってくるミンホが見えました。しかし、このままでは間に合いません。
そこでトーマスは、まだランナーですらないのに迷路へ飛び込みます。
当然ながら無茶な行動です。入口はそのまま閉まり、トーマス、ミンホ、アルビーはグリーバーがうろつく夜の迷路へ取り残されました。
それでもトーマスは動く壁を利用し、グリーバーを押し潰すことに成功します。
誰も生きて帰れなかった夜の迷路から三人は生還。トーマスは一気に注目され、ミンホからもランナーとして認められるようになりました。
◆ふくろうのワンポイント
ここでトーマスを「勇敢な主人公」と見ることもできますが、私は少し違って見ています。彼は仲間を助ける勇気がある一方、成功する保証がないまま飛び込む人物でもあります。この勇気と無鉄砲さが紙一重なところが、後のギャリーとの対立にもつながっていきます。
最後の新入りテレサが来る
トーマスの到着後、それまでの周期を無視して再び箱が上がってきます。
中にいたのは、グレードへ送られてきた初めての女性テレサでした。
しかも彼女には「彼女で最後」という意味のメッセージが添えられています。
さらに意識を失っているテレサは、なぜか「トーマス」と彼の名前を口にしました。
二人が過去に接点を持っていたことは明らかです。そしてテレサは「WCKD」の文字が入った薬も持っていました。
新しい人間も物資も今後は来ない。ここからグレードの状況は急速に変化していきます。
グリーバーから機械を発見
トーマスとミンホは、夜の迷路で倒したグリーバーを調べます。
そこで見つかったのが、体内に組み込まれたWCKDの文字がある機械です。
この発見でグリーバーが自然界の怪物ではなく、人の手で作られた存在である可能性が一気に高まりました。
さらに機械は迷路そのものとも連動しており、それまで入れなかった区画へ進む手掛かりになります。
迷路を作った者、グリーバーを作った者、少年たちを送ってきた者。そのすべての背後に同じ存在がいるのではないか。物語は単なる脱出劇から、実験施設の謎へ踏み込んでいきます。
グリーバーがグレードを襲う
ところが、トーマスたちが迷路の仕組みに近づいた直後、これまで夜になると閉じていた入口が閉まらなくなります。
大量のグリーバーがグレードへ侵入し、少年たちを襲撃しました。
多くの犠牲者が出る中、リーダーのアルビーもチャックを助けようとして命を落とします。
これまで何年も続いていたグレードの生活は完全に崩れました。
そしてギャリーは、「トーマスが来てからすべてがおかしくなった」と彼を責めます。
これは単なる言いがかりとも言い切れません。トーマスが行動したことで出口へ近づいた一方、彼が来てからグレードの環境が激変したのも確かだからです。
結末へ向かうトーマスの決断

グリーバーの襲撃によって、グレードに残っていれば安全という前提は崩れました。
ここからトーマスは、自分が何者なのかを確かめ、仲間たちと迷路を突破するため、さらに危険な選択へ進みます。
トーマスが自ら毒を受ける
トーマスはベンやアルビーがグリーバーに刺されたあと、過去に関する記憶を取り戻していたことに気づきます。
そこで自分自身もグリーバーの毒を受け、失った記憶を呼び戻そうとします。
かなり危険な方法ですが、テレサが持ってきたWCKDの薬を使ったことでトーマスは回復しました。
そして、思い出した内容は衝撃的なものです。
トーマスとテレサはWCKD側だった
トーマスは、自分とテレサが以前WCKDと関わっていたことを思い出します。
二人は最初から何も知らない被害者だったわけではありません。少なくとも過去には、少年たちを迷路へ送り込む側に関係していました。
だからベンやアルビーは、チェンジによって記憶の一部が戻った際、トーマスを見て反応したのでしょう。
ただし第1作の時点では、なぜWCKD側にいたトーマスとテレサ自身まで記憶を消され、迷路へ送り込まれたのかまでは分かりません。
ここは「トーマスが黒幕だった」という意味ではありません。過去にWCKDと関わっていた事実は分かりますが、彼が計画全体についてどこまで知っていたのか、第1作だけでは判断できない部分が残されています。
ギャリーとトーマスが決裂
トーマスは仲間たちに、迷路から脱出しようと訴えます。
しかしギャリーは反対しました。
ギャリーから見れば、グレードは危険があっても何年間も生き延びられた場所です。迷路の先に何があるのか分からない以上、わざわざ死ぬ可能性のある道へ進む必要はないと考えます。
一方のトーマスは、グリーバーが侵入してきた以上、もう以前の生活には戻れないと判断しました。
結果として少年たちは二つに分かれます。
トーマス、テレサ、ニュート、ミンホ、チャックらは脱出を選び、ギャリーたちはグレードへ残る道を選びました。
迷路の出口を突破する
トーマスたちはランナーが長期間記録してきた迷路の変化を使い、脱出口を目指します。
途中ではグリーバーとの激しい戦闘が発生。仲間を失いながらも奥へ進み、迷路の変化から導いた8桁のコードを入力します。
ついに扉が開きました。
ところが、その先に広がっていたのは青空でも外の世界でもありません。
迷路の出口は、少年たちを監視していた研究施設につながっていたのです。
メイズ・ランナーの最後と結末

ここからが『メイズ・ランナー』第1作で最も重要な部分です。
迷路を突破した時点ではまだ結末ではありません。研究施設でWCKDの目的が明かされ、チャックが死亡し、その後の「救出」さえ疑わしくなるところまでが本作のラストです。
迷路の先は研究施設だった
研究施設には研究者らしき人々が倒れており、まるで何者かに襲撃された後のようになっていました。
施設内のモニターには、少年たちが暮らしていたグレードの映像が映し出されています。
ここでトーマスたちは、自分たちがずっと監視されていたと知りました。
やがてモニターにWCKDの責任者エヴァ・ペイジが登場します。
彼女の説明によって、迷路よりはるかに大きな世界の事情が明らかになります。
世界ではフレアが広がっていた
トーマスたちの知らない外の世界は、大規模な災害によって荒廃していました。
さらに「フレア」と呼ばれる感染症が広がり、人類は壊滅的な危機に直面しています。
ところが若者の中には、フレアに対して特別な性質を持つ者が存在しました。
WCKDは彼らを集め、極限状態に置いた際の脳の反応などを調べていたというのです。
つまりトーマスたちが暮らしていたグレードも、巨大な迷路も、グリーバーも、偶然存在した危険地帯ではなくWCKDによって用意された実験環境でした。
ここが第1作最大の種明かしです。少年たちは迷路に偶然閉じ込められたのではありません。恐怖、戦闘、仲間との協力、喪失、決断といった状況へ追い込むため、意図的に配置されていました。
ギャリーが突然現れる
エヴァ・ペイジの映像が終わったあと、思わぬ人物が研究施設へ現れます。
グレードへ残ったはずのギャリーです。
しかも彼はグリーバーに刺された影響で錯乱しており、トーマスへ銃を向けます。
ここは第1作でも特に疑問が残る場面です。
トーマスたちが激しい戦闘をしながらようやく突破した迷路を、ギャリーがいつ、どのような方法で抜けたのかは映画内では描かれません。
グリーバーとの接触を示す状態ではありますが、移動経路については断定できません。
チャックがトーマスをかばって死亡
錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向けると、ミンホがギャリーを攻撃します。
しかし、その瞬間に銃弾が発射されました。
弾丸はトーマスをかばったチャックに命中します。
まだ幼さの残るチャックは、トーマスにとってグレードで最も身近な存在の一人でした。
以前チャックは家族へ渡したい物をトーマスへ託そうとしていましたが、トーマスは「自分で渡せ」と返しています。その約束も叶わないまま、チャックは命を落としました。
迷路を脱出した直後にチャックが死ぬのは残酷ですが、この場面によって「迷路を出れば全員助かる」という期待は完全に壊されます。
武装部隊がトーマスたちを救出
その直後、武装した部隊が研究施設へ突入してきます。
トーマスたちは施設から連れ出され、ヘリコプターに乗せられました。
上空から見えるのは、彼らが長い時間を過ごしてきた巨大迷路の全景。
地上には荒れ果てた世界が広がっています。
ここだけを見ると、WCKDの研究施設が別の勢力によって襲撃され、トーマスたちはようやく救出されたように思えるでしょう。
しかし、映画はそこで終わりません。
エヴァ・ペイジは生きていた
最後に映し出されるのは、先ほど映像内で死んだように見えたエヴァ・ペイジです。
彼女は生きていました。
少なくともエヴァの死は偽装であり、研究施設で起きていた出来事にも芝居が含まれていたことになります。
さらにエヴァは、被験者たちが予想以上の成果を出したとして、実験を第二段階へ進めることを示します。
つまりヘリコプターに乗せられたトーマスたちは、WCKDの支配から逃げ切ったわけではありません。
迷路脱出後も、彼らは巨大な実験の中にいる。
これが『メイズ・ランナー』第1作の結末です。
メイズ・ランナーのラストの意味
ラストを理解するときに大切なのは、「迷路から脱出できたか」だけを見ないことです。
トーマスたちは確かに迷路を攻略しました。しかし物語全体で見ると、彼らはWCKDが用意した一つ目の環境を突破したにすぎません。
迷路そのものが実験装置だった
巨大な壁、毎晩変化する通路、グリーバー、グレードでの共同生活。そのすべては独立した出来事ではありません。
WCKDの実験という視点で見ると、一つにつながります。
若者たちを安全な研究室へ置くだけでは、死への恐怖や仲間を失う体験、限られた時間での判断、集団内での対立までは作れません。
そこでWCKDは迷路という閉鎖環境を用意し、被験者を極限状態へ追い込んだと考えられます。
グリーバーも単なる番人ではなく、その環境を成立させるために作られた存在なのでしょう。
だから迷路は「解かなければならないパズル」であると同時に、被験者へ恐怖と選択を与える巨大な実験装置でもあります。
救出も実験の一部だったのか
ラストで最もややこしいのが、武装部隊による救出です。
研究施設では多くの人間が倒れ、エヴァも死んだように見せていました。そこへ別の集団が突入し、トーマスたちを連れ出します。
しかしエヴァが生存し、その後に第二段階を宣言した以上、少なくとも「WCKDが完全に敗北して実験が終わった」という見方はできません。
むしろ研究施設の惨状や救出劇まで含めて、被験者に「実験から逃れた」と思わせるための演出だった可能性が高くなります。
ただし、第1作だけでは救出に関わった全員の立場や計画の細部までは説明されません。
したがって、「救出もWCKDの計画内だった可能性が高い」までは読み取れても、すべての動きを断定するのは難しいというのが妥当でしょう。
迷路脱出はゴールではない
本作のラストで最も重要なのはここです。
観客もトーマスたちも、物語の大部分を「迷路から出れば自由になれる」と考えて見ています。
ところが実際には、迷路そのものがWCKDの計画の一部でした。
言い換えると、トーマスたちは檻の扉を開けただけで、その建物自体からは出ていなかったようなものです。
迷路を出たところから、本当の世界とWCKDをめぐる物語が始まります。
だから第1作は一本で完結する脱出映画というより、三部作全体の入口という性格がかなり濃い作品なんですね。
WCKDは悪の組織なのか

WCKDを単純な悪の組織と考えると分かりやすいのですが、本作は少し引っかかる余地を残しています。
彼らが行っていることは残酷です。しかし世界ではフレアが広がり、人類そのものが危機に陥っていると説明されています。
目的は人類を救うこと
WCKDの説明を信じるなら、研究の目的はフレアに対抗する方法を探すことです。
トーマスたちのような特別な若者を調べることで、人類を救える可能性があると考えています。
目的だけを見るなら「人類を救う研究」と言えるでしょう。
ところが問題は、そのために被験者へ真実を知らせず、記憶を奪い、実際に死者が出る環境へ送り込んでいることです。
目的のために犠牲を許している
グレードでは長い間に複数の少年が命を落とし、迷路脱出の際にも犠牲者が出ています。
フレアの研究にとって貴重な存在なら、なぜ死ぬ可能性がある実験を行うのかという疑問は当然残ります。
映画第1作だけでは、この方法でなければならない理由まで十分に示されません。
少なくとも分かるのは、WCKDが「人類を救う」という大義のためなら、個々の被験者へ大きな犠牲を求める組織だということです。
◆ふくろうのワンポイント
個人的には、WCKDの怖さは「世界を滅ぼしたい悪人」ではないところにあると思います。人類を救うというもっともらしい目的があるからこそ、「そのためなら何をしてもいいのか?」という問いが生まれるんですよね。
トーマスとギャリーの違い
『メイズ・ランナー』では、トーマスが主人公、ギャリーが対立人物として描かれます。
しかし二人を単純な善と悪に分けてしまうと、この作品の面白さが少し減ってしまいます。
トーマスは変化を選ぶ人物
トーマスはルールよりも、自分の目の前で起きていることを優先します。
アルビーとミンホが危険なら迷路へ飛び込み、グリーバーを倒せば内部を調べ、真実を知るためなら自分で毒まで受けます。
彼がいなければ、少年たちはずっとグレードにとどまっていたかもしれません。
その一方で、トーマスの行動にはかなり危ういところがあります。
自分だけでなく周囲まで危険へ巻き込むため、結果を知っている観客だから「正しかった」と言える部分もあるでしょう。
ギャリーの警戒にも理由がある
ギャリーはトーマスを信用せず、何度も彼の行動を止めようとします。
物語上は邪魔をする人物に見えますが、ギャリーは長い間グレードで生き残ってきました。
そこへ記憶を失った新入りが現れ、これまでの決まりを無視して次々と危険なことを始めるわけです。
しかも実際、トーマスが来たあとに供給が止まり、グリーバーが襲撃し、アルビーまで死亡しました。
ギャリーが「トーマスが原因なのではないか」と疑うのも、彼の立場からすれば理解できます。
二人の違いは、危険を承知で未知の世界へ進むか、不完全でも生きてこられた場所を守るかです。
あなたなら、どちらを選ぶでしょうか。
第1作だけでは残る謎
『メイズ・ランナー』を見終えたあとにモヤモヤしやすい理由は、映画内で答えが示されない疑問がいくつも残るからです。
ここでは「映画で分かること」と「第1作だけでは決められないこと」を分けて見ていきます。
ギャリーはどうやって来た?
特に気になるのが、研究施設へ突然現れたギャリーです。
トーマスたちはグリーバーと戦いながら出口へ向かい、暗証番号まで入力してようやく研究施設へ到着しています。
それなのにグレードへ残ったギャリーが短時間で追いついてきました。
彼がグリーバーに刺されていたことから、その後に迷路へ入ったことはうかがえます。
しかし、具体的にどの道を通り、どのように出口へ到達したのかは描写されません。
ギャリーの移動方法についてはいくつか考え方がありますが、映画第1作には決定的な説明がありません。描かれていない部分を事実として決めつけない方が作品を理解しやすいでしょう。
なぜ毒で記憶が戻る?
ベンやアルビー、そしてトーマスはグリーバーの毒によって過去の記憶と関係する反応を見せます。
そのため、毒が単に人間を殺傷するためだけのものではないことは分かります。
グリーバーそのものがWCKDによって用意された存在である以上、チェンジも実験と無関係とは考えにくいでしょう。
ただし、毒が脳へどのように作用し、なぜ記憶が戻るのかという詳しい仕組みは、第1作では説明されません。
なぜ巨大迷路が必要なのか
これも見終えたあとにかなり気になる部分です。
WCKDがフレアに対する研究をしたいだけなら、わざわざ巨大な迷路やグリーバーを作り、貴重な被験者を死なせる危険まで冒す必要があるのかという疑問が出ます。
映画内の説明から考えられるのは、WCKDが欲しかったのが単なる身体検査の結果ではなく、極限状態に置かれた若者の脳の反応だったということです。
恐怖、仲間との協力、裏切り、死、時間制限、戦闘。こうした状況を意図的に発生させるための環境として迷路が使われています。
それでも実験方法として合理的なのかという疑問までは解消されません。
なぜトーマスも送られた?
トーマスとテレサが過去にWCKD側へ関係していたことは、本作の大きな種明かしです。
しかし二人がなぜ今度は被験者になったのかは分かりません。
本人たちの記憶も完全ではなく、WCKDとの関係も断片的にしか描かれていないため、第1作を見ただけで過去をすべて理解することはできません。
ここは続編へ持ち越される謎の一つです。
救出部隊は本当に味方?
武装部隊が研究施設へ突入してトーマスたちを連れ出したため、一見するとWCKDと敵対する勢力にも見えます。
しかし最後にはエヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ります。
このため、第1作のラスト時点では「完全にWCKDから逃げた」とは考えられません。
救出後も実験が続いているという事実こそ、この場面で押さえておきたいポイントです。
第1作で分かる事実
ここまで多くの謎が出てきましたが、すべてが曖昧なわけではありません。
最後に混乱しないため、「第1作の映像から読み取れること」と「まだ答えが出ていないこと」を分けておきましょう。
| 項目 | 第1作で分かること |
|---|---|
| 迷路 | 少年たちを極限状態へ置くWCKDの実験環境 |
| グリーバー | WCKDと関係する人工的な存在 |
| トーマス | 過去にWCKD側と関係していた |
| テレサ | トーマスと同じくWCKDとの過去を持つ |
| フレア | 外の世界で人類を脅かしている感染症 |
| 被験者 | フレア研究において特別な存在として扱われている |
| エヴァ・ペイジ | 映像内の死は本当ではなく、ラストで生存している |
| 迷路脱出 | 実験そのものの終了を意味しない |
| 第二段階 | 迷路脱出後も実験が続くことを示している |
反対に、トーマスとテレサが被験者になった詳しい事情、ギャリーが研究施設へ到達した正確な経路、WCKDが行う研究の全貌などは第1作だけでは分かりません。
この線引きをしておくと、ラストを必要以上に難しく考えずに済みます。
◆ふくろうのワンポイント
『メイズ・ランナー』は、すべての謎を第1作で解こうとするとかなりモヤモヤします。むしろ「迷路の正体が分かったところで、もっと大きな謎が出てきた」という終わり方。一本の完結編というより、シリーズの世界を開く第1章として見ると納得しやすいですよ。
メイズ・ランナーのよくある質問
Q1. メイズ・ランナーはどんな話ですか?
A. 記憶を失ったトーマスたちが巨大迷路からの脱出を目指し、その過程で自分たちがWCKDによる実験の被験者だったことを知るSFサバイバル映画です。迷路を抜けること自体が物語の本当のゴールではありません。
Q2. メイズ・ランナーの最後はどういう意味ですか?
A. トーマスたちは迷路から脱出しましたが、WCKDの実験から逃げ切ったわけではありません。エヴァ・ペイジが生存し、第二段階への移行を語ることで、迷路脱出後も計画が続いていると分かります。
Q3. エヴァ・ペイジは最後に死んだのですか?
A. 死んでいません。研究施設で流された映像では死んだように見えますが、ラストで生存している姿が映ります。そのため、少なくともエヴァの死は偽装だったことが分かります。
Q4. ギャリーはどうやって研究施設まで来たのですか?
A. 映画第1作では正確な経路が描かれていません。ギャリーがグリーバーに刺された状態で現れることは確認できますが、どのように迷路を突破してトーマスたちへ追いついたのかは、映画内では明確になっていません。
Q5. チャックはなぜ死亡したのですか?
A. グリーバーの毒で錯乱したギャリーがトーマスへ銃を向け、発砲された際にチャックがトーマスをかばったためです。迷路脱出直後の死によって、「迷路を出ればすべて解決するわけではない」と示す重要な場面にもなっています。
メイズ・ランナーのネタバレまとめ
『メイズ・ランナー』第1作は、巨大迷路からの脱出を目指すサバイバル映画として始まり、最後にはWCKDによる大規模な実験の物語だったことが明らかになります。
つまり、本作の結末をひと言で表すなら、「迷路からは脱出したが、WCKDが作った巨大な計画からはまだ脱出していない」ということです。
トーマスたちが命懸けで突破した迷路は、物語全体から見れば最初の試練にすぎませんでした。
そして印象的なのが、トーマスとギャリーの対立です。
危険でも現状を変えようとするトーマスと、長く生き延びてきた環境を守ろうとするギャリー。結果だけを見ればトーマスが正しかったように映りますが、ギャリーの警戒にも理由はありました。
そのうえ、ようやく迷路を攻略した直後にチャックを失い、救出されたと思った瞬間には「第二段階」が始まる。
迷路を脱出することがゴールではなく、迷路そのものが巨大な計画の入口だった。
この事実を明かしたところで第1作は終わります。
だからこそ『メイズ・ランナー』は、すっきり完結する脱出映画ではありません。迷路の外にもっと大きな世界が存在すると見せ、トーマスたちとWCKDの本当の戦いへつなげる物語なのです。