こんにちは、物語の知恵袋のふくろうです。 1954年公開の『近松物語』は、近松門左衛門の「大経師昔暦」をもとに、溝口健二監督が描いた恋愛悲劇です。古いモノクロ映画なので、最初は少し敷居が高そうに感じるかもしれません。でも、実際に物語を追ってみると驚くほど入りやすく、誤解から始まった逃避行が本当の恋へ変わっていく展開には、今観てもぐっと引き込まれます。 私が特に心に残ったのは、二人が最初から不義を働いていたわけではないところです。周囲から「不義密通をした」と決めつけられ、逃げるしかなくなった二人が、死を目前 ...