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リリーのすべてのネタバレ感想・あらすじ・考察を徹底解説!

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映画『リリーのすべて』は、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を基にした感動作です。本作は、彼女の苦悩と決断、そして夫婦の愛と変化を繊細に描き、多くの観客に深い感動を与える作品です。主演のエディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルの圧倒的な演技力が光り、アカデミー賞でも高い評価を受けたことでも有名。

本記事では、『リリーのすべて』のあらすじをネタバレを含みながら徹底解説し、映画の魅力や実話との違い、考察ポイントまで詳しく紹介する内容となっています。映画を観る前の予習や、鑑賞後の理解を深めるためのガイドとして是非最後までご覧ください!

ポイント

  • 『リリーのすべて』の詳しいあらすじと結末のネタバレ
  • 実話と映画の違い、史実との相違点
  • リリー・エルベの生涯や性別適合手術の詳細
  • 映画のテーマやキャストの演技、評価が分かれる理由

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リリーのすべてのあらすじとネタバレを徹底解説

チェックリスト

  • 『リリーのすべて』のあらすじと結末のネタバレ
  • リリー・エルベの実話と映画の違い
  • 主要キャストと演技の見どころ
  • 映画のテーマや映像美の魅力
  • リリーの性別適合手術の詳細と現実との違い
  • 映画の評価が分かれる理由と賛否のポイント

映画「リリーのすべて」の基本情報と概要

項目詳細
タイトルリリーのすべて
原題The Danish Girl
公開年2015年
制作国アメリカ・イギリス
上映時間1120分
ジャンル伝記・ドラマ
主演エディ・レッドメイン

映画の概要

『リリーのすべて』は、2015年に公開されたアメリカ・イギリス合作の伝記映画です。世界で初めて性別適合手術を受けた実在の人物、リリー・エルベの物語を描いた作品で、デンマークの風景画家アイナー・ヴェイナー(後のリリー・エルベ)とその妻ゲルダ・ヴェイナーの関係を軸に展開されます。

原作はデヴィッド・エバーショフの小説『The Danish Girl(邦題:リリーのすべて)』であり、これはリリー・エルベの実話を基にしたフィクション作品です。映画では、リリーの内面の葛藤と、それを支えようとするゲルダの姿が繊細に描かれています。

監督・脚本・音楽

本作を監督したのはトム・フーパー。彼は『英国王のスピーチ』や『レ・ミゼラブル』などの作品で知られ、歴史や社会的テーマを深く掘り下げる手腕に定評があります。脚本はルシンダ・コクソンが担当し、音楽は『博士と彼女のセオリー』などで知られるアレクサンドル・デスプラが手掛けました。

受賞歴と評価

本作は世界中で高い評価を受け、特に俳優陣の演技が絶賛されました。

  • 第88回アカデミー賞では、アリシア・ヴィキャンデルが助演女優賞を受賞し、エディ・レッドメインも主演男優賞にノミネートされました。
  • ゴールデングローブ賞では、主演男優賞と助演女優賞のノミネートを果たしました。
  • 美しい映像美と衣装デザインが評価され、美術賞や衣装デザイン賞にもノミネートされました。

映画の魅力

本作の最大の魅力は、主人公リリー・エルベの心理描写と、それを演じたエディ・レッドメインの繊細な演技です。また、デンマークの美しい風景や20世紀初頭のヨーロッパの街並みを再現した映像美も見どころの一つです。さらに、リリーを支えながらも葛藤するゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルの演技も高く評価されました。

物語のテーマ

『リリーのすべて』は、単なるトランスジェンダーの物語ではなく、「自己を見つける旅」「愛とは何か」という普遍的なテーマを描いています。リリーの自己探求の道のりと、それを見守るゲルダの葛藤が、観る者に深い感動を与える作品です。

このように、『リリーのすべて』は美しい映像と感動的なストーリー、そして俳優たちの名演技が融合した作品となっており、多くの人におすすめできる映画となっています。

豪華キャスト紹介!エディ・レッドメインの演技が話題

映画『リリーのすべて』は、その美しい映像と感動的なストーリーだけでなく、豪華なキャスト陣の演技が大きな見どころとなっています。特に、エディ・レッドメインの圧巻の演技は多くの映画ファンや評論家の間で話題となりました。本作の主要キャストを詳しく紹介します。

エディ・レッドメイン(アイナー・ヴェイナー / リリー・エルベ役)

主演のエディ・レッドメインは、デンマークの画家アイナー・ヴェイナーと、後に自身のアイデンティティを受け入れた女性「リリー・エルベ」という二重の人格を持つ主人公を見事に演じました。彼の演技は、アイナーからリリーへと変わっていく繊細な心の揺れを表現し、観客に強い印象を与えています。

エディ・レッドメインは、本作の前年に映画『博士と彼女のセオリー』でスティーヴン・ホーキング博士を演じ、アカデミー主演男優賞を受賞。その翌年に『リリーのすべて』で再びアカデミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げました。彼の特徴的な演技力は、表情や仕草の細やかさ、視線の動き、声のトーンなど、どの場面でも際立っています。

アリシア・ヴィキャンデル(ゲルダ・ヴェイナー役)

エディ・レッドメインと並び、本作で最も重要な役を担ったのがアリシア・ヴィキャンデルです。彼女は、リリーの妻であり、同じく画家であるゲルダ・ヴェイナーを演じました。ゲルダは、夫の変化に戸惑いながらも、彼を理解しようとする強い愛情を持ち続ける人物です。

アリシア・ヴィキャンデルは本作の演技で、アカデミー賞助演女優賞を受賞。ゲルダの苦悩、葛藤、そして最終的にリリーを受け入れ支えようとする姿をリアルに描き、多くの観客を感動させました。彼女の繊細な演技が、物語の感情的な側面をより深く引き出しています。

マティアス・スーナールツ(ハンス・アクスギル役)

マティアス・スーナールツは、アイナーの幼馴染であり、ゲルダの友人でもあるハンス・アクスギルを演じました。ハンスは、リリー(アイナー)の変化を受け入れ、ゲルダの苦しみに寄り添う頼れる男性として登場します。彼の紳士的な振る舞いや落ち着いた存在感は、映画の中で重要な役割を果たしています。

マティアス・スーナールツは、ベルギー出身の俳優で、『リリーのすべて』以外にも『君と歩く世界』『さらば愛しきアウトロー』などで印象的な演技を披露しています。本作では、ダンディな魅力と包容力のあるキャラクターを見事に演じ、観客の共感を呼びました。

ベン・ウィショー(ヘンリク・サンダール役)

ベン・ウィショーは、アイナーが「リリー」として生きるきっかけとなるヘンリク・サンダールを演じました。ヘンリクは、パーティーで出会ったリリーに惹かれ、彼女にキスをすることで、アイナーの中の女性としての自己認識をより明確にする存在となります。

ベン・ウィショーは、『007』シリーズのQ役や『パディントン』の声優としても知られ、幅広い演技力を持つ俳優です。本作では、繊細でありながらも情熱的なキャラクターを演じ、ストーリーに奥行きを与えました。

アンバー・ハード(ウラ役)

アンバー・ハードは、ゲルダの友人であり、リリーを「リリー」と命名するきっかけを作ったウラ役を演じました。彼女のキャラクターは、自由奔放でありながらもゲルダとアイナーの関係に深く関わり、物語の展開を後押しします。

アンバー・ハードは『アクアマン』のメラ役でも知られ、ハリウッドで活躍する女優の一人です。本作では、明るく魅力的なキャラクターを演じ、物語に軽快なアクセントを加えました。


『リリーのすべて』は、エディ・レッドメインの圧巻の演技をはじめ、アリシア・ヴィキャンデルの繊細な表現力マティアス・スーナールツの包容力のある演技など、豪華キャストが物語を支える映画です。それぞれのキャラクターが深く描かれており、観客は彼らの苦悩や愛、自己探求の旅に感情移入することができます。
この映画は、単なるトランスジェンダーの物語ではなく、人間のアイデンティティや愛の形を問う作品です。キャストの名演技が、それをよりリアルに、より感動的に表現しています。

「リリーのすべて」のあらすじを簡単に解説

『リリーのすべて』は、世界初の性別適合手術を受けた実在の人物リリー・エルベの人生を基にした感動作です。1920年代のデンマークを舞台に、ある夫婦の関係の変化と、自己の本当の姿を求める主人公の葛藤が描かれています。

1926年・デンマークのコペンハーゲンで暮らす画家夫婦

物語は、デンマークの風景画家アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)と、肖像画家である妻ゲルダ・ヴェイナー(アリシア・ヴィキャンデル)の夫婦生活から始まります。二人は仲睦まじく、共に芸術の道を歩んでいました。

ある日、ゲルダの絵の女性モデルが来られなくなり、アイナーが代役を務めることになります。ストッキングを履き、ドレスを纏うという何気ない体験でしたが、その瞬間、アイナーの中に潜んでいた「リリー」という女性の存在が目覚めることになります。

女性として生きることを望むアイナー

この出来事をきっかけに、アイナーは女性としての自分を強く意識するようになります。ゲルダも最初は夫の遊びとして受け入れ、アイナーを「リリー」と名付け、パーティーに女装して参加することを提案します。

しかし、パーティーで出会った画家のヘンリク・サンダール(ベン・ウィショー)とアイナーがキスを交わすことで、ゲルダは夫の変化に戸惑いを覚えます。その後もアイナーは密かにヘンリクと会い、自分は本来リリーであり、男性ではないという思いを強めていきます。

夫を支え続けるゲルダの葛藤

ゲルダは、夫を愛しているが、アイナーの心が女性としての生き方を求めていることに苦しみます。彼女は何人もの医師に相談しますが、当時は「トランスジェンダー」という概念がなく、精神障害として誤診されるばかりでした。

しかし、パリに移住した後、ゲルダの絵が「リリー」をモデルにした作品として高く評価され、彼女のキャリアは成功します。一方で、アイナーは「リリー」として生きることを望み、もうアイナーに戻れないと告げます。夫婦の関係は次第に変わっていきます。

世界初の性別適合手術へ

そんな中、アイナー(リリー)はドイツの医師マグナス・ヒルシュフェルトによって「あなたは間違っていない」と理解されます。さらに、ドレスデンのヴァルネクロス博士から「あなたの体を本来の女性の姿にする手術を行うことができる」と告げられます。

この提案を受け、アイナーは世界初となる性別適合手術を決意。男性の体から女性の体へと変わることを望み、ドイツへ向かいます。そして、リリー・エルベとして新しい人生を歩もうとします。

リリーの運命

しかし、当時の医療技術では限界があり、リリーは手術後の拒絶反応により体調を崩してしまいます。そして、ゲルダや友人たちに見守られながら、リリーは静かに人生の幕を閉じることになります。

『リリーのすべて』は、愛する人の変化を受け入れる難しさと、人が本来の自分を求めて生きることの尊さを描いた作品です。アイナー(リリー)の決断、ゲルダの苦悩、そして二人の愛の形が、観る者の心を深く揺さぶります。

結末ネタバレ!リリーの運命とは?

『リリーのすべて』は、リリー・エルベが世界で初めて性別適合手術を受けた歴史的な人物であることを描いた作品です。その人生は勇気に満ちていましたが、医療の発展途上にあった当時、彼女の運命は過酷なものとなりました。

性別適合手術を決意したリリー

物語の終盤、アイナー・ヴェイナーとしての生き方に苦悩していたリリーは、自分が女性として生きるために、ドイツ・ドレスデンの医師ヴァルネクロス博士のもとで性別適合手術を受ける決断を下します。これは当時、医学の歴史上前例のないものでした。

手術は段階的に行われ、最初に男性器の除去が行われます。この手術により、リリーは法律上も女性として生きることが認められ、デンマーク国王から正式に婚姻の無効を認められます。これにより、ゲルダとは法的に離婚し、リリーは新たな人生を歩むことになります。

世界初の子宮移植手術と拒絶反応

リリーは、さらなる女性化を求め、最終的に子宮移植を含む手術を決意します。当時の医療技術では非常に困難な手術であり、リスクが伴いました。しかし、リリーは「完全な女性」として生きることを望み、この選択をします。

しかし、手術後、移植された子宮に対する拒絶反応が発生します。現代の医療では免疫抑制剤が存在するため、臓器移植の成功率は高まっていますが、1930年代当時、そのような技術は確立されておらず、拒絶反応によりリリーの体は衰弱していきました。

リリーの最期

最終手術から数ヶ月後、リリーはドレスデンの病院で息を引き取ります。享年48歳。彼女の人生は短かったものの、リリー自身は「やっと本当の自分として生きることができた」と感じていました。最期の瞬間、彼女はゲルダや友人ハンスと共に、穏やかな表情でこの世を去ります。

映画のラストでは、リリーが生前に夢見ていた光景が映し出され、彼女が「本来の自分を取り戻した」と感じながら旅立つことが暗示されます。

『リリーのすべて』の結末は、リリー・エルベという女性が、自己のアイデンティティを求め続けた結果、医療の限界によって命を落とすという悲しいものです。しかし、彼女の生き様は多くの人々に勇気を与え、現代におけるトランスジェンダー医療の発展の礎となりました。
リリーは短い時間しか女性として生きることはできませんでしたが、その人生は決して無駄ではなく、多くの人々に影響を与えたのです。

実話を元にした物語?映画と原作小説の違い

比較項目映画『リリーのすべて』原作小説『The Danish Girl』
基になった作品フィクション要素を加えた伝記映画デヴィッド・エバーショフによる小説
リリーの人物像繊細で純粋な女性になりたいと願う人物として描かれるより内面的な葛藤や現実的な苦悩が描かれる
ゲルダとの関係リリーを最後まで支え続ける実際には離婚し、その後ゲルダは再婚している
ハンスの存在ゲルダを支える友人として登場実在しない架空のキャラクター
リリーの手術手術は2回で、簡潔に描かれる実際には5回の手術を受け、最後の手術で命を落とす
手術後の生活リリーが幸せに女性として生きる描写が強調される手術後の苦痛や身体的な問題がより詳しく描写される
史実との違い大幅に脚色されており、美化されている部分が多いリリー・エルベの実際の手記『Man into Woman』を元にしているが、フィクション要素も含む
キャスティングエディ・レッドメイン(シスジェンダー男性)がリリーを演じる小説のため、読者の想像に委ねられる

『リリーのすべて』は、実在の人物であるリリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)とゲルダ・ヴェイナーの人生を基にした映画ですが、完全なノンフィクションではなく、小説『The Danish Girl(デンマークの女)』を原作としています。このため、映画にはフィクションの要素も含まれており、実際の歴史とは異なる点も多くあります。

原作小説『The Danish Girl』とは?

原作はアメリカの作家デヴィッド・エバーショフによるフィクション小説で、2000年に出版されました。この小説は、リリー・エルベの人生をベースにしながらも、創作部分を加え、よりドラマティックな物語に仕上げられています。

一方、リリー・エルベの実際の人生は、彼女自身が語った記録『Man into Woman(男から女へ)』という自伝に詳しく書かれています。こちらのほうが、より史実に近いとされていますが、映画はこの自伝ではなく、小説『The Danish Girl』を基に製作されました。

映画と史実の大きな違い

映画では、リリーの人生が美しくドラマティックに描かれていますが、実際の出来事とは異なる点もあります。ここでは、特に大きな違いをいくつか紹介します。

① リリーの性別への目覚めの経緯 映画では、アイナーがゲルダの絵のモデルを務めたことがきっかけで、女性としての自分に目覚める描写があります。しかし、実際のリリー・エルベはそれ以前から女性としての自認があり、女装をして社交の場にも出ていたとされています。

② 幼なじみハンスの存在 映画に登場するハンス・アクスギルという人物は架空のキャラクターです。彼はアイナーの幼なじみであり、ゲルダを支える重要な人物として描かれていますが、実際には存在しない創作キャラクターです。

③ 手術の回数 映画では、リリーが性別適合手術を2回受けたと描かれていますが、実際には5回の手術を受けています。さらに、映画では最後の手術が「子宮移植」であることが強調されていますが、史実では手術の詳細が異なり、実際の経緯は複雑です。

④ ゲルダのその後 映画では、ゲルダがリリーを最期まで支えた姿が描かれています。しかし、実際のゲルダはリリーと離婚した後、別の男性と再婚しています。その後の人生は波乱に満ち、最終的には貧困の中で亡くなったとされています。

史実との違いをどう捉えるべきか?

映画『リリーのすべて』は、史実を忠実に描いたドキュメンタリーではなく、リリー・エルベの生き様をドラマティックに伝えるフィクション作品として作られています。そのため、脚色や創作が加えられているのは当然のことです。

とはいえ、この映画によってリリー・エルベという人物が広く知られるようになり、トランスジェンダーの歴史を考えるきっかけとなったことは非常に意義深いといえます。映画の感動的なストーリーを楽しむだけでなく、史実と比較してみることで、より深く作品を理解できるでしょう。

まとめ:映画はフィクションだが、リリーの精神は本物

映画『リリーのすべて』は、実話をベースにしながらも、物語としての魅力を高めるために多くの脚色が加えられています。しかし、リリー・エルベが世界初の性別適合手術を受けた人物であり、自己のアイデンティティを模索し続けた勇敢な女性だったことは事実です。

映画をきっかけに彼女の歴史に興味を持った人は、原作小説やリリー自身の自伝『Man into Woman』を読んでみるのもおすすめです。映画と史実の違いを知ることで、さらに深い視点から作品を楽しむことができるでしょう。

「リリーのすべて」感想!評価が分かれる理由とは?

『リリーのすべて』は、世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベの人生を描いた感動作として、多くの人々に支持されています。しかし、一方で本作に対する評価は賛否が分かれており、議論の的となることも少なくありません。本記事では、その理由を考察していきます。

絶賛されるポイント

① エディ・レッドメインの圧倒的な演技
本作の最大の魅力の一つは、主演のエディ・レッドメインの演技力です。彼は、男性として生きることに苦しみながらも、次第に「リリー・エルベ」としての自分を確立していく過程を繊細に表現しました。

特に、仕草や視線、声のトーンが変化する様子は圧巻であり、観客を彼の感情の揺れ動きへと引き込みます。その演技は高く評価され、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。

② 映像美と時代背景の再現
1920年代のデンマークやパリの美しい風景、洗練された衣装、柔らかな光の演出など、映像美も本作の魅力の一つです。まるで絵画のようなシーンが多く、時代の雰囲気を忠実に再現しています。

また、当時の社会がいかにトランスジェンダーの存在を理解していなかったかを示す描写も秀逸で、リリーの苦悩がリアルに伝わってきます。

③ 愛と自己探求の物語
『リリーのすべて』は単なるトランスジェンダーの物語ではなく、自己を探求する旅路と、支える愛の物語でもあります。

妻ゲルダとの関係性は多くの人の心を打ち、夫婦としての愛情、友情、そして支え合う姿に感動したという声も多く寄せられています。

評価が分かれる理由とは?

① 史実との違いが大きい
本作は実話を基にした作品ですが、フィクションとして脚色された部分が多いため、史実と比較して違和感を覚えた人も少なくありません。

例えば、映画では「ゲルダが最期までリリーを支えた」と描かれていますが、実際には二人は離婚し、ゲルダは別の男性と再婚しています。また、リリーの手術回数や、その過程も大幅に省略されています。

このため、「史実を忠実に再現した作品だ」と思って観た人からの評価は低くなる傾向があります。

② リリーを美化しすぎている?
映画ではリリーが「純粋に女性になりたい人物」として描かれていますが、実際のリリー・エルベの人生にはより複雑な要素が含まれていたといわれています。

また、ゲルダやハンスなど、主要キャラクターが「理解のある美しい人々」として描かれている点も、現実離れしているという指摘があります。あまりにも理想的な人物像が多いため、物語がフィクションとしての側面を強く感じさせることになっています。

③ トランスジェンダーの俳優が主演ではない
本作の公開当時から、「トランスジェンダーの役は、トランスジェンダーの俳優が演じるべきではないか?」という議論がありました。

エディ・レッドメインは、シスジェンダー(生まれ持った性別と性自認が一致する人)の俳優であり、トランスジェンダーの役を演じることに対して批判もありました。後に彼自身も「自分がこの役を演じたのは間違いだった」と発言しています

こうした背景から、特にLGBTQ+のコミュニティ内では評価が分かれる作品となっています。

まとめ:評価が分かれるのはテーマの深さゆえ

『リリーのすべて』は、感動的なストーリーと素晴らしい演技によって、多くの人の心を動かした作品です。しかし、史実との違いやキャスティングの問題、キャラクターの描かれ方などにより、一部の観客には批判的に受け取られることもありました。

それでも、本作が「トランスジェンダーの歴史や苦悩を広く伝えるきっかけとなった」ことは間違いありません。映画としての完成度を楽しむのはもちろん、史実と比較しながら観ることで、より深く理解できる作品となるでしょう。

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「リリーのすべて」あらすじネタバレと深掘り考察

チェックリスト

  • 鼻血のシーンがリリーの心と体の変化を象徴する理由
  • 映画で描かれる性別適合手術と実際の医療技術の違い
  • リリーが鏡の前で自身の体を見つめるシーンの意味
  • リリーの決断とゲルダとの関係性の変化
  • 当時の社会におけるジェンダーの認識とリリーの苦悩
  • リリーの最期と映画での演出の違い

鼻血の描写が示すリリーの心と体の変化

鼻血のシーンが持つ象徴的な意味

映画『リリーのすべて』の中で、リリー(アイナー)が鼻血を出すシーンは非常に印象的です。この場面は単なる生理的な現象ではなく、リリーの心と体に起こる変化を象徴的に表現しています。

まず、鼻血が出るのはリリーが初めて女性として男性とキスを交わした瞬間です。このタイミングは、リリーの中で「女性として生きる」という意識が一層強まる重要な転換点であり、体がその変化に反応しているように見えます。この演出は、リリーの内面の葛藤と、肉体的にも変化が始まっていることを示唆しているのです。

鼻血とリリーの身体的変化

この映画では、リリーの体に起こる変化を示す描写として鼻血が頻繁に登場します。実際のリリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)の記録によると、彼は生まれつき未発達の卵巣を持っていたと言われています。映画では直接的に語られていませんが、鼻血のシーンは「彼の体がもともと女性的な要素を持っていた可能性」を暗示しているとも考えられます。

また、精神的なストレスやホルモンの変化が鼻血を引き起こすこともあります。リリーが自身の性の違和感を強く意識し始めた頃、体がその精神的負荷に反応し、鼻血という形で表れたのかもしれません。これは、リリーの肉体が「女性になりたい」という願望に適応しようとするサインとも解釈できます。

鼻血が示すリリーの内面の葛藤

鼻血は単なる生理的現象ではなく、リリーの心理的な変化も象徴しています。キスの瞬間に鼻血を出すという描写は、リリーが自身の本当のアイデンティティを強く自覚し始める象徴的な場面でもあります。彼の中に存在する「アイナー」という男性としての部分が崩れ始め、「リリー」としての人生を歩みたいという思いがより鮮明になったことを示しているのです。

また、これはリリーが男性と親密な関係になることに対する潜在的な恐れや混乱の表れとも考えられます。彼は心の中で「リリー」として生きたいと願いながらも、社会の規範や自分の肉体とのギャップに戸惑いを感じていました。その強い感情が、鼻血という形で噴き出したのかもしれません。

映画『リリーのすべて』における鼻血の描写は、単なる身体的な異変ではなく、リリーが「アイナー」から「リリー」へと変わっていく過程を象徴的に示しています。これは、リリーの身体的変化の暗示であると同時に、精神的な目覚めや葛藤を視覚的に表現した演出です。彼が女性としての自分を受け入れようとする旅の中で、鼻血のシーンはその変化の瞬間を強調する象徴的な出来事だったと言えるでしょう。

性別適合手術の現実と映画での表現の違い

映画における性別適合手術の描写

映画『リリーのすべて』では、リリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)が世界初の性別適合手術を受ける様子が描かれています。この手術の過程は映画のクライマックスの一つであり、リリーが女性としての自分を完全に受け入れるための重要なステップとされています。

映画では、リリーがドイツの医師ワルネクロスのもとで手術を受ける様子が比較的シンプルに描かれています。彼女は性別適合手術を決意し、段階的に施術を受けることになります。特に、「アイナーを殺しに行く」と語る場面は、彼女にとって男性としての人生を終わらせ、リリーとして生まれ変わる覚悟を象徴する印象的なセリフです。

手術は2回に分けて行われたとされており、最初に男性器の除去が行われ、その後に子宮移植が計画されました。しかし、映画では詳細な手術内容や医学的な課題については深く掘り下げられておらず、リリーの精神的な苦悩や決意に焦点が当てられています。

実際の性別適合手術との違い

一方で、現実のリリー・エルベが受けた手術は、映画で描かれたものよりも遥かに複雑であり、当時の医療技術では極めて困難なものでした。

  • 5回にわたる手術
    実際のリリーは1930年から1931年にかけて、合計5回もの手術を受けています。映画では2回の手術で表現されていましたが、実際には以下のような段階があったとされています。
    1. 精巣の摘出(去勢手術)
    2. 陰茎の切除
    3. 卵巣の移植
    4. 人工膣の形成
    5. 子宮移植
  • 子宮移植の失敗と拒絶反応
    現在の医療でも、子宮移植による自然妊娠は非常に困難な技術です。しかし、リリーはこの手術を受けました。映画でも描かれているように、リリーは女性としての完全な身体を求め、子宮移植に挑戦しましたが、免疫抑制剤の技術が確立されていなかった当時、この手術は拒絶反応を引き起こしました。結果的に、彼女は手術後の合併症によって命を落としました。
  • 現代の性別適合手術との比較
    現在では、性別適合手術の技術は飛躍的に進歩しており、より安全で確実な方法が確立されています。例えば、膣の形成手術には「反転法(陰茎の皮膚を利用する)」や「S状結腸法(大腸の一部を利用する)」などの方法があり、外見的にも機能的にも女性に近い身体を作ることが可能です。しかし、子宮移植は倫理的・医学的な問題が多く、現時点では一般的な治療法ではありません。

映画が省略した医学的な現実

映画『リリーのすべて』はリリー・エルベの物語をドラマチックに描くために、実際の医学的な課題やリスクをある程度簡略化しています。特に、以下の点は映画では明確にされていません。

  1. 手術の成功率と危険性
    当時、性別適合手術は前例がほとんどなく、極めてリスクが高いものでした。映画では手術がスムーズに進んでいるように描かれていますが、実際には術後の経過が悪く、複数回の手術を経ても完全には成功しませんでした。
  2. 医学界の見解と社会の反応
    映画では、リリーの決断が医学的に受け入れられたかのように描かれていますが、当時の医学界ではこの手術は異例であり、多くの医師はリリーの症状を「精神病」として扱っていました。彼女が最終的にワルネクロス医師にたどり着くまでには、多くの医師から誤診や拒否を受けていました。
  3. 免疫抑制技術の未発達
    1930年代には、臓器移植における拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤が存在していませんでした。そのため、リリーが受けた子宮移植は免疫系によって異物とみなされ、深刻な拒絶反応を引き起こしました。現代でも子宮移植は限定的に行われていますが、妊娠・出産まで至るケースはごくわずかです。

映画『リリーのすべて』では、リリー・エルベが性別適合手術を受ける過程が感動的に描かれていますが、現実の手術はより複雑で危険なものでした。特に、手術の回数や子宮移植の試み、拒絶反応のリスクなどが映画では簡略化されており、実際の医学的な挑戦が十分に伝えられていない部分もあります。
現代の技術では性別適合手術の成功率は飛躍的に向上していますが、依然として身体的・精神的な負担は大きく、慎重な判断が求められるものです。リリー・エルベの勇敢な決断と、医学の進歩を考えるきっかけとして、映画と実際の歴史を照らし合わせて観ることが重要でしょう。

映画で描かれた下半身のシーンが意味するもの

リリーの自己認識を象徴するシーン

映画『リリーのすべて』では、主人公リリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)が自らの下半身を鏡で見つめるシーンが印象的に描かれています。このシーンは単なる肉体的な変化ではなく、自身のアイデンティティを視覚的に確認し、女性として生きる決意を固める象徴的な場面です。

リリーは、鏡に映る自分の下半身を見ながら、男性器を股に挟み込み、身体を女性のものへと見せようとします。この行為は、彼女が長年抱えてきた自己の性別に対する違和感を物理的に表現したものであり、また、自らを「本来の姿」に近づけようとする試みでもあります。

性別違和の可視化

この場面の重要なポイントは、性別違和(ジェンダー・ディスフォリア)を視覚的に描いていることです。性別違和とは、身体的な性と自認する性が一致しないことから生じる心理的な苦痛を指します。リリーにとって、自分の身体は「間違ったもの」であり、映画ではこの感情を観客に強く伝えるために、下半身のシーンを用いています。

特に、リリーが自分の姿を変えようとする仕草は、彼女の内なる苦悩や葛藤を如実に表しており、観る者に対して彼女の「本来の自分を求める切実な思い」を理解させる効果を持っています。

当時の社会におけるジェンダーの概念

1920年代のデンマークでは、「トランスジェンダー」という概念がほとんど認知されていなかった時代でした。映画では、リリーが自身の性を理解し、受け入れる過程が丁寧に描かれていますが、社会全体がこの変化を受け入れる準備はできていませんでした。

下半身のシーンは、そのような社会的な背景を踏まえた上で、リリーの「自分は女性である」という確信と、それを外見的にも体現したいという願いを象徴的に示す重要な場面です。

リリーの決意と手術への伏線

このシーンは、後に彼女が性別適合手術を受ける決意を固める伏線にもなっています。リリーは、長年自分の体に対する違和感を抱えながらも、それを明確に意識する機会がありませんでした。しかし、鏡の前で自らの身体を見つめることで、彼女は改めて「この体では自分らしく生きられない」と悟り、手術への一歩を踏み出すことになります。

映画のストーリー全体を通して、この下半身のシーンはリリーがアイナーという男性の姿から脱却し、「リリー」として新たに生きる覚悟を決める象徴的な瞬間として位置づけられています。

『リリーのすべて』における下半身のシーンは、単なる視覚的な演出ではなく、リリーの性別違和の苦悩と、自己受容のプロセスを象徴する重要な場面です。鏡を通して自分自身を見つめる行為は、彼女が長年抱えてきた心と体のズレを認識し、それを修正しようとする決意の表れでもあります。このシーンによって、リリーの内面に秘められた強い願いと葛藤がより深く伝わり、観る者に強い印象を与えるものとなっています。

ゲルダのその後の人生とリリーとの関係

リリーとの関係:夫婦から友情へ

映画『リリーのすべて』では、ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)がリリー(アイナー)の変化を受け入れ、彼女を支え続ける姿が描かれています。しかし、実際の歴史においても、ゲルダはリリーの最も大切な理解者の一人でした。

リリーが自身の性別違和を認識し、女性として生きる決意を固めたことで、夫婦としての関係は次第に変化していきます。最終的にはデンマーク国王によって正式に婚姻が無効とされ、二人は法的に夫婦ではなくなりました。それでもゲルダはリリーを支え続け、彼女が性別適合手術を受ける際にも精神的な支柱となったと言われています。

リリーの死後のゲルダ

1931年、リリー・エルベは性別適合手術の合併症により亡くなります。この悲劇の後、ゲルダの人生も大きく変化しました。

ゲルダはその後、2度の再婚を経験しました。最初の結婚相手はイタリア人将校のフェルナンド・ポルティという人物でしたが、この結婚は長くは続かず、離婚に至りました。その後、別の男性と再婚しましたが、彼女の晩年は決して順風満帆ではなかったようです。

ゲルダの画家としてのキャリア

ゲルダは画家として才能に恵まれていましたが、リリーの死後、その成功も次第に陰りを見せました。リリーをモデルとした肖像画は、彼女の代表作として一世を風靡しましたが、リリー亡き後は創作活動が停滞し、次第に経済的にも苦しい状況に追い込まれていきます。

また、当時の社会ではリリーの物語がセンセーショナルに受け止められた一方で、その影響がゲルダの評価にも影を落とした可能性があります。リリーとの関係が公に知られるようになるにつれ、彼女の作品に対する関心が薄れたとも言われています。

ゲルダの最期

晩年のゲルダは困窮し、芸術の世界から遠ざかることになりました。彼女は1940年にデンマークで亡くなりました。詳しい記録は残されていませんが、孤独な最期を迎えたとされています。

ゲルダが遺したもの

ゲルダ・ヴィーグナーの人生は、リリーと共に過ごした時間、そしてその後の波乱に満ちた運命によって大きく形作られました。彼女の作品は現在も評価されており、リリーを描いた肖像画は、ジェンダーの多様性を考える上で重要な文化遺産となっています。

また、彼女の生涯はリリー・エルベの物語と切り離せないものであり、愛と理解、そして変化を受け入れる勇気を象徴するものとして、今もなお多くの人々に影響を与えています。

映画を観る前に知っておきたいポイントまとめ

リリー・エルベの実話に基づく物語

映画『リリーのすべて』は、世界初の性別適合手術を受けた人物であるリリー・エルベの実話を元にしています。彼女はデンマークの画家アイナー・ヴェイナーから、リリーという女性へと自分を変えることを決意し、その過程で世界的に有名な芸術家であるゲルダ・ヴェイナーの妻としての支えを受けながら生きました。実際のリリーは1920年代に性別適合手術を受け、いくつかの手術後に亡くなったことでも注目されています。

映画のテーマ:愛と自己探求

本作のテーマは非常に深いもので、自己認識と愛の力が描かれています。リリーは自分の内面と向き合い、自分を女性として生きる決意を固める過程が描かれ、彼女の人生に関わったすべての人々がその変化に向き合わなければならないという葛藤を経験します。特に、リリーの妻ゲルダの支えと愛情が大きな役割を果たしますが、その愛もまた変化し、最終的には別れが待ち受けています。

エディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルの演技

映画を観る前に注目すべきポイントの一つは、主演のエディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルの演技です。エディ・レッドメインはリリー・エルベを演じ、その演技が絶賛され、アカデミー賞にもノミネートされました。彼はリリーの複雑な心情を細やかに表現し、女性として生きる葛藤や喜びを繊細に描いています。アリシア・ヴィキャンデルもゲルダ役として強い支持を受け、彼女の演技は夫婦としての絆と葛藤をリアルに表現しています。

時代背景と社会的な視点

1920年代という時代背景も重要です。この時期、トランスジェンダーという概念はもちろん存在せず、性別適合手術も医学的に未発達でした。社会全体がリリーのような人物を理解することはほとんどなく、彼女は精神的な障害として扱われたり、偏見にさらされることも多かったです。この映画は、そうした時代の苦悩と向き合わせながら、現代の私たちがどう向き合うべきかを考えさせられる内容です。

映画の美しい映像と演出

映画はデンマークとパリの美しい風景を舞台にしています。特にヨーロッパの街並みや自然の美しさは視覚的に印象深く、映画の雰囲気を引き立てています。さらに、衣装や美術にもこだわりがあり、リリーの女性らしさを表現するために細かいディテールが詰め込まれています。こうした視覚的要素が、登場人物の内面的な変化や感情を強調するのに重要な役割を果たしています。

手術シーンとその描写

リリーの物語において欠かせないのは、性別適合手術です。映画ではその過程も描かれており、特に手術のリアルな描写が印象的です。リリーは複数回の手術を受け、そのたびに身体的、精神的な痛みと向き合います。手術の結果、リリーの体は女性としての姿に変わりますが、それには多大な苦しみとリスクが伴うことを理解しておくことが大切です。

映画の評価と賛否

映画『リリーのすべて』は、その感動的な物語と演技力により多くの人々から高い評価を受けています。しかし、一方で美化しすぎではないかという意見や、性別適合手術の描写が誇張されているとの批判もあります。映画を観る際には、実際のリリーの人生とどのように異なる部分があるのかを知っておくことも、視聴体験をより深くする手助けになるでしょう。

感情的なインパクト

映画を観る前に知っておくべき重要な点は、感情的に非常に重い内容であるということです。リリーとゲルダの関係やリリーの苦しみを観ることは、観客に強い感情的な反応を引き起こす可能性があります。これから映画を観る方は、心情的に深く関わることを覚悟しておいた方がよいでしょう。

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リリーのすべてのネタバレ感想・あらすじ・考察を徹底解説を総括

  • 『リリーのすべて』は2015年公開の伝記映画
  • 世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を基にした物語
  • 主演はエディ・レッドメイン、監督はトム・フーパー
  • 原作はデヴィッド・エバーショフの小説『The Danish Girl』
  • 1920年代のデンマークを舞台に画家夫婦の葛藤を描く
  • 夫アイナーは妻ゲルダの絵のモデルをきっかけに女性としての自覚を持つ
  • 「リリー」として生きることを決意し、性別適合手術を受ける
  • 医師から精神疾患と診断されるが、理解ある医師に出会い手術を決意
  • 手術は2回にわたり行われ、最終的に子宮移植を試みる
  • 当時の医学では手術が非常に危険であり、拒絶反応によりリリーは命を落とす
  • ゲルダは最期までリリーを支えたが、後に再婚し波乱の人生を送る
  • 美しい映像と豪華キャストの演技が高く評価される
  • 一方で、史実と異なる脚色が多く賛否が分かれる
  • エディ・レッドメインの演技は絶賛され、アカデミー賞にノミネート
  • リリーの生涯はトランスジェンダーの歴史を語る上で重要なものとなった

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