
こんにちは、物語の知恵袋のふくろうです。
『S.W.A.T. アンダーシージ』は、シアトルS.W.A.T.が一人の謎めいた男を拘束したことで、自分たちの拠点を武装集団に包囲されてしまう2017年のアクション映画です。
最初は「警察署を武装集団から守る籠城アクション」に見えるのですが、物語が進むにつれて面白くなるのが、味方の中にも敵へ情報を流している人物がいること。しかも裏切り者は一人だけではありません。
私が本作を観て特に印象に残ったのも、この部分でした。犯罪者のように見えるスコーピオンより、警察側の人間のほうが信用できなくなっていくんですよね。
終盤ではウォードだけでなくドワイヤーの裏切りまで判明。そして、撃たれて死亡したように見えたスコーピオンにも、もう一つ仕掛けが用意されています。
ここでは『S.W.A.T. アンダーシージ』のあらすじから結末、スコーピオンの正体、裏切り者、最後にトラヴィスが下した判断まで、ネタバレ込みで詳しく見ていきます。
この記事でわかること
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『S.W.A.T. アンダーシージ』の結末までのあらすじ
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スコーピオンの正体と狙われる理由
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ウォードとドワイヤーの裏切り
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スコーピオンが生きていたラストの意味
ここから先は映画『S.W.A.T. アンダーシージ』の結末までネタバレしています。未鑑賞の状態で物語を楽しみたい方はご注意ください。
作品概要と登場人物
まずは『S.W.A.T. アンダーシージ』がどんな作品なのか、物語を理解するうえで重要な人物とあわせて確認しておきましょう。
作品の基本情報
| 作品名 | S.W.A.T. アンダーシージ |
|---|---|
| 製作年 | 2017年 |
| 製作国 | アメリカ |
| ジャンル | アクション、クライム |
| 上映時間 | 約89分 |
| 監督 | トニー・ジグリオ |
| 主演 | サム・ジェーガー |
物語の舞台はアメリカ独立記念日のシアトル。S.W.A.T.チームが作戦中に謎の男を発見し、本部へ連行したことから事件が一気に拡大します。
Sony Pictures Entertainmentの公式紹介でも、スコーピオンは米国の情報機関と国際犯罪者の双方に関わる重大な秘密を握る人物として紹介されています。
本作の基本設定については、Sony Pictures Entertainment『S.W.A.T.: UNDER SIEGE』公式ページでも確認できます。
トラヴィスとスコーピオン
主人公はシアトルS.W.A.T.のチームリーダー、トラヴィス・ホール。演じるのはサム・ジェーガーです。
独立記念日にも仕事へ呼び出され、家族との時間を十分に取れない生活を送っています。物語の冒頭では妻との関係にも少し距離が生まれており、仕事と家庭の板挟みになっている人物として描かれています。
そして、もう一人の主役と言っていいのがマイケル・ジェイ・ホワイト演じるスコーピオンです。
背中に大きなサソリのタトゥーがあることからそう呼ばれていますが、本名や経歴は簡単には明かされません。
大柄な体格に加えて格闘能力も高く、一般的な犯罪者とは明らかに違う雰囲気を漂わせています。
最初はトラヴィスに拘束される側だった二人が、やがて背中を預けて戦う関係になっていくのが本作の見どころです。
ドワイヤーとウォード
物語を理解するうえで覚えておきたいのが、エイドリアンヌ・パリッキ演じるエレン・ドワイヤーと、タイ・オルソン演じるウォードです。
二人とも序盤ではS.W.A.T.側の人間として描かれるため、観客から見れば基本的には「味方」。ところが、この二人が後半の展開を大きく動かします。
特にドワイヤーは、物語のかなり早い段階からどこか不自然な態度を取っています。ただ、その一方で先にウォードの内通が発覚するため、「裏切り者はウォードだったのか」と一度は納得させられる作りです。
実はそこからもう一段階あるのが本作のポイント。
敵を率いるラーズ
スコーピオンを執拗に追う武装集団を率いるのが、マシュー・マースデン演じるラーズです。
彼らが欲しいのは単なる人質ではありません。スコーピオンが握っている情報には途方もない価値があり、それを手にするためならS.W.A.T.本部そのものを襲撃することさえためらわないのです。
その結果、普段なら敵地へ突入する立場のS.W.A.T.が、自分たちの拠点を守って戦うという逆転した状況が生まれます。
ネタバレあらすじ

ここからは『S.W.A.T. アンダーシージ』の物語を、事件の始まりから結末まで順番に追っていきます。
独立記念日の作戦
物語が始まるのは7月4日、アメリカ独立記念日の朝です。
シアトルS.W.A.T.のトラヴィスは自宅で家族と過ごしていましたが、突然仕事の呼び出しを受けます。妻はトラヴィスに何か話したそうにしていますが、彼はその内容を聞かないまま本部へ向かいました。
そこで命じられたのが、DEAと共同で行う犯罪組織への突入作戦です。
ギャングの拠点へ重要な密輸品が運び込まれたという情報をもとに、トラヴィスたちは現場へ突入。しかし簡単な押収任務になるはずだった作戦は、激しい銃撃戦へと変わります。
S.W.A.T.側にも犠牲者が出るほどの戦いになり、トラヴィスたちは何とか現場を制圧しました。
ところが、目的だったコンテナを開けると、中にあったのは麻薬でも大量の武器でもありません。
一人の男が拘束されていたのです。
コンテナにいた謎の男
男の背中には大きなサソリのタトゥーがありました。
身元も目的も分からないため、トラヴィスたちは彼をS.W.A.T.本部へ連行。男はやがて「スコーピオン」と呼ばれるようになります。
当然ながら、トラヴィスたちは彼を犯罪組織の関係者だと疑います。
しかしスコーピオンの態度は妙に落ち着いていました。自分がこのあと何者かに狙われることも、その相手がどのような方法で近づいてくるのかも知っているように見えます。
そしてスコーピオンはトラヴィスに警告します。
近いうちに自分を引き取りに来る人間が現れるが、その者たちを信用してはいけない。
この時点では、拘束されている男と警察側のどちらを信じるべきなのか分かりません。
ところが、その警告はすぐに現実になります。
偽FBIが現れる
やがてS.W.A.T.本部に、FBIを名乗る男たちが現れます。
彼らはスコーピオンの身柄を引き渡すよう要求。通常なら連邦機関からの正式な要請として処理されてもおかしくありません。
しかし、トラヴィスは相手の装備などから違和感を覚えます。
スコーピオンが警告していたこともあり、トラヴィスは簡単には彼を渡しません。
そして男たちが本物のFBIではないことが判明。銃撃戦へ突入します。
ここから物語は一気に「誰を信じるか」というサスペンスへ変わっていきます。
スコーピオンは自力で拘束を解き、トラヴィスへ協力を申し出ます。それだけではありません。
敵とつながっている人間がS.W.A.T.側にもいると伝えるのです。
◆ふくろうのワンポイント
このあたりから、スコーピオンの立ち位置が面白くなってきます。肩書きだけ見れば彼が最も怪しいのに、実際には彼の警告ばかりが当たるんですよね。「犯罪者らしい男」と「警察の制服を着た人間」のどちらを信じるのかという逆転が始まります。
S.W.A.T.本部が包囲される
ついにラーズ率いる武装集団が本格的な攻撃を開始します。
普段は突入作戦を行うS.W.A.T.が、今度は自分たちの本拠地に立てこもり、外から押し寄せる大量の敵を迎え撃たなければなりません。
通信や警備設備も妨害され、本部は孤立状態。さらに内部に内通者がいる可能性まで浮上しているため、ただ敵を撃退すればいいわけではありません。
外には武装集団。
中には裏切り者。
守らなければならないスコーピオン。
限られた人数で、この三つを同時に相手にすることになります。
列車を占拠された元特殊部隊員が少人数でテロリストへ反撃するタイプの作品が好きなら、当サイトで紹介している映画『暴走特急』のネタバレ解説も近い爽快感があります。
最初の内通者ウォード
戦いが続く中、最初に裏切り者として正体を現すのがウォードです。
彼はS.W.A.T.チームの一員でありながら敵側とつながり、内部から行動を助けていました。
本部の防御が崩れていくのも、単純に敵の攻撃力が高いからではありません。
内部の人間が敵側へ手を貸していたことが大きく影響しています。
ウォードの裏切りが発覚したことで、スコーピオンの「内部に敵がいる」という言葉も事実だったと分かります。
普通なら、ここで内通者問題は解決したように見えるでしょう。
しかし本作は終わりません。
ラーズとの最終決戦
本部内へ大量の敵が侵入し、トラヴィスたちの仲間も次々と倒れていきます。
そこで大きな戦力になるのがスコーピオンです。
拘束されていた男とは思えないほど高い戦闘能力を見せ、格闘でも銃撃でも敵を圧倒していきます。
特にマイケル・ジェイ・ホワイトの肉弾戦は、本作の分かりやすい見せ場でしょう。
トラヴィスとスコーピオンは残った仲間たちを脱出させ、自分たちは本部内に残ります。
そしてラーズとの決戦へ。
スコーピオンとトラヴィスは協力して敵を倒し、ついにラーズ側の攻撃を食い止めます。
これで事件は解決したように思えました。
ところが、本当の裏切りはここからです。
結末と最後を解説

『S.W.A.T. アンダーシージ』で最も重要なのが、このラスト部分です。ウォードを倒したあとにも、まだ敵側へ情報を流していた人物が残っています。
ドワイヤーも裏切り者
ラーズとの戦いが終わったあと、スコーピオンは逃げ続ける生活に疲れた様子を見せます。
そして、自分が守っていた重要な情報が入った小型のチップをトラヴィスへ渡そうとしました。
その瞬間です。
ドワイヤーがスコーピオンを撃ちます。
ウォードだけではなく、ドワイヤーも敵とつながっていたのです。
彼女はチップを奪い、その場から逃走。
トラヴィスはすぐに追跡します。
銃撃と格闘の末、最終的にトラヴィスはドワイヤーを制圧。駆けつけた警官たちによって彼女は逮捕されます。
つまり本作には、ウォードとドワイヤーという二段階の裏切りが仕込まれていました。
結末の重要ポイント
先にウォードを裏切り者として明かすことで観客を一度安心させ、そのあとドワイヤーの裏切りを見せています。最初から怪しく見えるスコーピオンではなく、警察側の人物が次々と敵だったという逆転が本作らしいところです。
スコーピオンは死んだのか
ドワイヤーに撃たれたスコーピオンは、その後死亡したように扱われます。
トラヴィスも遺体の確認を求められました。
ここだけを見ると、スコーピオンは最後に殺されてしまったように思えます。
しかし、スコーピオンは死んでいません。
遺体を見たトラヴィスは、その人物がスコーピオン本人ではないことに気づきます。
スコーピオンは別人の遺体を自分の遺体に見せかけ、死亡したことにして姿を消していたのです。
本作のラストで少し分かりにくいのがここなので、「結局スコーピオンは死んだの?」と思った方もいるかもしれません。
答えは「生きている」です。
トラヴィスはなぜ逃がした
さらに重要なのは、トラヴィスがスコーピオンの偽装死を見抜いていたことです。
遺体が本人かどうか確認されたトラヴィスは、それが別人だと理解しています。
それでも本人だと認め、スコーピオンが死亡したことにしました。
つまり、トラヴィスは意図的にスコーピオンを逃がしたと考えていいでしょう。
では、なぜ警察官であるトラヴィスがそんな判断をしたのでしょうか。
理由は、事件を通して「誰が本当に信用できる人間なのか」を見極めたからだと思います。
スコーピオンは素性を隠していました。しかし彼はトラヴィスへ嘘の安心を与えるのではなく、危険が迫るたびに警告しました。
偽FBIについてもそうです。
内部の内通者についてもそう。
さらに襲撃が始まったあとには、自分だけ逃げるのではなくS.W.A.T.隊員たちを助けています。
一方、警察側にいたウォードとドワイヤーは肩書きを利用しながら裏切りました。
最終的にトラヴィスが信じたのは、肩書きではなく実際に何をしたかだったのでしょう。
家族と花火を見るラスト
事件を終えたトラヴィスはようやく自宅へ戻ります。
独立記念日の花火が上がる中、妻や家族と過ごすトラヴィス。
そこで妻から、家族が増えることを知らされます。
映画の冒頭では仕事のために妻との話を途中で切り上げていたトラヴィスが、最後には家族のもとへ帰るわけです。
派手な陰謀を解決したあとに描かれるのは、意外にもとても小さな日常。
スコーピオンは自由を取り戻し、トラヴィスも守るべき場所へ戻った。そんな対照的な終わり方になっています。
スコーピオンの正体

物語最大の謎だったスコーピオン。結局、彼は何者だったのでしょうか。
ただの犯罪者ではない
スコーピオンは、単なる麻薬組織の構成員やギャングではありません。
彼は秘密工作に関わってきた特殊な経歴を持つ人物であり、複数の組織にとって極めて危険な情報を握っています。
そのため犯罪組織だけでなく、情報機関に関係する人間にとっても、その存在そのものが脅威になっていました。
だからこそ、正規の手続きを踏んで身柄を確保するのではなく、偽FBIまで送り込んで強引に奪還しようとする者が現れたのでしょう。
彼は最初から「敵か味方か」という単純な分類に収まらない人物です。
なぜ敵に狙われたのか
敵側がスコーピオンへ執着する理由は、彼自身の戦闘能力ではありません。
彼が持っている情報に莫大な価値があるからです。
スコーピオンの知っている秘密が明るみに出れば、大きな組織や関係者が危険にさらされます。
だからラーズ側にとっては、スコーピオンを自由にしておくわけにはいきません。
彼を確保するか、情報を奪う必要があったわけです。
その情報が最終的には小さなチップとして登場します。
チップが象徴するもの
チップの中身が細部まで説明されるわけではありません。
ですが、物語上は「誰がその情報を支配するか」が重要です。
ラーズはその情報を求め、ウォードは仲間を裏切り、ドワイヤーも最後に本性を現します。
小さなチップ一つのために、何人もの人間が命を落としているわけです。
逆にスコーピオンは最後になると、逃げ続けることに疲れ、その情報を手放そうとします。
情報を守るために生きてきた男が、最後にはそれを手放して自由を選ぶ。
だから偽装死という結末にもつながっていきます。
裏切り者は誰なのか
検索していて最も気になる人が多いのが、「結局、裏切り者は誰だったのか」という点ではないでしょうか。答えは一人ではありません。
ウォードが最初の内通者
最初に正体が判明する裏切り者はウォードです。
彼はS.W.A.T.隊員としてトラヴィスたちと行動しながら、裏では敵側とつながっていました。
そのため、敵はS.W.A.T.側の状況を把握しやすくなり、本部への攻撃も成功しやすくなっています。
ウォードが明らかになった時点で、スコーピオンの警告が正しかったことも証明されます。
ただし、ウォードは物語の最終的な黒幕ではありません。
ドワイヤーも敵側だった
もう一人の裏切り者がドワイヤーです。
ウォードが発覚したあとも、彼女は味方として行動しているため、観客としては「内通者問題は終わった」と思わされます。
ところがラーズとの戦いが終わり、ようやく安全になったと思った瞬間、スコーピオンへ発砲。
チップを奪って逃走します。
この瞬間、ウォード以上に重要な内通者だったことが明らかになります。
私としては、ここが本作で最も分かりやすく盛り上がるポイントでした。
◆ふくろうのワンポイント
ドワイヤーはかなり早い段階から怪しく見えるので、映画をよく観る人なら正体を予想できるかもしれません。それでも、途中でウォードという別の裏切り者を出すことで一度視線をそらしているのは面白いところです。
二重の裏切りが意味するもの
裏切り者を二人配置したことで、本作の「誰を信用するか」というテーマがはっきりします。
最初はスコーピオンが一番信用できない人物でした。
身元不明。
コンテナに監禁されている。
世界規模の秘密を抱えている。
これだけ並べれば、警察官より彼を疑うのが普通です。
ところが物語を最後まで見ると、トラヴィスへ何度も正しい情報を与え、最後まで協力したのはスコーピオンでした。
反対に、正式な組織に所属しているウォードとドワイヤーが裏切ります。
人を判断するのは所属や肩書きではなく行動。
単純なアクション映画の中にも、この構図が一貫して置かれています。
ラストの意味を考察

スコーピオンの偽装死と、トラヴィスがそれを見逃した場面には、本作が描いてきた関係性が集約されています。
信用が物語のテーマ
『S.W.A.T. アンダーシージ』では、何度も信用を試されます。
偽FBIは公的機関の名前を利用します。
ウォードは仲間という立場を利用します。
ドワイヤーも警察側の人間として振る舞います。
つまり本作で危険なのは、いかにも悪人らしい人物ではありません。
信用できそうな立場にいる人間が、その信用を利用して裏切ることです。
逆にスコーピオンは外見も経歴も怪しい。それでも実際の行動によってトラヴィスの信用を得ます。
この積み重ねがあるからこそ、最後にトラヴィスが規則より自分の判断を優先する場面にも納得できるんですよね。
スコーピオンを信じた理由
トラヴィスがスコーピオンを逃がしたのは、単に友情が芽生えたからではないと思います。
事件の最中、スコーピオンには逃げる機会が何度もありました。
それでもS.W.A.T.側と協力し、敵と戦い、残った隊員の脱出まで助けています。
トラヴィスはその行動を自分の目で見ていました。
一方で、自分が所属する側には二人もの裏切り者がいました。
その経験をしたあとでは、「所属している組織が正しいから、その人物も正しい」とは簡単に考えられません。
だからこそスコーピオンが選んだ自由を、最後だけは尊重したのではないでしょうか。
S.W.A.T.が苦戦する理由
本作については、「S.W.A.T.なのに思ったほど強くない」と感じる人もいると思います。
実際、隊員たちは次々と敵の侵入を許し、仲間にも犠牲者が出ます。
S.W.A.T.というタイトルから、本格的な戦術や圧倒的なチームワークを期待すると、少し物足りません。
敵側も高度な戦術で攻め続けるというより、大人数で次々と建物へ入ってくる場面が多め。
そのため、リアルな特殊部隊ものというより、警察施設を舞台にした籠城型B級アクションとして見たほうが楽しみやすい作品です。
B級アクションとしての魅力
一方で、上映時間は約90分。話が止まっている時間はそれほど長くありません。
謎の囚人。
偽FBI。
武装集団の襲撃。
内部の裏切り者。
マイケル・ジェイ・ホワイトの格闘。
二人目の裏切り。
そして最後の偽装死。
かなり多くの要素を短い時間に詰め込んでいます。
一つ一つの設定を深く掘り下げる映画ではありませんが、次々と状況が変わるためテンポは良好。
重厚な警察ドラマを期待するのではなく、「休日に気軽に観られる銃撃戦多めのアクション」と考えれば、なかなか楽しい一本です。
観終わった感想
ここからは物語の内容だけでなく、映画として私が感じたところもまとめます。
良かったのはスコーピオン
やはり一番印象に残るのはマイケル・ジェイ・ホワイトです。
主人公はトラヴィスなのですが、戦闘面ではスコーピオンの存在感がかなり大きい。
落ち着いた態度と大柄な体格だけでも「普通の捕虜ではない」と伝わりますし、戦闘が始まれば一気に頼もしい存在になります。
最初は「危険人物をなぜ連れてきたんだ」という存在だったのに、途中から「もうスコーピオンに任せたほうが早いのでは」と感じるほど。
このキャラクターがいなければ、かなり印象の薄い映画になっていたかもしれません。
惜しいのは包囲戦の薄さ
一番もったいないと感じたのは、せっかくの「S.W.A.T.本部が包囲される」という設定を十分に使い切れていないところです。
本来なら、建物の構造を利用した防衛や、敵の侵入口を予測した配置、限られた弾薬をどう使うかといった戦術がもっと見たかったところ。
しかし実際には、敵が次々と内部へ入り、廊下などで銃撃戦になる場面が多くなっています。
そのため、「S.W.A.T.だからできる籠城戦」というより、一般的なアクション映画に近い印象でした。
設定はかなり面白いだけに、ここはもう少し掘り下げてほしかったですね。
気軽に観るなら楽しめる
それでも私は、本作をそれほど嫌いではありません。
むしろB級アクションだと分かったうえで観れば、必要なものはかなり入っています。
敵か味方か分からない男がいて、施設が襲撃され、仲間に裏切り者がいて、最後にはもう一度どんでん返し。
細かく考えると粗い部分はありますが、約90分で最後まで一気に進みます。
マイケル・ジェイ・ホワイトのアクションが好きな方や、警察署・基地など一つの施設を舞台にした籠城映画が好きな方なら、相性は悪くないでしょう。
大作映画のようなスケールや本格的なS.W.A.T.戦術を期待するより、「限られた舞台で銃撃、格闘、裏切りを次々と見せるB級アクション」と考えて観るのがおすすめです。
よくある質問
最後に、『S.W.A.T. アンダーシージ』を観たあとに疑問になりやすい部分を簡潔に確認します。
S.W.A.T. アンダーシージのよくある質問
Q1. スコーピオンは最後に死んだのですか?
A. いいえ。スコーピオンは生きています。別人の遺体を自分の遺体に見せかけて死亡を偽装し、そのまま姿を消しました。トラヴィスも遺体が本人ではないと気づいています。
Q2. S.W.A.T.側の裏切り者は誰ですか?
A. ウォードとドワイヤーです。最初にウォードが敵側の内通者だったことが判明し、その後の結末でドワイヤーも敵側とつながっていたことが明らかになります。
Q3. スコーピオンは何者だったのですか?
A. 単なる犯罪者ではなく、秘密工作に関わる特殊な経歴を持ち、米国情報機関や国際犯罪者に関係する重大な秘密を握っている人物です。その情報をめぐって複数の勢力から狙われています。
Q4. なぜトラヴィスはスコーピオンを逃がしたのですか?
A. 事件を通してスコーピオンが何度も自分たちを助け、その一方で警察側のウォードやドワイヤーが裏切ったことを経験したからだと考えられます。トラヴィスは肩書きではなく、スコーピオンの行動を見て信用したのでしょう。
Q5. 『S.W.A.T. アンダーシージ』はシリーズ作品ですか?
A. 『S.W.A.T.』シリーズに連なる作品ですが、本作だけでも物語は理解できます。トラヴィスやスコーピオンを中心とした事件は本作内で完結するため、過去作品を観ていなくても大きな問題はありません。
まとめ
『S.W.A.T. アンダーシージ』は、謎の男スコーピオンを拘束したS.W.A.T.チームが、大量の武装集団に本部を包囲される籠城型アクションです。
しかし本当のポイントは、外から襲ってくる敵だけではありません。
- スコーピオンは重大な機密情報を握る人物
- ウォードは敵側へ情報を流す内通者
- ドワイヤーも最後に裏切り者だと判明
- 撃たれたスコーピオンは死亡していない
- 別人の遺体を使って死亡を偽装する
- トラヴィスは偽装を見抜きながら彼を逃がす
最後まで見ると、本作は単純な「S.W.A.T.対武装集団」の映画ではなく、誰を信用するのかを最後まで問い続ける物語だったことが分かります。
最も怪しく見えたスコーピオンが結果的には最後までトラヴィスを助け、正式な組織側にいたウォードとドワイヤーが裏切る。この逆転こそ、本作の面白さでしょう。
包囲戦としての戦術や大作映画らしい迫力を求めると物足りないところはあります。
それでも、約90分の中に銃撃戦、格闘、偽FBI、内通者、二重の裏切り、偽装死まで詰め込んだ作品なので、B級アクションとして気軽に楽しむには悪くありません。
私としては、何よりマイケル・ジェイ・ホワイト演じるスコーピオンの存在感が印象に残りました。
肩書きではなく実際の行動を見て相手を信じる。その答えとして、トラヴィスが最後にスコーピオンの「死」を認める場面を見ると、あのラストにも少し違った味わいが出てくるのではないでしょうか。