こんにちは、物語の知恵袋のふくろうです。 溝口健二監督の『近松物語』を観ていると、不思議な感覚が残ります。壮大な合戦があるわけでも、映像技術をこれ見よがしに見せるわけでもありません。それなのに、琵琶湖の暗い水面、屋敷の奥へ続く障子、逃げていく二人、そして処刑場へ向かうおさんと茂兵衛の顔が、いつまでも頭から離れないんですよね。 さらに気になるのが、溝口健二を高く評価したジャン=リュック・ゴダールの存在です。ゴダールは『近松物語』を語る際に、非常に短い「力と輝き」という言葉を残したとされています。 では、その ...