「気持ち悪い」と感じた――そんな言葉から始まる映画『ミッドナイトスワン』への反応には、偏見や誤解、そしてまだ語られきっていない多くの真実が隠されていると感じます。本作は、草彅剛が魂ごと役に入り込んだ主人公・凪沙と、服部樹咲が演じる孤独な少女・一果との出会いを軸に、“新しい家族像”を描き出す繊細な人間ドラマです。 物語に通底するテーマは、母性、存在の肯定、そして人と人との心のつながり。『白鳥の湖』という象徴的なバレエ演目をモチーフにしながら、バレエがもつ「自由と変容」の意味が視覚的に立ち上がる演出や映像表現 ...